「次は私を止められるかな?」
「ああ… もちろん!」
概要
青山剛昌原作の漫画『名探偵コナン』及び『まじっく快斗』の黒羽盗一×工藤優作の腐向けカップリング(BL)。両者とも妻子持ちの既婚者であるため、いわゆる不倫にあたる関係。
10年以上前、黒羽盗一扮する怪盗キッドに興味を持ち、警察の捜査に協力していたのが若手小説家の工藤優作。キッドは当初国際犯罪者番号から「怪盗1412号」と呼称されていたが、新聞記者が殴り書いた1412を優作がKIDと読み間違えたことから世間に「キッド」の愛称が定着した。そのため、「怪盗キッド」の名付け親は工藤優作である。
表向きの間柄は、優作にとっては「女優時代の妻の変装術の師匠」であり、盗一にとっては「弟子である藤峰有希子の夫」。有希子や新一を介して手紙を出し合っている点から、優作はキッドの正体を把握していると思われる。
その後、黒羽盗一はマジックショー中の事故で他界。怪盗キッドも表舞台から姿を消す。
しかし彼の死から8年後――
2代目怪盗キッドとなった盗一の息子・黒羽快斗と、優作の息子・工藤新一(江戸川コナン)が邂逅し、二人の因縁は息子達に引き継がれることとなった。
彼らの関係は単なるライバルと思われていたが…………。
※以下、劇場版『100万ドルの五稜星』ネタバレ注意
二人は生き別れの双子であった。
物心がつかない頃に両親が離婚しており、父親に引き取られた兄が盗一、母親に引き取られた弟が優作。
※詳細は<本編>の項目を参照
本編
・単行本55巻 File.6〜9
(アニメ第472・473話「工藤新一少年の冒険」)
「見事に逃げられたって言ったほうが正解かな?」
「彼の前じゃ、私の奇術なぞ砂上の楼閣… 瞬時に見破られてしまいそうで…」
10年前、夜の図書室に忍び込んだ小学1年生の新一の前に、「君の弟」と称する男が現れる。
男が出題した暗号に挑む新一。しかしその暗号並びに解読後に現れる手紙は、新一が解けずに父親に泣きつくと踏んで作られた、優作宛のものだった(実際は泣きつくことはなく、真意にも気づく前に推理を終えたため、10年間図書室に眠っていた)。
時を同じくして、有希子は昔役作りのため弟子入りした奇術師に会いに行く。その奇術師=黒羽盗一が「後日優作宛に届くであろう”盗一の友人”からの手紙」の話題を振ると、有希子は先行して彼から返事を預かっていると言う。
優作から”盗一の友人”への手紙は「!」の一文字のみ。
そして優作の息子・新一の前に現れた男=新一の弟=工藤優作によって名付けられた存在・怪盗キッド=黒羽盗一 から優作への手紙は、「Dear Yusaku Kudo(From)No.1412」の署名を添えた、「?」一文字のみのメッセージであった。
「流石、私の名付け親だ…」
尚、この「!」と「?」のやり取りは、「レ・ミゼラブル」の著者ヴィクトル・ユーゴーと出版社の間で交わされた世界一短い手紙のオマージュであると思われる。
・劇場版『100万ドルの五稜星』
「ありがとう!兄さん Y.K」
エピローグにて、優作に両親の離婚で別離した双子の兄がいることが判明する。
20年以上対面していないが、現在も贈り物を貰う仲であること、有希子とも面識があることを妻に打ち明けた。
そんな会話の中で、優作のスマートフォンがメールを受信。「T.K」の署名の相手からのメールを確認して、優作は破顔する。
所変わって、「兄さん」に宛てて書かれた「Y.K」からのメールを確認する男。その内容に笑みをたたえる兄こそ、死んだはずの盗一だった。
「ついに明かされる、“キッドの真実”──」というキャッチコピーで公開された本作だが、最終的に
- 黒羽盗一の生存
- 怪盗コルボーの正体が黒羽盗一であること
- 黒羽盗一と工藤優作(即ち、黒羽快斗と工藤新一)の血縁関係
が明かされた結果になった。
ちなみに、エピローグ部分のプロットは青山剛昌自ら書いている(豪華版Blu-ray・DVD 封入特典のスペシャルイラストブックで読むことができる)。
作者談
原作者曰く、二人は「ほぼ同じ顔で描いている」。新一が盗一と遭遇した一件では、場所が夜の図書室でなく明るい所であったら、父親と思ってしまうほど似ているらしい(2024年9月8日開催「サンデー文化祭2024」青山剛昌先生トークショーにて)。
明言はされていないが、一卵性双生児であると考えられる。
TCGでの扱い
2024年より展開を開始した「名探偵コナン トレーディングカードゲーム」にも両キャラクターのカードが登場。
CT-P02「西と東の大決戦(コンタクト)」工藤優作(カードID:0206)では、カードの能力発動条件である【絆】キャラクターとして【黒羽盗一】が設定されている。
尚、その他【絆】が設定されているキャラクターは、
等公式のカップルや相棒関係の組み合わせが主である。血縁関係や、ライバル同士では【絆】として扱われている例はない。(2024年現在)
余談
- 優作の息子の名前「新一」は「盗一」と共通する部分があるが、兄から由来しているかは不明。ちなみに工藤家居候の名前も「秀一」。
- 赤井秀一の声優は、黒羽盗一と同じ池田秀一である。メタ的に言えば、優作は兄と同じ声の男を自宅に住まわせていることになる。