概要
1992年から2003年まで『月刊少年ガンガン』で連載されていた、可愛らしい絵柄の、ファンタジー世界を基調としたギャグ漫画。RPGで見られるようなネタをもとにしたパロディのギャグやストーリーが多いのが特徴。数々の名言(迷言?)を生み出した作品でもあり、現在でも幾つかはネット上の定型文として多くの人々に愛用されている。
単行本は、通常版が全16巻、新装版が全8巻。アニメ化が3回行われている。
その後、Webサイトの「ガンガンonline」にて、スピンオフの『舞勇伝キタキタ』が連載された(現在は終了)。
現在は続編の『魔法陣グルグル2』が連載中。
タイトルの略称は「グルグル」がよく用いられている。なお、「魔方陣グルグル」は誤表記なので要注意(魔「方」陣と魔「法」陣では意味合いがまったく変わってしまう)。
ストーリー
「ジェムジャム大陸」にある小さな村「ジミナ村」。ある日、この村に「勇者募集!!魔王を倒した者に金5万R(リン)を与え、コーダイ国の王子とする」と書かれた立て札が立つ。勇者マニアのバドがこれを見つけ、息子ニケを勇者として無理やり旅立たせる。
このジミナ村では旅立つときに魔法オババのもとに寄らなければいけないという決まりがある。その決まりに則り、ニケはオババの家に寄ることになった。そこで「ミグミグ族」という種族だけが使える「グルグル」という魔法を使う魔法使い、ククリと出会い、一緒に旅立つように命ぜられる。そして国王に勇者として認められたニケは、世界征服をねらう魔王ギリ打倒の旅にククリと共に出る。
登場キャラクター
CVは1994年版→2000年版→2017年版の順に表記
主要人物
主人公。バンダナをよく身に着けている。勇者として旅立ったが職業は盗賊。
冒険を経て光魔法「キラキラ」による変則的な剣技を獲得する。
光魔法「カッコいいポーズ」も獲得する。
ヒロイン。魔法陣を描いて発動する闇魔法「グルグル」を使うミグミグ族の生き残り。
髪型は長い三つ編み。
ニケを「勇者様」と呼んで慕い、冒険を経ていくことで恋愛感情が強まっていく。
風の精霊。触角でレベルを調べたり、テントや道具袋の役割も果たす。
普段は礼儀正しいがマントの下はふんどしだったり、クサい台詞に顔芸を披露したりする。気合の声「ギップリャ!」は一般公募から。
通称「キタキタおやじ」。『舞勇伝キタキタ』の主人公でもある。
キタキタ踊りの後継者を探しつつ、勇者パーティの旅に出入りしている。
作品屈指のギャグキャラにして最強の変態。
最初は僧侶志望だったが、新職業・魔技師となる。
初登場の時は地味だったが再登場してからは常識人ポジションでメインパーティに参加。
アイテム開発時には人が変わる。何気にフラグクラッシャーである。
プラトー教の巫女。トマと同じく当初はゲストキャラだったが、途中からニケとククリを追ってきてメインパーティの一人になる。ククリのことを「クーちゃん」と呼んでいる。日課は気になる言葉探し。
周辺人物
キタの町・町長の息子。魔法使いを志望している。
ザザの妹。武闘家を志望している。お化粧も得意……?
闇魔法結社の一員である蛇使い。通称「闇のおねーさん」。
高い実力を持つが、名前が可愛いことがコンプレックスで他人には名乗ろうとしたがらない。
結社では総帥の秘書的な立場にあり、いつも彼と行動を共にしている。
闇魔法結社の総帥。魔王ギリの呪いで犬(プードル)の姿になってしまい、戦闘力は皆無。
シュギ村に住む、闇魔法結社の隠れ団員。ククリに魔法の修行を付けた。
シュギ村の剣の道場主。隠れプラトー教徒でもある。
「おもろうてやがてダメージ」を標語とするへっぽこ剣法の使い手。
自称、天才芸術家を名乗る老人。トマの師匠。
発明品の技術は凄いが、芸術センスには難がある。
コパ大陸に眠る秘宝を探す盗賊団のボス。団員にはニックネームをつける。
料理が趣味だが、味は全然ダメで、ククリに教わる代わりにニケの盗賊修行の師匠を務めた。
呪いでアヒルマンになったことも…
きりなしの搭攻略本「ラカンの日記」を書いた人。
本人はとある村で隠居している。
CV:田原アルノ(1994年版)
ザザの祖父の名前。技や魔法の名前ではない。
見た目だけは勇者っぽい戦士の青年とセクシーな魔法使いの女性のコンビ。
原作では1回限りの登場だったが、アニメ第1作では準レギュラーに抜擢。
ニケ達のゆく先々に現れては、かませ犬として度々倒される。
ククリの初めてのお友達。
CV:本多真梨子(2017年版)
エルエル砂漠でベルを売る神出鬼没の少女。
CV:浅野真澄(2017年版)
花の国の女王。ある出来事から赤ん坊になってしまい、ニケとククリに育てられたため、二人の子供とも言える。世界中の植物の管理をしている。
