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犬田小文吾

いぬたこぶんご

犬田小文吾は、戯作『南総里見八犬伝』の登場人物。
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南総里見八犬伝』に登場するの珠を持つ八犬士

尻に牡丹がある。


概要編集

犬田小文吾悌順(いぬた こぶんご やすより)。


長禄3年(1459年)、行徳の旅籠屋・古那屋文五兵衛の子として生まれる。犬江親兵衛は甥。

力自慢の巨漢で、相撲を得意とする。


16歳のとき、行徳の町を荒らした犬太という悪人を義侠心から殺害。「犬太殺しの小文吾」転じて犬田小文吾と呼ばれるようになった。


芳流閣の戦いから利根川に落ち、行徳に流れ着いた犬飼現八犬塚信乃を父が助けたのがきっかけで義兄弟の誓いを結ぶが、信乃にかけられた追手と、義弟の山林房八との間で一悶着起きる。

房八は相撲勝負に負けた遺恨を小文吾にぶつけ、信乃の首を取って追手に引き渡そうとした為に争いとなる。だがその中で、小文吾の妹にして房八の妻・沼藺(ぬい)と一子・大八が命を落とすという悲劇が起きる。

激昂した小文吾は房八を殺すが、そこには親の代から続く因縁があり、房八の祖父は文五兵衛の兄・那古七郎が仕えていた主君・神余光弘を手違いで殺し、更に七郎も殺していた事が判明。これは文五兵衛が侍を辞めるきっかけとなった事件であり、この負債を孫の代になって命をかけて返すべく動いていたと語る。

信乃の破傷風の治療には男女の大量の生き血が必要であり、自分と沼藺の血を使って彼を治療する事、追手に自分の首を差し出して身代わりにするよう告げると、房八は息を引き取る。

嘆く小文吾だったが、房八と沼藺の犠牲により信乃は回復、追手に囚われていた文五兵衛は解放される事となる。更に死んでいた大八が蘇生し、生まれてから一度も開かなかった左手からは「仁」の珠、房八に蹴られた脇腹には牡丹の痣が浮き上がるのだった。


物語前半で犬士は一度離散するが、小文吾は武蔵国で悪女・船虫のせいで災難に見舞われる。

千葉家家老・馬加大記によって石浜城に幽閉された上に殺されかけるが、旦開野こと犬坂毛野に助けられ、毛野が男であると知らずに結婚の申し込みを受ける。

その後もたびたび船虫・毛野とは因縁を持つ。


派生作品編集

映画『里見八犬伝』編集

演:苅谷俊介

まつろわぬ異形の民が身をひそめる洞窟で生まれ育った、巨漢で怪力の犬士。同じく犬士である犬川荘助は、共に洞窟で生まれ育った仲間。

闇の軍団の黒騎馬衆に襲われて逃げ込んだ静姫と親兵衛を迎え、星の導きに感謝しつつ、先んじて保護していた道節らと共に仲間に加わった。

最終決戦では現八の犠牲の下、巨大な岩を押さえて一行を先に行かせようとするが、岩に押しつぶされそうになる所に荘助が助太刀。呪いか奇蹟か、二人の身体は石と化し、命をかけて先へ進む道を作った。


OVA『THE八犬伝編集

声:玄田哲章

『気の優しい力持ち。怒ると怖い。あと酒飲むと人変わる』

原作にのっとったストーリーのため、原作に一番近い性格になっているが、

「かつて『ケンカ犬』と呼ばれた荒くれ者で、自身の喧嘩に父親が巻き込まれて死亡。それ以来刀を封印し、人が変わったようにおとなしくなる」

という追加設定がなされた(『悌』の珠はその時彼が愛用していた徳利が割れて出てきている)。

デザインは普段は細目だが、本気で怒ると目が開き、誰も手が付けられないという設定になっている。

武器は設定初期及び第1話では薙刀だったが、のちに刀に変更されている。



関連タグ編集

南総里見八犬伝 里見八犬伝 八犬伝

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