今回ご紹介する「野菜スープダイエット」は美味しくて健康的、しかもそれでいて確実な減量効果を期待できる、優れたダイエット方法です。昔からよく知られる野菜スープダイエットは、様々なダイエット方法がめまぐるしく発信されていく昨今からすれば、ダイエットの“古典”ともいえる方法かもしれません。
しかし、昔から知られているダイエット方法だからといって、近年の「目新しい」ダイエットに劣るということにはなりません。むしろ、いまこうして野菜スープダイエットを見直すことで、「古くて新しい」新鮮な気持ちを味わうことができるはずです。それではさっそく野菜スープダイエットの効果をみていきましょう!
野菜スープダイエットの効果とメリットは?
ダイエット効果のある様々な野菜を思う存分使える
ダイエット食材の「王道」はなんといっても「野菜」です。
ビタミン、ミネラル、β-カロテン、大豆サポニン、食物繊維……野菜には、身体を維持するのに必須の栄養素だけでなく、ダイエットに効果のある成分が豊富に含まれています。
この野菜をふんだんに使うことのできる野菜スープは、じつに贅沢なダイエット料理だと言えます。
意外と腹持ちが良く適度な満腹感を得られる
色々な野菜が盛りだくさんの野菜スープは歯ごたえ・食べごたえが抜群なので、「ああ、よく食べたなあ」というちょうどいい満腹感を得られやすいのもポイントです。
この満腹感というのは、ダイエットにおける「食事制限」ではきわめて重要なポイントです。
なぜなら、「食事制限」で挫折する人の多くは、好きなものを食べられない苦痛と、味気ない料理の不満足感、そしてなにより、低カロリー重視ゆえの空腹感などのストレスでダイエットへの意欲を著しく失ってしまうからです。
だからこそ、ガツガツと食べても太る心配のない野菜スープは、食へのストレスをかなり軽減してくれる“オイシイ”料理なのです。
アレンジしやすいので飽きにくく続けやすい
「食事制限」のもうひとつの大敵は、「飽き」です。
ダイエットを意識した食事というのは、どうしてもマンネリ化してしまうものです。
しかし、野菜スープなら味付けも具材も自由自在なので、日替わりでお好みのバリエーションを楽しむことができます。
「お肉が食べたいな~」と思ったら、野菜たっぷりの「豚汁」にしてしまってもいいですし(もはや“スープ”とは言えないかもしれませんが、豚汁だって立派な“野菜スープ”です)、場合によっては、「水餃子スープ」にするのも悪くありません。
「水餃子」はじつはとってもヘルシーで高タンパク質の料理なので、ダイエットに適しているんですよ!
豊富な食物繊維を得られる
いまさら言うまでもありませんが、野菜スープは「食物繊維」が豊富です。この「食物繊維」は、ダイエットに欠かせない必須の栄養素です。
食物繊維は水溶性・不溶性の2種類ありますが、野菜スープからはこれらの2つの食物繊維を摂取することができます。
「水溶性食物繊維は、水に溶けやすく、水に溶けるとゼリー状になります。小腸での栄養素の吸収の速度を緩やかにし、食後の血糖値の上昇を抑える効果があります。また、コレステロールを吸着し体外に排出することで血中のコレステロール値も低下させます。さらに、ナトリウムを排出する効果もあるので、高血圧を予防する効果もあります。食物繊維は低カロリーで肥満の予防にもなるので、糖尿病、脂質異常症、高血圧、動脈硬化など、さまざまな生活習慣病の予防に効果があります。水に溶けにくい不溶性食物繊維は、水分を吸収して便の容積を増やします。便が増えると、大腸が刺激され、排便がスムーズになります。また、有害物質を吸着させて、便と一緒に体の外に排出するため、腸をきれいにして大腸がんのリスクを減らしてくれます。また、どちらの食物繊維も大腸内の細菌により発酵・分解され、ビフィズス菌などの善玉腸内細菌の餌になるため、善玉菌が増え、腸内環境が改善されます。」
引用:公益財団法人長寿科学振興財団 健康長寿ネット「食物繊維の働きと1日の摂取量」
水溶性食物繊維には
- コレステロールを排出・コレステロール値の低下
- 血糖値の上昇を抑える
と言った働きがあります。
ところで、何かと悪者扱いされることの多いコレステロールですが、身体にとってなくてはならない成分でもあります。
コレステロールが体外へ排出されると、その不足を補おうと新たにコレステロールが生成されます。このコレステロールは主に脂肪を原料として生成されます。
もうお分かりですよね?
