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貞元響也

さだもときょうや

龍が如くスタジオ制作のゲーム『LOST JUDGMENT』のDLC「海藤正治の事件簿」の登場人物。
目次 [非表示]

「実は…探して欲しいのです……亡くなった妻を……」


CV:小西克幸

概要編集

LOST JUDGMENT』のDLC海藤正治の事件簿」の主要キャラの一人。


IT系メガベンチャー企業「イマージュインタラクティブ」のCEOを務める敏腕実業家で、学生時代に起業し若くして自社を日本有数の大企業まで育て上げた超エリート。


どんな人間にも誠実な態度で接する、物腰柔らかな好人物。一方、仕事を重視するあまり家庭への関心は薄くなりがちで、息子である貞元准との親子関係は良好とはいえない。

また、総額3200万円もの大金を依頼料として提示したり、私物には2000万近い高額の腕時計・ナイフなどもあり、金には糸目をつけない性格。


作中では、主人公・海藤正治が、出張で不在となっている所長に「八神探偵事務所」の留守を任せられていた際、2年前に亡くなったはずの妻の捜索を依頼してくる。その妻はかつて海藤の恋人だった貞元美希子だった。


関連タグ編集

ロストジャッジメント 海藤正治の事件簿 金持ち CEO 社長

貞元美希子 貞元准 海藤正治

















以下、この作品の根幹に関わる重大なネタバレがあります。






































正体編集

本作の黒幕

表の物腰柔らかな態度や人当たりの良い性格は全て偽りで、自らの目的のためには無差別大量殺人すら平気で行い、それを喜々として語るような残忍極まる人物。

東城会ヤクザ・五十嵐昌夫をして「悪魔だよ 極道も真っ青のな」と言わしめる凶悪な本性を最終盤で露にする。



事は半グレグループ「紅蓮会」の代表・剣持秋介が大学時代に創設したイベントサークル「リゾーム」から始まった。


リゾームはコンパ等の稼ぎで活動していた小さなサークルだったが、当時剣持と同じ大学の経営学部だった貞元がこれに目を付け、アドバイザーの座に就いたことから一変。貞元の口車に乗ってリゾームのメンバー達は裏でグレーな活動を始め、ビジネスを拡げていくようになる。貞元自身は正式メンバーではないものの、メンバー達からはカリスマ的存在として扱われる事となった。

後にリゾームは紅蓮会と名を変え、貞元が起業した後の汚れ仕事は剣持を中心とした紅蓮会にすべて任されるようになっていった。


あるとき、投資に失敗した事から資金繰りに苦難した貞元は、数十億の莫大な資産と土地を持った美希子の実家・夏目家に目をつける。当時不動産ブローカーをしていた剣持から土地の開発計画を聞かされた際、どの地上げ屋から脅されても応じない程夏目家が大切にしていたこの資産を夏目家を懐柔することにより奪い取ることを画策する。誠実な好青年を演じて夏目家に取り入り、美希子を含む家族全員の心を掴むことに成功。


当時美希子は「結婚を前提に付き合っている恋人(海藤)がいること」と「当時海藤の所属する松金組がトラブルを抱えていた」ことは告げていたが、それを受けた貞元は海藤との仲を「応援する」とさえ口にした。

これは極道である海藤が組から簡単に抜けられるはずがないと見越した上での発言であり、やがて目論見通り松金組を捨てきれなかった海藤が出奔すると、言葉巧みに傷心の美希子に付け入り、彼女と海藤の仲を裂くことに成功。さらにデキ婚までして海藤のことを諦めざるを得ない状況を作り上げた。


さらに美希子の妹・真帆に、誕生日プレゼントとして睡眠薬入りのボルドーワインを贈って両親と共に昏睡させた上で、剣持に「自宅の中には誰もいない」と嘘を教えて放火を指示することで美希子を除く家族全員を殺害。思惑通り夏目家の遺産を獲得した。


全ては私利私欲に基づく計画的犯行だったのである。


美希子にもこの事実は平然と隠し通していたが、2年前のある日珍しく深酒をしてしまい寝込んでいた間に、迂闊にもつけっ放しになっていたパソコンから紅蓮会とのメールのやりとりの内容と陰謀のほとんどを美希子に知られてしまう。

発覚後すぐに目を覚ました貞元は本性を現して美希子へ襲い掛かり、護身術の心得もあるはずの彼女をあっさりと昏倒させる。その後何らかの手段で記憶喪失に陥らせ(五十嵐は「薬でも盛ったのではないか」と推測している)、彼女の始末を紅蓮会へ依頼した。


しかし実際には美希子は辛うじて生き延びており、2年後に人づての噂でそれを知ることになる。美希子が紅蓮会や自身への復讐を企てているであろうことを悟った彼は、既にカリスマ経営者として名が売れている自分にとってはもはや邪魔者となりつつあった紅蓮会のメンバーを美希子よりも先回りして殺害、そしてその罪は全て美希子に擦り付けるというアイデアを思いつく。


