SCP-471-JP
えすしーぴーよんなないちじぇーぴー
SCP-471-JPとは、シェアード・ワールドSCP_Foundationに登場するオブジェクトの一つである。項目名は「噂が呼んだ怪人」。オブジェクトクラスはEuclidに指定されている。
SCP-471-JPはいわゆる情報災害の一種であり、その内容は「異次元からやって来た黒いシルクハットに黒いマント、そしてタキシードを着た男が人間を攫いに4日後の午後4時44分に現れる。助かるには44分間逃げ切ること」というものである。いわば1970年代に流行った「口裂け女」などの都市伝説の一種である。同じ情報災害系のSCPと言えばアレが挙げられるが、あちらは対策が「広めない」のに対しこちらは「広める」こととなっている。
「情報災害を引き起こすのに広めて大丈夫なのか?」と思った人もいるだろうが理由については後述。
このオブジェクトの異常性はこの話を聞いたときに現れ、実際に4日後の4時44分に上記の黒いシルクハットとマントにタキシードを身に着けた男(以後、SCP-471-JP-1)が追いかけてくるのだ。逃げ切るには噂の通り44分間逃げ回るしかない。もし捕まってしまえば何処かに連れ去られてしまい、GPSを用いても居場所が分からなくなってしまう。無事逃げ切るとSCP-471-JP-1は消失し、同じ話を聞いても二度と出現しなくなる。また話を伝える際に、どこか削ったり付け加えたり(「時速100kmで走る」と付け加えたり、逆に逃げ切る方法などを伏せたり)しても出現しない。
そしてこのオブジェクトの厄介な点として、「どこにいようと目の前に現れる」という点が挙げられる。たとえ車に乗っていようが、不安定な足場に立っていようが、果ては戦闘機に乗っていようが絶対に出現する。そのためSCP-471-JP-1がいきなり目の前に現れたことでパニックになり数多くの事故が起こってしまい、被害金額は何億にも上るという。
なお、ターゲットに自発的に出現を認識してもらわないと誘拐、追跡行動に移れないらしく、実験で「44分間ひたすら壁を見つめ続ける」という行動をとった場合、背後に現れひたすらに存在をアピールし続け、しまいには泣き出してしまっていた。
そんなSCP-471-JPの発見経緯だが、1970年代にとある県でSCP-471-JP-1が少年たちに殴る蹴るなどの暴行を加えられていたところを発見された。
「あれ?」と思った人もいるだろう。SCP-471-JP-1が少年たちに暴行を加えられていたのである。
そう、このSCP-471-JP-1、めちゃくちゃ弱いのである。先程SCP-471-JP-1は噂を聞いた人を追いかけてくると書いたが、そもそも走力が1970年代の小学一年生よりも若干遅いくらいなので余程のことがない限りは捕まらない(子供が生還できる前提の噂のためかもしれないが、それにしても遅すぎる)。こんな風にフィジカルが激弱のため実験記録によると手錠等をはめられたDクラス職員にすら手こずっており、ちなみに10分後に麻酔弾を打ち込まれたことでようやく連れ去っている。(抵抗しない人間のみを連れ去っているということだろうか?)。
ちなみにその際、麻酔弾の狙撃でスナイパーがいる事に気付いたこの怪人は「えっ…?」とでも言いたげにスナイパーの方を見て、ターゲットとスナイパーを交互にチラチラ見た後所在なさげにターゲットを拉致し、消滅している。
更には「どこにでも現れる」という点も、車の前に現れたことで撥ねられたり、飛行機のエンジンに巻き込まれるなどろくな目に会わず、実験では噂を聞いたDクラスの目の前に崖があったせいで悲鳴を上げながら落ちていくという情けない姿を見せている。
また、自分を視認した者しか追跡及び拉致が出来ない様で、「見ている先が壁だったらどこに現れるのか?」という実験の際は背後に出現、「何があっても壁から目を逸らすな」と厳命されていたDクラスの視線を向けようとあの手この手で気を引こうとしたが見向きもされず(自分から視界内に入るのはダメらしい)、最終的には泣き出して44分後に消滅した
挙げ句の果てにこのSCP-471-JP-1、噂を聞いた人が複数人いる場合、ご丁寧に全員のもとに44分÷人数の時間目の前に出現するため、収容違反を起こした場合はSCP-471-JPを知らない職員に広めることで一人あたりの出現する時間を短くする処置が取られている。
ちなみに現在財団が調査できている中で、SCP-471-JP-1が誘拐に成功したのは前述のDクラス職員ただ一人である。(子供二人にすら敵わない彼では拉致できなくても仕方あるまい)
というかこのオブジェクトの真の危険性は出現タイミングと場所、及び出現時間の融通の効かなさであり、上記の通りいきなり車の目の前に現れたコイツを避けようとして大規模な事故が起きたり、戦闘機の、演習中コイツを空中で轢いた事でパニックになり脱出装置発動、何億円もする戦闘機が墜落することになったり、高所を眺めていたせいで落下、下にいた人が巻き込まれたり、ひどい時には電線を貫通するように出現、感電して周囲に大規模停電を引き起こしたり、よりにもよって電車の前にいきなり現れた事でグモり、それを見てしまった乗客がトラウマを負ってしまったりと、連れ去るだの追いかけてだのと言った本来の異常性がどうでもいい程「いきなり目の前に現れる」事による被害がバカでかい事になっている。
それ故に「そもそも目の前に何か現れた事すら認識できないほど出現時間を短くする」ために上記のように話を知らない職員に一気に広めるカバーストーリー「気のせい」が存在するのである。
それでもコイツによるものと思われる不可解な事故が年に数回起きている辺りまだ噂によばれている模様。
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