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意外と知らない!?海外旅行時の正しい薬の持ち込み方○と×

2024.12.11

第一三共ヘルスケアは、年末年始の旅行シーズンに向けて、「海外旅行と体調管理に関する意識調査」を実施し、その結果を発表した。また、今回の調査結果を踏まえ、内科医の丹羽崇先生が解説した「海外旅行時の体調管理と体調不良時の対処法」も公開した。

健康・衛生管理関連で持って行ってよかったもの、上位は「除菌グッズ」「解熱鎮痛薬」

今回の調査は、過去10年間で海外旅行に行った経験のある全国20~60代の男女400人を対象に行なったもの。年末年始の海外旅行の予定や旅行先について質問しており、過去10年以内の海外旅行経験者のうち2024年の年末年始に海外旅行に行く予定がある人は半数以上と高い結果となり、旅行先は「韓国」「台湾」「ハワイ」という順になった。また、海外旅行時のトラブルについては質問したところ、「言語の壁」が最多で、次いで「軽度な体調不良」が2位にランクインした。

■旅行先として最も人気が高いのは「韓国」、次いで「台湾」「ハワイ」という結果に

まず、年末年始の海外旅行の予定について聞いたところ、海外旅行に行く予定がある人は半数以上(52.7%)で、旅行先として最も人気が高いのは「韓国」(14.0%)、次いで「台湾」(12.3%)、「ハワイ」(10.3%)という結果に。フライト時間も短く行きやすい近場の韓国、台湾と並び、円安と物価高でありながらハワイは年末年始の旅行先として根強い人気を誇るようだ。

■海外旅行中のトラブル、「言語の壁」が最多、次いで「軽度な体調不良」

また、海外旅行時のトラブルについて質問したところ、「言語の壁(コミュニケーションが取れない)」(35.0%)が最も多く、次いで2位に「腹痛・頭痛・下痢など軽度な体調不良」(33.0%)がランクイン。続いて、海外旅行中の体調不良の経験について聞いたところ、海外旅行中に体調不良になった、またはケガをした経験があると6割以上(62.5%)が回答。症状としては「下痢・食あたり」(26.8%)」「腹痛」(26.0%)」という順になった。

■海外旅行時の正しい薬の持ち込み方、平均正答率は53%!

さらに、海外旅行時、持って行って良かったもの(健康・衛生管理に関するもの)について聞いたところ「除菌シート・スプレー」と「鎮痛解熱薬」が上位に挙がった。その理由として、日本と比較すると衛生環境が良くない国が多いことはもちろん、コロナ禍を経てよりいっそう衛生管理に関する意識が高まっていることが考えられる。

次いで、海外旅行時の正しい薬の持ち込み方について○×で回答してもらったところ、「薬はピルケースに入れない(正答率51.5%)」「粉薬は避ける(正答率54.8%)」「液体の薬は透明容器に移し替えなくてよい(正答率58.0%)」という結果となり、ほとんどの設問で5割前後の正答率となった。

【調査概要】
調査名:「海外旅行と体調管理に関する調査」
実施期間:2024年9月30日(月)~10月2日(水)
調査委託先:楽天インサイト
調査方法:インターネット調査
調査対象:全国20代~60代男女400人(性年代均等割付)
※図表の構成比(%)は小数点第2位以下を四捨五入している。

■内科医・丹羽崇医師が解説する「海外旅行時の体調管理と体調不良時の対処法」

・海外旅行時の体調管理方法

基本的に旅行先で注意するべきことに関しては外務省のホームページが有用です。出国する前に渡航予定国の情報を見ておくことで体調管理に役立ちますので、ぜひ参照してください。また、渡航者を対象にした「たびレジ」に登録することもご検討ください。「たびレジ」は外務省が提供しているサービスで、安全情報をメールで受け取れるほか、緊急時の連絡、安否確認、支援などが受けられるようになります。

例えば新型ウイルスのパンデミックが旅行中に起きてしまったときや、渡航先特有の病気が流行ってしまったという状況に陥った際にも心強い情報ツールになります。また、慣れない環境が体調不良につながることも。国による空調設定温度の違いや水の性質(硬度や清潔度)の違いなどを想定して、脱ぎ着できる服を持参したり水や氷に注意するなど現地で対策できることを準備して体調不良を未然に防ぎましょう。

・海外旅行中の体調不良時の対処法

何らかの体調不良が起きたとき、「いつもと違う」を大事にしてください。例えば普段生活をしている中で風邪をひいたときやお腹の調子が悪いときなどの比較的軽度な体調不良に比べて、強い症状が出たり症状がなかなかおさまならいときなどは病院受診を検討すべきサインです。それほどでもない症状であれば、旅行中の体調不良に備えて、飲み慣れた薬を持参することで十分対処できるでしょう。

その他には、市販薬は箱ごと持っていくことをおすすめします。ケースに入れ替えての持参や箱から出しての持ち運びは、薬の名前や正しい使用方法がわからなくなってしまう場合があるためです。海外では、粉薬は違法薬物の疑いを掛けられるため、粉薬も極力避けた方がいいでしょう。中には、持ち込み可能な薬の数に上限を設けている国もありますのでご注意ください。薬は預け手荷物に入れても、手荷物として機内に持ち込んでも構いません。

・持参すると良い市販薬・衛生用品

解熱鎮痛薬と総合感冒薬、抗アレルギー薬、胃薬、吐き気止め薬の5つを持参していただければ基本的に大丈夫です。できれば市販薬は飲み慣れたものを持っていくようにしてください。海外の薬は用法や用量が日本とは異なる場合がありますので、日本での医学的知識をもとに対処するためにも、市販薬を国内で事前に購入し持参することも重要な対処法となります。

また、虫よけスプレーや虫刺され用の薬も持参することをおすすめします。特に東南アジアや中南米に渡航すると蚊避けは必須です。マラリアやジカ熱など蚊を媒介した感染症のリスクから防ぐためにも事前に虫よけスプレーで対処しましょう。

<丹羽崇先生のプロフィール>
2005年愛知医科大学医学部卒業。2017年より神奈川県立循環器呼吸器病センター呼吸器内科および倉敷中央病院呼吸器内科にて臨床研究管理者・呼吸器インターベンション指導医を兼務。2019年にオンライン医療相談事業を運営する株式会社Medifellowを設立。総合内科専門医・指導医、呼吸器専門医・指導医、気管支鏡専門医・指導医などの資格を有するほか、国内外学会での活動実績や受賞歴を複数有する。現在も診療ガイドライン作成委員や厚生労働省難病指定疾患研究班委員を務め、胸部血管内治療や気管支鏡診断・治療の発展に努めている。

関連情報
https://www.daiichisankyo-hc.co.jp/

構成/立原尚子

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