海藤に美希子の捜索を依頼してきたのも、先に美希子を探し出させてから秘密裏に監禁し、自分の一連の殺人をすべて美希子の仕業に見せかけるためであった。紅蓮会メンバーの殺害があらかた終わり次第、用済みの美希子も自殺に見せかけて始末するつもりだった模様。


物語終盤、自身を追ってリゾームの同窓会が開かれているホテルの屋上に現れた美希子と海藤に、「自分はこの会場にいないことにして美希子に海藤を殺害させ、『復讐に狂った美希子がそれを嗅ぎ付けた海藤を保身のために殺害した』ように見せかける」という今回の計画の全貌を語り、拉致させた准を人質に取りつつ美希子へ海藤を撃つよう迫った。

美希子と准には夫(父)としての務めと嘯きつつ、海藤を始末することを条件に命は見逃し、一億円を握らせて高飛びさせることを提案。ただし罪悪感に苦しむであろう美希子が自殺を選ぶならば、残された准にはボーナスと称して追加でさらに一億渡すとしゃあしゃあと言い放つ。


さらに後始末として、剣持を含めた紅蓮会のメンバーや同窓会の参加者に遅効性の毒が入ったワインを飲ませていたため、屋上へ駆けつけたメンバーを全員毒殺することに成功。

パーティー会場は地獄絵図と化した。この罪もすべて美希子へ着せるつもりでいた。


「おお これはなかなか歴史に残る事件になるんじゃないかな」


「君たちも見るかい? 壮観だよ」


「よし! 残り4人 全員殺ったぜ! 大・成・功!」


無関係な人間まで巻き込まれてしまったことを海藤に責められても、彼はそれを「そこまでは僕もコントロールできない」「むしろ憎悪に狂った復讐鬼ならそのくらいしたほうがリアリティがある」と一蹴し、悪びれる様子すらなく開き直った。


戦闘編集


「いたぶって楽しむ時間は無さそうだ…。」


准を人質に取りながら自らの計画について長々と喋っていたが、一瞬の隙を突いた准の反撃によって取り逃がし、美希子と准を護るべく立ちふさがった海藤との一騎討ちとなる。


カタギの社長らしからぬ巧みなナイフ捌きで海藤を容赦なく切り裂きにかかる。またナイフ以外にもスタンガン催涙スプレーなどの厄介な暗器も使いこなし、スタンやロックオン不可などの状態異常も付与してくる。

また、貞元自身も身体能力は相応に高く、蹴り技などの格闘術も繰り出してくる。特に瞬発力と跳躍力に長けているようであり、カットイン前のイベントシーンやQTE、戦闘モーションでもその2つを巧みに組み合わせた体術とナイフ捌きを見せている。

極めつけにナイフには猛毒が塗り込まれており、貞元を倒した直後海藤は傷口から回った猛毒により吐血、その場から動けなくなってしまった(ちなみに、戦闘自体をノーダメージでこなしても、開幕前の攻防でかすり傷を負わされるため、矛盾は発生しない)。

海藤の身体に毒が回って動けなくなった所を貞元は止めを刺すつもりだったため、間違いなく紙一重の勝利であった。

戦闘後、こめかみなどにも切り傷を負っており、かなりの激戦であったことが窺える。


末路編集

海藤との死闘に敗れた貞元に美希子は銃を向け射殺しようとするが、准の涙の説得で踏みとどまる。その後、海藤から一連の騒動を聞いていた瀕死の剣持がゾンビのように起き上がり、激昂した彼に首の骨をへし折られてしまった(剣持はその後毒により事切れた)。


実は剣持は望まぬ殺人に加担させられたことでずっと良心の呵責に苛まれており、彼を都合のいいように利用し続けた報いとして因果応報の最期を迎えることになった。

そして、病院には運ばれたがそのまま死亡したことが、事件後入院していた海藤の見舞いに来た東徹から語られている。


悪行に塗れた一生を終えた貞元だったが、彼の死後に准は「昔海へドライブに連れて行ってもらった」という准にとって唯一楽しかったと言える思い出を海藤に語っていた。そして「今思えば新車を乗り回したいだけだったのかも」と言いつつも、どこか思うところがあるような様子を見せた。

救いようのない極悪人だったとは言え、一応は父親だった人間を喪ったことで複雑な思いを抱えている准を、本当の意味で父親と言うべき漢は自身と父の過去を思い出しつつも優しく受け止めるのだった。


評価編集

「自分の利益になるなら他人を危険に晒す行為も厭わず、邪魔する者や用済みになった者は問答無用で排除する」

貞元は終始この行動原理のみで行動していた。


これまでにも大量殺人を起こしたり卑劣極まりない行為を平然と行う下衆キャラはいたが、彼は「親族や自分を慕っている身内ですら躊躇なく皆殺し」「一般人をも巻き込む無差別大量殺戮」「殺害の惨状を見ながらそれをゲーム感覚で愉しげに語り」「一連の騒動は全て他人に擦り付ける」とその悪行には一片の美点も見出せず、醜悪極まりない。


