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概要

かすかべ防衛隊の隊員で自称隊長。

どうも感じやすい感覚の持ち主で、特に耳は弱点である。よくしんのすけに耳に息を吹きかけられては脱力し、映画『電撃!ブタのヒヅメ大作戦』では、敵幹部のバレルから「最近のガキは進んでいる。」と感想を述べられたほどである。名前は同名の俳優から取られた。

性格

名門私立小学校への進学を志望し、英語塾を初めとする様々な習い事に通っているなど、幼稚園児にしてエリート志向であり、周囲の期待に応える為に歳不相応に真面目で礼儀正しく、担任のよしなが先生みさえ(しんのすけの母)たちにも敬語を使うほどである。それ故に自負心が強く、度々自分の博識ぶりをひけらかす・仕切り屋な一面から時に他の防衛隊員を鼻につかせるのが玉に瑕であり、時折地理専門の漫画図鑑では饒舌な一面も見せてはウザがれている場面もある。

その反面年相応の一面を見せたがらない為、追い詰められるとマサオ並みかそれ以上にヘタレな一面を見せている。その一例としてマサオがが平気であるのに対して虫嫌いまでは無いが、虫を触れられないなど多少なりとも苦手である。ちなみにマサオの飼っているオオクワガタを怖がって逃がし、マサオから絶交されそうになった事がある。

本質的には甘えたがりな性格であり、父親が家にいない環境(オーストラリアのパースに赴任している)もあってか少々母親に依存するマザコン気質であり、しんのすけから「カザマザコンくん」と弄られる・ネネから「バカザマ」「ブザマトオル」と軽蔑される事もある。

その性格上防衛隊(特にしんのすけ)のツッコミ役で、ノリツッコミが上手い。マサオと並んで作中では常識人だが、素の自分を出すとボケに回ってしんのすけ達から突っ込まれたり、逆にしんのすけを振り回すなど徐々にボケキャラの側面も増える。

欠点

その豊富な知識に加えて責任感・正義感が強い反面、短気且つ融通が利かない・本番に弱い性分故にペースを乱されやすく、結果的に空回りしてしまう事も多い他、実践に弱いというエリート特有の欠点も抱えている。

例として幼稚園にしんのすけの隣人のアメリカ人であるロベルトがやってきた際には、言葉が通じずに困惑する教職員たち・ネネから英語が話せるという事で半ば無理矢理通訳を頼まれるも、結局ロベルトの話す言葉を一言も理解できずに逃げてしまった。

一方で新クレヨンしんちゃん9巻収録のエピソード「スランプ風間くんだゾ」では英語塾でのテストの成績が奮わず落ち込んでいたところに困っていたロベルトが現れ英会話を使って意思疎通が成立したのをきっかけに自信を取り戻している。

初期から中期にかけては、給食をこぼす・後述のアニオタ趣味が露呈しただけで後々の自身の進学・結婚への悪影響を恐れるなど、事をネガティブに考えがちで、最早被害妄想ともいえる一面もあった。

そんな面もあってか夕陽のカスカベボーイズオラの花嫁天カス学園など映画作品によっては敵側としてしんのすけと敵対する場合が多い(最終的に和解してしんのすけ達の元へ戻るが)。

初期独自の設定

家が裕福な事もあり、スネ夫(放送時間帯・マザコン・家が金持ちである点で近い)のようにわざわざ高価なものを持ち込んで自慢したり、自らの博学ぶりをひけらかしたがる一面や、しんのすけの不幸や災難に対して意地悪な発言をしてそのたびにやり返されたりと「キザでイヤミでヘタレウザキャラ」といった立ち位置だった。しんのすけとの関係も「友人」と言うよりは「ライバル」に近いものだったが、いつしかその負の面は希薄化し、スネ夫よりは出木杉のような真面目な優等生キャラへ変化していき(特に、自分以上の金持ちである酢乙女あいが登場したのも大きい)、それと同時に後述のマザコン気質・少女アニメオタクの一面などが露呈していき、作中でも屈指のいじられキャラと化していった。

将来

前述の通り、将来はエリートになってサクセスな人生を歩むことを望んでいる。

エンピツしんちゃんでは無事に有名私立小学校への進学を果たしたものの、相変わらずしんのすけには振り回されている様子。

「ターミネーターVSしんのすけ」での未来からタイムスリップしてきた青年の風間くんは東京大学に通う大学生になっている。

映画『超時空!嵐を呼ぶオラの花嫁』での未来世界では、金有り電機のエリート社員になっており、社長の一人娘との縁談を勧められるほど気に入られていたが、社長に逆らったことからクビにされてしまった。

