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YAMATO2520

やまとにーごーにーぜろ

『YAMATO2520』とは、宇宙戦艦ヤマトシリーズの続編のひとつ。
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概要編集

 『YAMATO2520』とは、宇宙戦艦ヤマトシリーズの続編のひとつ。1995年にOVAとして発売された。

 制作会社の倒産により物語が半分も進んでいないところで未完となっている。DVDがギリギリ商用化されてない時期だったため、販売媒体はVHSLDのみであり、放送もネット配信もされていないので、現在では視聴困難な作品の一つ。


 松本零士が制作に関与しておらず(「ヤマトオリジナルデザイン」という名義のみ)、完全に西崎義展主導で作られた作品であるため、後に松本側が作った新宇宙戦艦ヤマトおよび大YAMATO零号とは何かと比較される。

 一応誤解の無いようにしておくと、本作はまだヤマトの著作権裁判が行われる前であり、西崎氏と松本氏も完全には袂を分かっておらず、本作と同時期に進められていた『復活篇』(この時は頓挫したが)には松本氏も参加している。松本氏が不参加なのはおそらくだが『復活篇』が本命だったからというのもあるのだろう。そういう意味だと本作は『宇宙戦艦ヤマト2199』に似た立ち位置とも言える(こちらも本来は『復活篇』へ向けたホップ・ステップ・ジャンプのホップ・ステップを担う予定の作品だった)。


 初代宇宙戦艦ヤマトの時代から約300年後の世界を舞台に、18代目のヤマト(YAMATO)とそれに乗るクルーの物語を描く。

 主役艦となる第18代YAMATOのデザインには『∀ガンダム』などで日本でも知られるシド・ミードが起用されている(ちなみに日本アニメで初めてシド・ミードを起用したのが本作)。

 また、後年良くも悪くも話題になった小林誠氏がヤマトシリーズに初参加した作品でもある。


 本作の敵勢力であるセイレーン連邦は、過去作のガミラスなどとは異なり、近代の地球から独立した国家であり、経緯は異なるが『機動戦士ガンダム』のジオン公国に近い存在。

 それに限らず導入部はガンダムで見たような展開で、具体的には、

  • 地球連邦と地球を祖とする宇宙国家の戦争という背景。
  • 物量で勝る地球連邦と技術で勝る相手国というパワーバランスで、戦況は膠着気味。
  • 主人公は当初戦争には直接関わっていない少年少女達。
  • 主役メカに出会うことで否応なしに戦争に巻き込まれる。ついでに故郷にも別れを告げる。

など。

 ヤマトを超えるべく生み出されたガンダムを今度はヤマトが真似るとは皮肉なものである。ちなみに本作で行われている戦争は一年戦争ならぬ「銀河100年戦争」である(いや元ネタはおそらく大元の英仏百年戦争なのだろうが……)。


ストーリー編集

 23世紀の終わり頃、優性人種覇権主義を唱えてネオ・ファシズムとして非難を浴びた天才科学者ブローネ博士は、自身に賛同する人々とともに宇宙へと旅立った。そして、宇宙の果てにおいて磁気単極子「モノポール」の発見および制御に成功し、地球の波動エネルギー文明とは一線を画すモノポール文明を確立させ、セイレーン連邦を建国する。

 やがて地球連邦とセイレーン連邦は、M27球状星団の惑星リンボスに眠るモノポールを巡って衝突。さらに同時期、超技術を誇った古代文明ゴーダの遺跡が発見され、両国の紛争はモノポールと遺跡を争奪する全面戦争へと発展する。24世紀から25世紀に亘って続いたこの戦争は「銀河100年戦争」と呼ばれた。

 さすがに手詰まりとなった両国はリンボス周辺を緩衝地帯とする休戦協定を結ぶが、セイレーンの支配下に置かれたリンボスでは、地球連邦の開拓民の子孫たちが、セイレーン人によって迫害される日々が続いた。


 ある日、リンボスの若者であるナブ・エンシェントと仲間達は、戦時中に沈没した地球連邦軍宇宙戦艦のスクラップからデータディスクを発見・回収する。その中には宇宙戦艦の設計図があった。彼らは放棄されたセイレーンの造船施設を使って宇宙戦艦を建造し、リンボスを脱出しようと企てる。

 建造された宇宙戦艦は、沈没戦艦の名を受け継いで「YAMATO」と命名された。


 だが彼らは知らなかった。沈没戦艦こと第17代YAMATOが、ゴーダ文明の本拠地を目指す任務の最中に沈んだこと、そしてデータディスクの中にゴーダ文明の本拠地を示すデータが存在しており、それを巡って銀河100年戦争が再び巻き起こることを……


登場キャラクター編集

  • ナブ・エンシェント(CV:錦織一清):主人公。リンボスの若者の一人。セイレーンに反発しており、仲間とともにセイレーンの防空警戒ラインギリギリを攻めるチキンレースを日々行っている。
  • マーシィ・シマ(CV:桜井智):ヒロイン。ナブの幼馴染。
  • アガ・セリーヌ(CV:松本保典):ナブのライバル。
  • トーゴー・シマ(CV:永井一郎):マーシィの父親(養父)。彼女からは「おじいちゃん」と呼ばれている。しがないサルベージ屋だが、その正体は……
  • レノン・オサリバン(CV:子安武人):地球連邦軍士官候補生。ロココ星での戦闘にてYAMATOと出会い、後の補充要員として乗り込む。
  • ブローネ(CV:伊武雅刀):セイレーン連邦の皇帝。建国者であるブローネ博士本人で、クローニング技術を応用して延命している。
  • リキヤード(CV:神谷明):セイレーン軍の少佐で、リンボス駐留部隊司令。セイレーン人には珍しく、問題行動を起こすナブ達にも優しく接する情に厚い人間だったが、そのナブ達のYAMATOが原因で銀河100年戦争の再開を招いた後悔から、YAMATOの撃沈を狙う冷血漢へと変貌する。
  • パッカード(CV:梅津秀行):リキヤードの部下。リキヤードとは対照的にナブ達を見下す。
  • アメシス(CV:麻上洋子):セイレーン軍の少尉。その正体はブローネの末娘。

余談編集

  • ヤマトの著作権についての裁判後に製作された本作だが、2010年にデアゴスティーニにて刊行されていた「宇宙戦艦ヤマトオフィシャルファクトファイル」では、一応「ヤマト」シリーズとして掲載されている。
  • 本作のイメージソング「明日の君を守りたい〜YAMATO2520〜」を歌っているのはデビューからまもなかったTOKIO。ちなみに彼らにとっては2曲目のシングルだったそうな。
  • 宇宙戦艦ヤマト復活篇に登場したブルーノアは本作に登場した同名の艦をもとに製作された。なお。2520の設定を見る限り、同一艦である

関連タグ編集

シド・ミード

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