コレステロールを排出 → 新たに生成(脂肪を消費) → コレステロールを排出 → 新たに生成(脂肪の消費)・・・このサイクルで体内の脂肪が減っていくのです。
また、血糖値が上昇するとすい臓からインスリンが分泌され、糖をグリコーゲンに変換し筋肉や肝臓に貯蔵します。しかし、このグリコーゲンの貯蔵量が上限に達すると、その糖は今度は脂肪として蓄積されるようになるのです。
血糖値の上限を抑えることは、脂肪の原料となる糖の絶対量を低下させることに繋がります。このように、余分な脂肪の原料となる糖を抑えることで、ダイエットに貢献しているのです。
さらに、不溶性食物繊維には便の材料となり、腸内の老廃物(便)の排出を促す働きがあります。便は老廃物の固まり、長く腸に居座られると体に良い影響を与えるはずがありません。
ともすると、腸内細菌のバランスが崩れ、体調悪化の原因にもなってしまうのです。
スムーズな排便が促されることでデトックスは完了、腸内細菌のバランスも改善されていきます。すると腸の活動も活発になり、代謝も上がっていきます。
代謝とは生命を維持する身体活動に必要となるカロリー、代謝の向上は消費カロリーの増大に他なりません。
消費カロリーを上げることにつながる食物繊維の摂取、ダイエット効果が期待できる理由なのです。
「ビタミンB群」が代謝を向上させて脂肪燃焼を促す
「ビタミン」と聞けば、たいていの人は美肌効果を連想しがちですが、じつはそれだけではありません。
以下に紹介する「ビタミンB1」や「ビタミンB2」には身体の代謝機能を向上させる効果があり、結果的に脂肪燃焼効率が高まることが期待できるのです。
ビタミンB1で糖質代謝
ビタミンB1は糖質の代謝に欠かせない栄養素です。糖質はエネルギー源として必要ですが、必要以上に摂り込まれると「脂肪」として蓄積されてしまいます。
ビタミンB1は糖質の代謝を活発にすることで糖を分解、結果として脂肪に変えられて蓄積される糖質の絶対量を減少してくれるのです。
「糖質」はダイエットを進めるうえで厄介なものですね?ビタミンB1はこの糖質の減少に一役買ってくれるありがたい存在なのです。
ビタミンB2で成長促進
しばしば「発育ビタミン」と呼ばれる「ビタミンB2」。身体中の細胞の再生と成長を担う、非常に重要な栄養素です。成長にはカロリーが必要になることは皆さんも経験してますよね?
筆者は成長期の中学の頃、いくら食べてもお腹がいっぱいにならなかった記憶があるのですが、皆さんはいかがでしょうか?
成長といっても今さら身長が伸びる!というわけではありません。日々”成長”しているものに「髪の毛」「爪」がありますよね?皮膚の生まれ変わりも成長の1つです。
この”成長”を促すことが消費カロリーの増加につながるのです。
さらにビタミンB2には、体内の糖質・脂肪を分解してエネルギーに変換する働きを「補酵素」としてサポートする一面もあります。
ビタミンB1と一緒に、消費カロリーの増加に貢献してくれる大切な成分なのです。
野菜スープダイエットの方法とは?
「野菜スープダイエット」の方法はいたってシンプル。三食のうち一食だけを「野菜スープ」に置き換えるだけです。いわゆる「置き換えダイエット」というものです。
「置き換えダイエット」とは要するに糖質制限の一貫で、主食(白米)を低糖質の食品に置き換える方法のことです。
もちろん、三食すべてを置き換える必要はありません。オススメは、夕食のタイミングです。この時間帯に野菜スープを食べればOKです。
「夜」は、わたしたちの身体の活動が鈍くなる時間帯ですので、夕飯で摂取したカロリーや糖質がエネルギーとして変換されにくくなり、余剰分が脂肪の蓄積へと回りやすくなります。
なので、この夕食のタイミングで野菜スープを食べれば、存分にダイエット効果を引き出すことができ、太るリスクを軽減できるようになるのです。
野菜スープダイエットの注意点
野菜の他に加える具材に注意
野菜スープはコクやうまみを出すために、ベーコンなどの加工肉を加えることが多いと思われます。
ベーコンやウィンナソーセージを加えることに問題はありませんが、その量に注意しましょう。
また、加工肉には食品添加物が多く使用されているため、原材料名をチェックするクセをつけるようにしましょう。
無理な置き換えはしない
野菜スープはヘルシーなイメージがあります。
ダイエットのために、通常の食事をスープに置き換えることもあるでしょう。
確かに、野菜スープには様々な野菜を用いることができ、ビタミンや食物繊維を効率的に摂取することができます。しかし、健康な身体を維持するためには、様々な栄養素をかたよることなく摂取する必要があります。
野菜スープだけでは、糖質やたんぱく質、脂質といった主要な栄養素が十分に摂取できない可能性があります。
野菜スープを食事代わりにする場合には、朝食や夕食などを1食置き換える程度にとどめることをおすすめします。
野菜は残さずに食べてOK。スープはほどほどに…
スープの具の野菜は食べすぎても大丈夫ですが、スープには塩分が含まれるため、飲み過ぎないようにしましょう。
糖質をたくさん含む具材は避ける
野菜スープに用いる具材は、糖質を多く含むものはなるべく避けるようにします。
スープ向きの食材で糖質の高いものに
- じゃがいも
- さといも
- かぼちゃ
- トウモロコシ
- 大豆以外の豆類
などがあります。
主食(糖質)を置き換える野菜スープに糖質がたくさん入っているのでは、ダイエットの目的を果たすことができませんよね?