その他

襲来!!宇宙人シリリ本物の宇宙人に遭遇しても宇宙人はいないと自分に言い聞かせるなど、オカルトや迷信などの非科学的現象を頑なに信じたがらないリアリストな一面が強い。このように内心では迷信に対して怯えているも強がりの為、ホラー回では主な被害者になっている。

代表例として挙げれば、踊れ!アミーゴ!まつざか先生らが敵に捕まる現場を眼前で目撃しても断固として現実を認めようとせず、上記のリアリストな面や母親に対する依存が仇となって虚しく捕まってしまうなど、ホラー絡みのエピソードはいくつも語り草となっている。

ただし番外編の魔法使いしんちゃんでは、魔法世界から当初は信じなかったしんのすけの魔法を目にしてすんなりと受け入れており、オラと宇宙のプリンセスでは他の防衛隊メンバーと共に野原一家がUFOで連れさらわれる現場に遭遇し、しんのすけの話をすぐに信じていた。

他にもB級グルメサバイバルでは、敵が占拠しているB級グルメカーニバルの会場に潜入する時、自分が「大声を上げるな」と言ったのにもかかわらず、母親に呼ばれた際に大声で返事をしてしまい、それが原因で敵に見つかってしまった。

園長先生を「組長先生」と呼んだり、リアルおままごとを発案したのも彼である(アニメ版のみ)。

趣味・嗜好

隠れオタク

やたらと体裁を気にしがちの為、大人ぶった振る舞いをしてアクション仮面カンタムロボといったアニメ・特撮作品を「お子様向けなんて見ない」と発言している。しかし実際はばっちり観ているばかりか、魔女っ子マリーもえPといった女児向け特撮・アニメに至っては熱狂的ともいえる程のファンであり、要するにオタクである。

その入れ込み具合は自らの部屋に関連グッズを大量に収集する・コスプレまでする程である。ちなみにマリーちゃんに熱中していた頃は「僕はコスプレまでするつもりは無い。」と否定していたが、もえPに入れ込むようになってからはそれさえも一線を画す事になる。

原作でも同様に女児アニメのコスプレに手を出して危うく道を踏み外しかけており、流石にコスプレ(女装)趣味については自分で自分の事が心配になって母親に相談しようとしたが、その母親も似たような趣味で、自ら男装して役にのめり込む程のタカラヂカファンである事を知り、血筋だという事を愕然としながら納得していた。

そのオタクぶりは周囲に隠しているつもりだが、実質的には殆どバレている状態にある。ただ本人は未だに隠し通せていると思い込んでいるが、「どんな情報でも仕入れるのがエリート」と自分から半ば認めてしまった事もある。以前は母親にも趣味を隠していたが、隠していたフィギュアをめぐって母と喧嘩したのをきっかけに公認になった経緯もある。

食べ物

好き嫌いは無いようだが、タマネギとブロッコリーはマヨネーズを付けていないと食べられない。

人間関係

母親からは「トオルちゃん」と呼ばれており、しんのすけもふざけてトオルちゃん呼びになる時もあるが、隊内はもちろん、幼稚園の先生方からも何故か苗字で呼ばれている(あいから「トオル」と呼ばれた事はある)。本人が両親以外に名前で言われている事を拒否しているの理由が考えられるが、明確な真相は不明である。

父親

オーストラリアのパースへ単身赴任しており、旅行先で鉢合わせした野原一家と相席を受け入れ、会社の用意した豪邸に招待するなど寛大な性格である。その一方で旅行で会いに行った際に構ってほしいと思いつつも、なかなか言い出せずにいた。

しんのすけ

正反対な性格にあるしんのすけに対しては、若干ツンデレ気味に振る舞う。初期時代は一方的に対抗意識を向ける・衝突する事も多いが、一方でしんのすけから「お互いのホクロの数まで知り尽くした関係」と称される通り、防衛隊員の中でも何かと接点が多く、特に同世代の人間の中では一番交友関係が深い。ただしホクロの件については、実際にしんのすけはホクロの数を知らない。

時にはしんのすけと関わったせいで、外面上の付き合いになりやすい塾のクラスメイトのエリート仲間から疎外される・女友達に絶交されるなど酷い目に遭う事も少なくなく、その為トオルもしんのすけと友達付き合いする事を辞めようかと考えた事も幾度と無くある。その反面1度海外に引っ越す話が出た際に、しんのすけから餞別の歌を歌ってもらって感涙する・互いの家に宿泊するなど仲良くしている描写も多い。しかし時として本当にシャレにならないレベルで迷惑をかけられることも少なくはなく、100円単位の話とはいえ金絡みで迷惑を被ったことも(「風間くんはオラを信じてるゾ」というエピソードではコンビニで風間くんとたまたま居合わせたしんのすけが金も無いのに250円のチョコビを購入、買い食いならぬ「買ってもらい食い」と称して風間くんにチョコビ代の支払いを押し付けた。なおチョコビは開けてしまいその場でしんのすけが食べてしまっているので返品も効かず一悶着起きる羽目になり、紆余屈折の末にしんのすけに自宅まで金を取りに行かせたがしんのすけは戻る途中で欲に負けてチョコビ代でマンガを買うという本末転倒な事態を引き起こし風間くんに全く救いのないオチとなった)

