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東方先代録

とうほうせんだいろく

東方先代録とは、東方Projectの二次創作小説である。
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概要編集

東方先代録とは、パイマン氏による東方Projectの二次創作小説である。小説家になろうの二次創作専門投稿サイトである「にじファン」で連載されていたが、にじファンのサービス終了が決定されたため移転。現在はpixivにて連載中である。


あらすじ編集

 主人公である先代巫女は、現実の世界から幻想郷への転生者である。前世において東方Projectのファンであった主人公は、原作に登場するキャラクターに会うたびに内心喜びつつも、決してミーハーな感情を表には出さない。かつては歴代最強の巫女と言われていたが、代替わりした現在は一線を退き、母として霊夢を静かに見守る日々を送っていた。そんなある日、遂に紅霧異変が起こる。


見所編集

 主人公の主観と周囲の認識とのギャップが激しく、誤解を招く様子が時にコミカルに描かれる。いわゆる「勘違いもの」である。だだし、主人公が修行の果てに獲得した実力は本物であるため、主に人格面について周囲が勘違いする様子が見られる。


主人公はMUGEN先代巫女のように肉弾戦闘を得意としており、その素手での格闘戦の描写は秀逸である。主人公が前世で好きだった「漫画のヒーロー達」への憧れと敬意が全編通して根底にあり、作品のテーマの一つとなっているとみられる。また、主人公と霊夢との母娘の絆も見所。


各章のあらすじ編集

(注)本編のネタバレを含みます。


紅魔郷編編集

 ある夏の日、不穏な妖霧が音も無く幻想郷を包み込んだ。

 この異常事態に対して、先代巫女は全く動じる様子も無く、ただ静かに、娘であり博麗の巫女の後継者である霊夢が異変を解決することを信じていた。

 それもそのはず、原作知識でこの異変のことを知っていたからである。

 しかし、彼女は忘れていた。

 異変の舞台となる紅魔館で、かつて現役だった自分が行った所業を――。

地霊殿編編集

 紅い霧の異変をきっかけに、幻想郷中へ本格的に普及し始めたスペルカード・ルール。

 先代巫女は八雲紫の使いとして、そのルールを地底にも普及する為の書状を持って、地底世界へと赴くこととなった。

 しかし、スペルカード・ルールが普及してない為に強烈な弱肉強食の理が横行する地底世界には、多くの出会いとトラブルが待ち構えていた――。

妖々夢編編集

 博麗霊夢は夢を見た。

 初めて『人間の死』というものを意識した時の、子供の頃の夢である。

 自分よりも先に死んでいく母親のことを想う、彼女が胸中に秘めた本音は如何なるものか。

 奇しくもその時と重なるように、二つの異変が霊夢の元へ舞い込んでくる。

 一つは、暦の上では春に入りながら、未だに終わる気配のない冬の季節。

 そしてもう一つは、突然知らされた凶報。

『先代巫女が亡くなった――』

過去編編集

 春雪異変後、平穏を取り戻した日々の中で次なる新聞のネタを探していた射命丸文は、あるきっかけから先代巫女の元へ訪れる。

 慇懃無礼な文の態度を全く気にしない先代巫女は、今日の予定に彼女の動向を許可する。

 先代巫女から向けられる好意を利用し、悪どくほくそ笑む文。

 しかし、文には自分自身さえ自覚出来ていない、先代巫女への複雑怪奇な思い入れがあるのだった。

 二人の関係は、先代巫女が博麗の巫女ですらなかった、幼少の頃まで遡る――。

永夜抄編編集

 地底世界での死闘によって再起不能となった両足の治療の為、先代巫女は行動を開始した。

 原作知識を頼りに、医療関連に定評のある八意永琳に会う為、未だ見ぬ永遠亭を目指して迷いの竹林へと足を踏み入れたのだ。

 初めて訪れるその場所で、先代巫女は藤原妹紅と邂逅する。

 死んでいく人間と永遠に生きる人間。

 二人の出会いは、蓬莱人の業と苦悩を浮き彫りにする――。

萃夢想編編集

 その夜、先代巫女の快気を祝って宴が催された。

 吸血鬼、魔女、亡霊、蓬莱人――本来ならば相反する、人とそれ以外の者達が博麗神社へ続々と集まっていく。

 満月の下、参加者達の様々な思惑を絡みながら、百鬼夜行さながらの宴会が始まったのだった。

 しかし、奇しくも時同じくして、地底より這い出てくるものがあった。

 伊吹萃香率いる百の鬼が、各々の欲望を満たすべく、地上へ現れ出ようとしていたのである。

 今宵、人妖入り混じった宴の最中、本物の百鬼夜行が幻想郷を襲う――。

花映塚編編集

 たった一夜にして幻想郷を揺るがした鬼の異変の後に訪れた春の季節。

 今度は幻想郷中の花という花が咲き乱れるという異常現象が発生する。

 しかし、博麗の巫女である霊夢は、この状況を『異変』と判断せず、傍観こそが正解であると見抜いていた。

 そうとは知らずに事態解決の為に行動を起こしたチルノと文は、元凶の存在しない異変の先で意外な人物と事実に遭遇する――。

風神録編編集

 その日、先代巫女は古明地さとりを伴って、博麗神社に向かっていた。

 月に一度の親子の団欒の日――しかし、博麗神社を突如不可解な地震が襲う。

 霊夢の目の前で自分を育んできた家は崩壊し、先代とさとりは外の世界へと飛ばされてしまった。

 幻想郷へと戻るべく外の世界を奔走する先代と、大切な物を奪われた喪失感と憎悪に苦しむ霊夢。

 世界の内と外で、二つの異変が巻き起こる――。


注意点編集

「最強オリ主」「オリ主愛され」「現実からの転生」「原作知識あり」「他作品の技を流用」「他作品の名台詞多用」などの、一般に地雷要素と呼ばれる成分を多々含む。ただし、しっかりとシナリオが組み立てられているため、安直な印象は受けない。少なくとも、地雷要素の多さから連想される類のお粗末な作品ではない。

 主人公の前世の知識の傾向が多分に男性的だが、男性から女性への「TS転生」ではない。前世の性別は明らかにされておらず、主人公自身、前世の性別を憶えていない。作中でも中性的な人格であるとされている。


ファンへの注意点編集

 本作は、娯楽性の高さやシナリオの出来の良さが読者に高く評価されている。

しかし二次創作を紹介する場合、人によって評価基準が違うことを念頭におかねばならない。

例えば、「原作の世界観を尊重すべきである。それが二次創作の本道である」という価値観を持って見れば、オリジナル主人公が活躍する二次創作は身勝手な改変と言える。

 つまり「原作の世界観を尊重しているか否か」という評価基準をもって東方先代録を判定するならば、オリジナル主人公やその他前述の「地雷要素」のために、非常に辛い評価を下されたり、論外と切り捨てられたりするのも妥当であるといえる。

 価値基準や好悪は人それぞれである。自分と違う価値観も尊重し、異なる評価基準の人間と口論にならないように気をつけたいところである。


外部リンク編集

小説家になろう

東方先代録 其の一「博麗の巫女」


関連タグ編集

東方Project関連編集

東方 東方Project

博麗の巫女 先代博麗の巫女(公式設定項) 先代巫女(二次創作項)

楽園の撲殺巫女

博麗霊夢

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