CV:小原好美(2017年版、ククリとの兼役)
ククリと瓜二つの顔をしている眼鏡の女の子。ククリとの出会いがきっかけで服職人を目指す。ククリが物語の終盤で着る服は彼女の作品である。
CV:中川翔子(2017年版)
勇者担当の天使。勇者(ニケ)の活躍を全て記録するのが仕事。彼女が書き残した記録は伝説となり、後の世に語り継がれる予定らしい。少々慌て者で、「絶対に消せない」はずの記録をかなり適当に書く癖がある。
CV:子安武人、三宅健太、竹内良太、江越彬紀(2017年版)
生涯無敗の爺さん四人組パーティ。
妖精の村に住む、恋の話が好きな口の軽い妖精の1人。
さっぱり妖精/ドサクサ妖精
さっぱりな状況/収拾のつかない状況に合わせてどこからともなく出現する、謎だらけの妖精。
魔王軍
世界を闇に陥れようと画策する悪の魔王。その素性の多くは謎に包まれている。
魔族の王子。自らを「魔界のプリンス」と呼ぶ、キザでナルシストなイケメン。
ニケとククリの抹殺に赴くもククリに惚れてしまい、以後、魔王軍に引き入れようと躍起になる。
ギリ軍に所属する魔法使い。ギリ軍の中でも一二を争う優秀な魔法使い。少し顔が怖い。
情報収集担当の悪魔。非常に口が軽い。
最初のダンジョンであるノコギリ山のボス。
弱点を自分で叫んでいた。
CV:小形満・鈴木勝美・小野英昭・子安武人・稲葉実・関俊彦・高木渉(1994年版)→小形満・鈴木勝美・坂東尚樹(劇場版)→北澤力・京極圭(2000年版)→小野友樹(2017年版)
シリーズの名物的なザコ敵。
言葉は堅苦しいが、中身の無い内容をよく話している。定番の台詞は「御意」。
亜種に「ヤリで突くタテジワネズミ」がいる。
CV:小形満・鈴木勝美・小野英昭(1994年版)→間島淳司・高橋広樹・北澤力・深貝大輔・増田陽一・程島鎮磨(2000年版)→小野賢章(2017年版)
タテジワと同じくザコ敵。タテジワと比べるとイマイチ影が薄い。
口癖は「俺達の本当の怖さを見せてやる。」
アッチ村で村人たちに手足をジタバタさせ続ける呪いをかけた悪魔。ニケに金縛り、ククリにえっちな踊りをさせる呪いをかけた。
CV:石谷春貴(2017年版)
謎の多い悪魔。ククリの魔力暴走での時間停止に巻き添えにされ、困っている姿を見るのが楽しみだと言い、直接手伝いはせずヒントの「攻略本」だけを与えてニケとククリを傍観する。魔王ギリの手下であるかは不明。
TVアニメ
これまでテレビアニメが3作、1996年に劇場用作品として1作それぞれ公開されている。
1994年版
1994年10月から1995年9月まで朝日放送制作・テレビ朝日系列21→22局で放送された。そのうち愛媛朝日テレビでは1995年4月の開局から放送された。
制作は日本アニメーションで全45話。当初はサンライズが制作する予定だった。タカラ(現在のタカラトミー)による番組スポンサーとグッズ展開は、前番組でテレ朝制作の『平成イヌ物語バウ』から引き継がれている。今の所、日本アニメーションは本作を最後にテレ朝系列のアニメを制作していない。
内容は原作準拠なのは第31話(~「妖精の村編」)まで。以降は原作の不足もあり、「闇の風見鶏」というアイテムを探して魔王ギリの元を目指す、完全オリジナルストーリーとなっている。
最終回は、いわゆる「俺たちの戦いはこれからだ!」(打ち切りの定型)のパロディ(ニケとククリが「まだ一緒にいたい」と冒険を続けるために「あえて」その選択肢を取っている)となっている。あくまで予定上のパロディであって、本当の打ち切りではないので念のため。
オリジナルストーリーの中には原作に逆輸入されたネタもあり、本作の展開に与えた影響は大きいと言える。
さらに1996年には、3本立て映画『少年ガンガン・劇場アニメフェスティバル'96』内でその後を描いた劇場版が公開された。
主題歌
オープニングテーマ
「MAGIC OF LOVE」(第1話 - 第31話)
作詞:Miss.tee+Nohzy / 作曲・編曲:保泉ヒロ / 歌:TOo's
「晴れてハレルヤ」(第32話 - 第45話)
作詞・作曲・歌:奥井亜紀 / 編曲:小野寺明敏
「金のトビラ」(劇場版)
作詞・作曲・編曲:衛藤ヒロユキ / 歌:SATOMI KIHARA(木原さとみ)with RADIO HEART
エンディングテーマ
「Wind Climbing 〜風にあそばれて〜」(第1話 - 第26話)
作詞・作曲・歌:奥井亜紀 / 編曲:小野寺明敏
「もう止まらない」(第27話 - 第45話)
作詞:多田紀彦 / 作曲:立井幹也 / 歌:SLAP STICKS
「LOVE GOES」(劇場版)