友情にまつわるエピソード

2006年1月13日放送の「オラの心はエリートだゾ」では、塾の友達と一緒にいた際にしんのすけに遭遇し、その友達はしんのすけの奇行を徹底的に扱き下ろして馬鹿にした。しかし友達である事を発覚されるのを恐れ、しんのすけを邪険に扱って追い払った。後日お漏らしが原因でその友達から絶交され、絶望に打ちひしがれていた。その時偶然遭遇したしんのすけからはいつもと変わりなく接してもらった事で大きな救いとなり、改めて先日の非礼を侘びて関係改善を果たした。尤もしんのすけ自身は邪険に扱われた事についてはすっかり忘れていた。

そのエピソードの最後ではしんのすけの事を「心がエリート」と評するなど、しんのすけを一番の親友として認めて信頼している節も見せている。

相互補填

想定外の事態に著しく弱いトオルの欠点をしんのすけの順応性・行動力で補填し、逆にあまり考えないしんのすけの無鉄砲さをトオルの思考力・博識で抑制する事で、それぞれ良い方向に進む事が多い。その為2人はとても相性の良いパートナーであると言える。

声優インタビューによれば、普段の刺々しい態度は自然体で周囲に溶け込んでいるしんのすけに対してのコンプレックスも含まれているとの事である。逆に言えば愛情の裏返しでもあり、彼が壁無しに接せられる数少ない相手ともいえる。

基本的に他者に対しては誰であっても必ず「○○さん」「○○ちゃん」「○○くん」「○○先生」と敬称を付けるトオルが、唯一しんのすけにだけは「しんちゃん」ではなく「しんのすけ」と呼び捨てにしているのもその為である(但し、二人の友情がまだそれほどピックアップされていなかった最初期の頃は「しんちゃん」「しんのすけくん」と呼称する場面があった)。

社会・人間関係に適応する為に本来の自分を出せず、その事で葛藤する様は5歳児でありながら、クレヨンしんちゃんの中で最も等身大の現代人らしいキャラクターであると同時に、社会・人間関係など考慮せずありのままの自分を全面的に晒し出してるしんのすけとはコインの表裏の様に対照的な存在と言えるのかもしれない。

ひまわり

妹のいる生活に憧れを抱いているようで、母親に赤ちゃんをねだる・将来結婚する想像もしたほどである。

シロ

溺愛している描写があり、人目に付かないところで「わたあめみたい。」とモフモフ攻撃をしていたが、それをボーちゃんに目撃されていた。なおシロが喋る設定の回では「キャラが被っている気がする。」と自虐的に発言している。

女性関係

やたらと女性にデレデレするおバカなしんのすけを諫めることが多い印象だが、本人も惚れっぽい一面を隠しており、一喜一憂したり振り向かせるために奮闘したりと純情な態度を取るが、報われるかどうかは時による。

ちなみに彼もスケベな面を隠しているが、しんのすけに乗せられてその性癖を暴露し、周囲にドン引かれる事もしばしばである。作中では「ハンサム」などと言われたり、塾の女子をキープしたりと比較的モテる描写があるが、しんのすけの言動が原因で絶縁される・逆にしんのすけに惚れられてしまったりと良い事が無い。

番外編・劇場版において

エンピツしんちゃん

ちなみに小学生のしんのすけたちを描いた「エンピツしんちゃん」では、受験に成功して防衛隊で唯一私立のエリート校に通っているが、相変わらずしんのすけには振り回されているようである。

謎メキ!花の天カス学園

本編でも時折、周囲の期待から優等生らしく振る舞うことへの葛藤を覗かせ、エリートとして貫いてきた自分と年相応の正直な気持ちの中で板挟みになっている描写があったが、当作ではそれがより深く掘り下げられ、一緒にいられるのは今だけだと思い悩んで(時系列として未来となるえんぴつしんちゃんでは彼だけ別の小学校へ通っている)、しんのすけら4人と推薦入学することを夢見るが、彼らにとっては押し付けになってしまって一触即発となり、失意のうちにエリートへの近道を頼った矢先に本作の事件が発生する。そして終盤では衝撃の展開となる。

彼もまた年相応の子供であり、エリートであることに誇りを持ちつつもしんのすけらと離れることには強い葛藤を抱いていた。作中の天カス学園のシステムにも通じるが、本作は現代ならではの教育システムの問題点を掲げており、それに対して出したしんのすけと風間の答えは必見である。

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