この邪悪さから、貞元は龍が如く』シリーズ史上最悪の外道と評するプレイヤーも多い。


また、上述の通り美希子と准にだけは金を握らせて海外に高飛びさせる計画を語ってはいたものの、この性格を見る限り実際にそれを実行する気があったのかは相当に怪しい。

万一二人が再び日本に舞い戻ってきて真実を暴露されたりすれば彼にとっては致命傷となるのは想像に難くなく、またそういったリスクを放置してまで好きに泳がせておく理由も特にないと考えられる。そのためこの提案もあくまで方便であり、実際には妻と息子もまとめて始末するつもりだった可能性が高い。


つまり貞元は「愛する人までも苦しめさせる存在」という位置付けのキャラクターであり、本シナリオのラスボスで、純粋に愛する人を守るために自らの肉体を鍛え上げた白樺康隆とはあらゆる意味で対照的なキャラクターといえる。


ただ、そもそも劇中で立てた計画が「甘い」という評価をされることもある。

そもそも美希子に所業がバレてしまった原因も自身の不始末であり、美希子に対する口封じも(普通の人間であれば死んでいるような状態とはいえ)失敗しており、その後のフォローアップも不十分であった結果、海藤のみならず単なる元ヤクザである馬頭探偵事務所の面々にも計画が露呈、結果的に美希子を始末するための手間と敵を増やしてしまっている。

剣持に対しても彼の人間性を把握せずに殺人に加担させた結果、反逆される末路を辿った点を見ても「自分は手を汚さず、他者を都合のいいように利用する」精神が裏目に出てしまった部分が多い。

また、仮に計画が成功し海藤と美希子、准を始末できていたとしても、海藤の相棒その仲間たちが大人しくしているはずもなく、自分自身を追う人間を増やすだけの可能性が高い。結果的に「海藤を計画に触れさせた時点で遅かれ早かれ詰んでいた」という声もある。

そもそも今回の計画が成功した時点で自身を保護するバックグラウンドが死滅してしまっている上に、強大な権力と利権に守られた本編の悪役連中と異なり、一介のベンチャー企業のCEOの貞元は本編ほど捕捉に手間がかかる可能性は低い。仮に同様の計画を本編の悪役であるモグラ相馬和樹が立てたとしても、おそらく簡単に計画を捉えられるリスクを犯す可能性は低く、「邪悪な本性を持つが殺人のプロではない」という面が浮き彫りになっている。


こうした点は「劇中の人物に『馬鹿』『天然』と言われることも多いが調査のために行う計画は抜け目のない海藤」と「やり手と呼ばれながらも計画自体には穴の多い貞元」の対比になっているとも言えるだろう。


なお、貞元を演じた小西氏は過去の龍が如く作品別の悪人を演じた経歴があり、そこから貞元が黒幕と察する人もいたが、それにしてもここまでの極悪人であることはほとんどのプレイヤーが予想できなかっただろう。まさかDLCの追加シナリオでこんな悪魔が登場するとは… 。

ちなみにその人物も根っからの悪人だが、悪びれなかった貞元と違い、彼なりに自分の犯した悪行のケジメをつけている。




余談編集

  • 劇中で貞元による計画殺人の舞台になったホテル「Hotel Grande Blu Marino」は『龍が如く7』で会社経営の物件として購入可能である。
  • このことから先述の「計画が成功したとしても貞元は既に詰んでいる」論議において「春日一行がバックについているため、春日一番からも(もっというとDLCで雇用できる伝説極道にも)追われる羽目になる」と冗談めかして言われることも。仮にそうなったら横浜の裏社会からも狙われることと同義になるため貞元の立場はさらに絶望的になるが)。

関連動画編集

Behind the Scheme(戦闘曲)


真の関連タグ編集

人間のクズ ゲス 腐れ外道 殺人鬼 毒親 サイコパス

剣持秋介


相馬和樹…『ロストジャッジメント』本編での準ラスボス。彼もまたナイフの達人で、同じく戦闘後に首を絞められて止めを刺されたが、相手が殺人はしない人間だった為命までは取られず、貞元とは別の形で完全に破滅している。

彼も目的のためならば殺人をも厭わない極悪人ではあったものの、あくまでも治安維持のための必要悪という大義名分があり、目的外の殺人までは行っていない(実際、ある登場人物に対してはペイント弾での威嚇にとどめている)点が貞元と異なる。


変態四重奏…同じく『ロストジャッジメント』DLCに登場する性犯罪者。自らの欲の為に他者を害する事を厭わない点は貞元と共通しているが、あちらは存在自体がほぼギャグである。ついでにいえば彼らは殺人や放火はやらかしていないため、貞元よりはまだマシである。


青木遼…『龍が如く7』の黒幕。「殺人や違法行為を単なるリスクとしてしか見ておらず、リスクカットやリターンが見込めるのならばいとも簡単に人の命を奪う」「自分の表世界の成り上がりの為に、反社勢力を使役する」という点が貞元と共通している。しかしこちらは病的なまでにリスクを嫌う性格とバックについている組織が正真正銘の裏社会の人間であったことが功を奏し、不満は抱かれつつも東京都知事にまで上り詰めることができた。

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