ゲーミングPCを買う

諸事情からゲーミングPCを購入することになった。家庭環境上の制約からデスクトップではなくノートを前提に、機種を選定する。

長くPCを使う仕事をしてきたこともあり、PCの基本的な構成については一応の理解があるものの、30年来のMacユーザであるためPC/AT機については些か疎い。ましてゲーム用のグラフィック環境となると、どの程度の性能が必要になるものかさっぱり解らない。
まずはその辺りを調査するところから始める。

ざっくり把握したところによると、描画性能としては概ね「1/60秒以上の速度」を目指すべきであるようだ。
液晶ディスプレイのリフレッシュレートとしては60Hzでは不足、144Hz以上が望ましい。
GPUの描画速度としては「プレイしたいタイトルがディスプレイの最大解像度で最低60fps、可能ならば120fps以上」。

以上を指標として把握したところで、次にグラフィックボードの選定に入る。ゲームを用いたベンチマークテスト結果を参考に、「だいたいこの辺まで性能があれば充分」と思われるラインを見極める。
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ゲーム/環境によりけりなのだが、おおよその水準として「GTX1060以上あれば結構遊べる」「RTX 2060以上あれば割と安泰」という感じが見えてきた。
スペック的にはだいたいバス幅192bit、メモリ6GB欲しいところか。
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その他、プレイングに関わる性能としてはキーボード配置などがあるが、こればかりは性能指標的なものを見出すのは難しそうに思われる。ただ、プレイ中に多用するであろうWASDやスペースなどの近くにある「Winキー」によって画面が切り替わりオンライン中に操作が途切れそうなのは気掛かりで、できればWinキー無効化機能のあるキーボードを求めたい。

ここまで見えてくると、だいぶ機種が絞り込める。
3年は追加投資なしに戦うことを前提に、CPUは第10世代のCore i7もしくは第3世代のRyzen 7系、GPUはGTX 1660TiまたはRTXの2060以上、メモリは暫定16GBを積むが最大32GB程度までは拡張できること(まあオンボードではないのでやろうと思えば自力拡張は可能だと思うが)。そして、Winキー誤動作防止に配慮したキーボードが組み込まれていること。
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価格.comは一覧比較するには便利なのだが、ディスプレイのリフレッシュレートやストレージ・メモリの最大対応量など確認したいところが微妙に欠けているのが惜しい。そういうところは1件づつ地道に調査するしかない。とりわけWinキーロックはもっとも確認が難しい。
なにしろゲーミングPCのキーボード、まずアピールされるのが「光る」なのだ。キーボードレイアウトがはっきり確認できる写真が掲載されている方が稀で、Winキーにロックが備わっているらしいことが見てとれるのは、左Winキーに鍵マークがあるASUS機と製品紹介ページではっきりとWinキーロック機能を謳うドスパラGARELLIAぐらいのものか。
また使用者当人から「持ち運びのために軽めの機種を」という要望があったため、重量は最大でも2.5kg以下とし、なるべく(予算と性能の許す範囲で)軽いものを選びたい。

ざっと当該機種が53件。最安が13.5万〜最高30万、中央値17万といったところ。重さで見ると1.77〜2.48kg、中央値2.25kg。そこで、この53件を更に「販売価格17万以下・重量2.25kg以下」で絞り込む。
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これで候補は7件にまで絞られた。
このうち、最安はGIGABYTE AORUS 5 SB-7JP1130SH、税込¥142,780。逆に最高額はTSUKUMO G-GEAR note N1574K-720/T 、¥164,780。価格差は2万2千円、最安値の15%近い価格差。
CPUスコアが高いのは8コアのRyzenを搭載したASUS ROG Zephyrus G15 GA502IU(このスコアがゲームにどの程度関わってくるかはちょっと不明だが)。
ストレージ容量に優れるのは1TB HDDも搭載しているiiyama LEVEL-15FX068-i7-RXSVI。最小はTSUKUMO G-GEAR note N1574K-700/Tの250GB、これはちょっとインストールできるゲーム数が制限されそう。
最軽量はドスパラのGALLERIA GCL2060RGF-T、1.85kg。最重量はiiyama LEVEL-15の2.24kg、差は390g、最軽量の21%に相当する重量差。
GPUについてはスコアがないが、下記のベンチマークスコアを参考にするならばスコア14428のRTX 2060を搭載したTSUKUMO G-GEAR noteかドスパラ GALLERIA GCL2060RGF-Tに対してGeForce GTX 1660Tiの小型モデルMax-Qを採用するASUS ROG Zephyrus G15はスコア10758と、およそ3/4の能力ということになる。
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まとめると、以下のようになる。

メーカー 機種 価格差 重量差 ストレージ CPU GPU キーロック
ドスパラ GALLERIA GCL2060RGF-T +7.8% 最軽量 512GB Core i7 10750H RTX 2060 有
ASUS ROG Zephyrus G15 GA502IU +2.5% +13.5% 512GB Ryzen 7 4800HS GTX 1060Ti Max-Q 有
GIGABYTE AORUS 5 SB-7JP1130SH 最安 +18.9% 512GB Core i7 10750H GTX 1060Ti 不明
iiyama LEVEL-15FX068-i7-RXSVI +6.3% +21.1% 500GB
+HDD1TB
Core i7 10750H GTX 1060Ti 不明
TSUKUMO G-GEAR note N1574K-720/T +11.6% +18.9% 500GB Core i7 10750H RTX 2060 不明
iiyama LEVEL-15FX068-i7-RXSX +5.5% +21.1% 500GB Core i7 10750H GTX 1060Ti 不明
TSUKUMO G-GEAR note N1574K-700/T +15.4% +18.9% 250GB Core i7 10750H RTX 2060 不明

それぞれに強みと弱みがあるが、群を抜いて軽い重量とGPU、Winキーロックに優位性がある反面で弱点のないドスパラGALLERIA GCL2060RGF-Tが頭ひとつ抜けており、今回はこれを採用する方向で行こうと思う。
www.dospara.co.jp

2020/11/28追記:その後、購入をボーナス時期まで待っている間に、Ryzen5までしかなかったAMDモデルに新たにRyzen7モデルが追加されており、当初購入予定だったCore i7モデルに比べ50g差・ディスプレイが144Hz→120Hzという若干のスペックダウンはあるもののバッテリ持続時間3.8→8.8時間と飛躍的な改善の上で価格が1万安という、申し分ない スペックだったのでこちらに乗り換えることにした。