作詞:伊秩弘将、shungo. / 作曲・歌:HIM / 編曲:HIM、水島康貴
2000年版
タイトルは『ドキドキ♡伝説 魔法陣グルグル』。製作は前作同様日本アニメーションが担当しており、同社初の完全デジタル制作作品。
全38話で、2000年4月4日から同年12月26日までテレビ東京系列全6局にて放送された。キャストは一部の声優が変更となっている以外は前作と同じ。
ストーリーの内容は「きりなしの搭」編~「光魔法結社」訪問まで。基本はほぼ原作通りだが、前作の30話以降のアニメオリジナル展開を中心に無かった事にされた箇所が多々あり、原作での伏線や前後関係を調整する為にオリジナル展開が入っている。また、第1話、第22話、第38話はアニメオリジナル回となっている。特に最終回である第38話は強引な打ち切り展開となっており、第1作とは別の意味で「俺たちの戦いはこれからだ!」オチとなっている。だが、ラストのシーンでゲームのセーブ画面のようなものが出て、セーブして終了するという続編の可能性を示唆する終わり方をした。結果的には「つづきから」ではなく17年後に「はじめから」となった。
主題歌
オープニングテーマ
「ダイナマイトヘブン」
作詞・作曲・編曲:ハルユキ / 歌:2Shy4U
エンディングテーマ
「西の空へ」(第1話 - 第25話)
作詞:Yuko / 作曲 - 堀江淳 / 編曲:Yasu Sugiyama / 歌:Spoon
「Enjoy the party」(第26話 - 第38話)
作詞:YUKI / 作曲・編曲:SHIGEKI / 歌:R'OSE
2017年版
2017年1月12日に、連載開始から25周年を記念して、ガンガンOnline及び月刊少年ガンガンにて再びテレビアニメ化されることが発表された。
2017年7月11日から2017年12月19日まで、シリーズとては初の深夜時間に放送された。全24話。
放送局は第2作を放送したテレビ東京系列全6局の他、AT-Xに加えてネット配信も行われた。
アニメーション制作はプロダクションI.Gに変更され、スタッフ・キャストも全て一新された。
内容も原作1話からの再スタートで、原作16巻分(全158話)を24話で全てアニメ化するので、スピーディな物語の進行によって一部改変や削られているネタがあるが、第1作・第2作に比べると余計な引き伸ばしがなくほぼ原作通りの展開であり、話の大筋は問題なく追えるようになっている。所々に過去の2作品のオマージュと思われるシーンが使われている。
また、同時期にショートアニメ『グルグル ぷちあにめ劇場』も全24話で放送・配信。
こちらの放送はAT-Xのみだが、YouTubeで2週間無料配信された。
本編でカットされたネタの一部が補完されており、他にも外伝のネタ、果てには原作者が過去に描いた『ドラゴンクエスト 4コママンガ劇場』のネタまで使われる。
主題歌
オープニングテーマ
「Trip Trip Trip」(第1話 - 第16話、第24話挿入歌)
作詞:ぽん / 作曲・編曲:小島英也 / 歌:ORESAMA
「流星ダンスフロア」(第17話 - 第23話)
作詞:ぽん / 作曲・編曲:小島英也、TECHNOBOYS PULCRAFT GREEN-FUND / 歌:ORESAMA
エンディングテーマ
「Round&Round&Round」(第1話 - 第16話)
作詞・作曲・編曲:TECHNOBOYS PULCRAFT GREEN-FUND / 歌:TECHNOBOYS PULCRAFT GREEN-FUND feat.ボンジュール鈴木
「Magical Circle」(第17話 - 第24話)
作詞・作曲・編曲:TECHNOBOYS PULCRAFT GREEN-FUND / 歌:TECHNOBOYS PULCRAFT GREEN-FUND feat.中川翔子
挿入歌
「グルグル・ミュージカル」(第16話)
作詞:衛藤ヒロユキ / 作曲・編曲:石川智久
「伝・説 SILVER LOVE」(第21話、第22話)
作詞:衛藤ヒロユキ / 作曲:松井洋平 / 編曲:松井洋平/石川智久 / 歌:TECHNOBOYS PULCRAFT GREEN-FUND
「Wind Climbing 〜風にあそばれて〜」(2017Edition)(第24話」
作詞・作曲:奥井亜紀 / 編曲:TECHNOBOYS PULCRAFT GREEN-FUND / 歌:TECHNOBOYS PULCRAFT GREEN-FUND feat.奥井亜紀
メディアミックス
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