ルパン三世VSキャッツ・アイ 感想
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 amazonPrimeで視聴。

モデリングも絵作りも丁寧で一定水準をきっちり抑える作り。

ルパンは若い感じにアレンジされていて、どんどん老いていくわけにもイカないので、これはこれで良いと思う。
(宮崎駿時空のルパンは、1stシーズン後、歳を経て2ndシーズンの「死の翼アルバトロス」「さらば愛しきルパンよ」で、落ち着き欲望が薄い感じになっていったが。(時系列的に2ndシーズン的にカリオストロの城がある)。あのまま行けば今頃老衰なので、リセットや若返りは必要だろう。)
(モンキーパンチ時空のルパンは、もっと何もかもを超越したキャラなので、また別)

キャッツアイは、かなり厳しい。
もともと「美人三姉妹がレオタードで顔出し怪盗。同名の喫茶店を経営。ソコには刑事が入り浸り」という、難度の高い設定で。
少年ジャンプの漫画だからギリセーフなリアリティレベルを北条司の画力でねじ伏せてそれっぽくする、という大技だったので。
これを現代に復活させる難しさ。レオタードなんか最近見たこと無いよ、という現実。
なので、これをキャットスーツにしたりいろいろしてある。
それにしても、「女性3人が銃弾飛び交う中レオタードで飛び回る」をそれっぽく魅せることは難しい。

そして巨大版権x2。これは扱いが難しい。どっちかに偏れず。共通する敵を作りにくく。

そしてまた、「なんだまた、あなたが敵か」という内容。
でてくるキャラクターも、この人はこういう役どころだな、という最初の印象を裏切らず、最後まで役どころを演じる。

新しく新作を作るなら、踏み込んでほしい。

今までよくあったお話、これぐらいでいいだろうという画作り、これぐらいでいいだろうというオチ。
そういうのはもういい。すでにいっぱいある。大型版権ならばなおさらだ。

ルパン三世というIPにはもうかなり飽きがきていて、今の時代に作るのは懐古主義しか無いのではと思っていた時期があった。
それが、
シーズン5が、凄く良い出来で、現在のデジタル化社会の中で、ルパンが活躍する理由と、活躍の仕方まで踏み込んでいた。
作り手の、踏み込み次第でまだ、今見て楽しいルパンが作られていたのだ。

これを見ちゃうと、古いIPが、ある程度の客が見込めるからとりあえず作る、という、手垢の付いたやり口でも。
誰かが、どこかで、踏ん張ると、なにか、イイモノできちゃうんじゃないかと思っちゃったりする。

ルパン三世vsキャッツアイも、
あと少し、ほんの少し、なにか良い偶然があれば、もっといいものになったんじゃないかなと思う。

底力は足りているようにみる。出来ている絵はお話を乗せて発射させるに十分足りている。
じゃあ、どこに向けて発射するか、そういうところに、チャレンジが欲しかった。

という、欲張りな感想。

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