見落としがちな注意点なので、意識して気を付けるようにしましょう!
おすすめの野菜スープレシピ
自由なアレンジが楽しめる野菜スープですが、他の効果が見込める食材を加えることも可能です。そこで、目的別の野菜スープの具をご紹介します。
味付けはお好みでどうぞ!
血糖値上昇を抑制する「とろとろスープ」
<材料>
- オクラ
- わかめ(乾燥・カット)
- なめこ
<作り方>
- オクラは洗って1本のままか、小口切りにする。
- なめこはさっと洗う。
- 3種類の具材をまとめて、ビニールやフリージングバッグに入れて冷凍する。
脂肪燃焼を促す「赤いスープ」
<材料>
- トマト
- レッドパプリカ
- たまねぎ
- バジル(乾燥)
<作り方>
- トマトは洗ってヘタを除き、さいの目に切る。
- レッドパプリカは洗って半分に割り、タネとヘタの部分を除いてから、さいの目に切る。
- 玉ねぎは皮をむき、上下を落とし、みじん切りにする。
- 全ての材料をまとめて冷凍保存する。
お腹をやさしく整えるオーソドックスな「野菜スープ」
<材料>
- キャベツ
- にんじん
- 玉ねぎ
- ベーコン(スライス)
<作り方>
- キャベツは洗ってざく切りにする。
- にんじんは皮をむき、小さめのさいの目に切る。
- 玉ねぎは皮をむき、上下を落としてから半分に切り、薄くスライスする。
- ベーコンは1cm程度の細さにカットする。
- 全ての具材をまとめて冷凍保存する。
*ダイエット中は、ベーコンの量は少な目に。
身体の巡りをよくする「デトックススープ」
<材料>
- キャベツ
- ブロッコリー
- 玉ねぎ
- にんにく(少々)
<作り方>
- キャベツは洗ってざく切りにする。
- ブロッコリーは洗って小房に分ける。
- 玉ねぎは皮をむき、上下を落としてから半分に切り、薄くスライスする。
- にんにくは皮をむき、薄くスライスする。
- 全ての具材をまとめて冷凍保存する。
全ての具材が冷凍保存可能なところがポイントです。
1食1食、その都度野菜スープを作るのでは必要以上の手間がかかってしまいます。また、食材のロスにもつながるかもしれません。
根気よく続けるのがこの野菜スープダイエットの基本でもあります。冷凍できるものはまとめて作って凍らせる。続けやすいように工夫するのも楽しいですよ!
野菜スープダイエットのやり方は?材料次第でいろいろアレンジできる!のまとめ
野菜スープダイエットは昔からあるダイエット法ですが、改めてその魅力に注目してみましょう。なんと言っても、ふんだんに野菜を使えるというのが嬉しいポイントです。
そのため食感や味が豊富でアレンジもしやすく、飽きずに満腹感も得やすいのです。
栄養素ですが、野菜は食物繊維が豊富なので、コレステロールを排出し、腸内環境を整え、腸内活動が活発になり代謝が上がります。
またビタミンB群がダイエットを強力にサポート!糖質代謝、成長促進など脂肪燃焼の手伝いをしてくれます。
本記事では野菜から得られる様々な嬉しい効果はもちろん、気をつけたい野菜やお肉の分量などの注意点や飽きがこないよう4種類のスープレシピも掲載しています。
記事の作成にあたっては記事中で引用したサイトの他、以下の情報を参考にいたしました。
わかさ生活 わかさの秘密