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姫ノ城桜子

ひめのじょうさくらこ

「スター☆トゥインクルプリキュア」の登場人物。
目次 [非表示]

CV:大地葉


概要編集

観星中2年生で、星奈ひかるとクラスメイトのお嬢様。

ひかるに「姫ノ城さん」と呼ばれていることから、そこまで親しい間柄ではない模様。


それなりの名家の出身らしく、本人曰く「姫ノ城家二十一代目当主」との事。

いかにもお嬢様らしい金髪縦ロールの髪型で、自意識過剰な性格。生徒会役員も務めている。

生徒会長である香久矢まどかを一方的にライバル視しており、いつか自分がまどか以上に学校でのカリスマとしてチヤホヤされることを夢見ている。

本人が自称する二つ名は観星中の金星。ただし、太陽と月とは違ってそう呼んでくれる生徒はほぼいない様子。


学内での人気取りを気にしていることもあってか、観星中やその生徒達に関する細かな情報を熟知している。本人が自分の知っていることをひけらかしたがる性格なことも相まって、学校とその生徒に関する情報を色々と解説してくれるキャラとして作中では扱われている。

本編が基本的に宇宙や宇宙人との交流がメインになっている関係上、学校関係者がモブ同然の扱いになっている中で彼女は出番が比較的多く目に付く。


人物像としては名誉欲と承認欲求の塊であることは間違いなく、お嬢様らしく派手好きで見栄っ張りなため一般生徒から白眼視されることも多いのだが、「皆から頼られ賞賛を受けるためには、皆のためになることを為さなくてはならない」という本質を理解している人物でもあり、自分なりに学校の様々な問題と真剣に向き合っている

彼女の考えることは常に「みんなの利益」と「自分の承認欲求」を同時に満たせるものであり一般生徒のための義務みたいな考え方は薄い。だがそれゆえに強いモチベーションで生徒会に参加できている。実際、作中では生徒会のメンバーのほとんどがまどかに依存していることが目に見えてわかる中で、自分で生徒会を運営しようと意識しているのは桜子だけ。

また、まどかは実家の教えの影響もあって「上に立つものは一般生徒が求めていることに気づいて当然」という理念があり、しかもそれを実践できていたため、まどかが会長である時代は生徒たちは自ら何かを要求することさえなかった(まどかが勝手に解決してくれるから)。しかし桜子は自分が生徒会長に選ばれたらそういうまどかのやり方を踏襲するつもりはなく、一般生徒と同じ目線での交流を積極的に行うことで、みんなが本当に求めているものを汲み取ろうと考えており(目立ちたがり屋の気質もあってのことだが)、このことからまどかとは違う形で有能である事が窺える。


本編での活躍編集

  • 第4話

初登場。1学期開始近くのある日。ひかるのクラスでは、国語の授業を行っていた。

興味深そうに授業の様子を覗くララとプルンスは、偶然にも彼女に目撃されてしまった。

ララ達は慌てて逃げ去ったものの彼女は「いやいや…えっ?!今、誰かいましたわよね!?」と狼狽するも、さすがはお嬢様。それ以上はしたなく騒ぎ立てるような真似はしなかったため大騒動だけは免れた。

コンタクトは始まった!


  • 第5話

香久矢まどかのプロフィールを(テレビの前のお友達向けに)説明し、ララに「誰ルン?この説明的なセリフは」とツッコまれる。

そのツッコミに反応してまだ部外者だったララを見る。だが授業の一件を覚えており、ララを疑う。だがまどかの視線を誤認(?)した事もあり話が逸れ、それ以上の追究は免れた。

(;゙・3・)( ¬ υ ¬ )


上述した通り、生徒会長であるまどかを超えるべき相手と見なして、秘かに対抗心を燃やしており、たまたままどかがこちらを見ただけなのに、「わたくしをじっと見て意識している!ホホホッ、英雄は英雄を知るという事かしら!」と勝手にご満悦になっていた。

その後の生徒会の会合では、皆に讃えられて拍手を浴びるまどかに、露骨に嫉妬した顔をしながら、嫌々拍手を送っていた。


  • 第9話

取り巻きに囲まれて車で帰宅するまどかを、彼女は嫉妬心たっぷりに見る(それも双眼鏡で目にアザまでつけて…)。そして生徒会の会合で不覚にも居眠りをしたまどかを見て、彼女は勝利(?)を確信する。だが一計を案じたひかるによって一方的にまどかは連れ去られたが、取り巻きやお抱え運転手を煙に巻く姿に「まどかに取り入って生徒会長を狙う気⁈」とアザだらけの顔で誤解。

商店街にて、気分転換の寄り道を満喫する面々。そこでも忍者ばりに偵察をするも、またしても「スタードーナツで買収する気⁈」と誤解。しかし、それを更に卑しい目で彼女を見る者が…。

何らかの形により彼女はアイワーンダークペンの餌食(描写はないが、おそらく後の那須ゆみか同様に心の隙を突かれた可能性が高い)にされ、絹を裂く悲鳴を聞いたプリキュア達の前にノットリガーとして立ちはだかる。が、素性を知った面々が聞いたのは「どうせ私は生徒会長にはなれない。努力したって無駄なんですわ…」という焦りが強い本音だった。

苦戦の末にやぎ座のプリンセスのスターカラーペンの奪回を含め無事に救出されるも、自分に何が起こったかの記憶は残っていなかった。

刃の心


  • 第13話

ララが転校生として自分たちのクラスにやってきた。生徒会役員らしく「分からないことは何でも聞くように」とあいさつするが、サマーンの文化に則りAIかと思われてしまう。ひかるの「AIみたいに何でも知ってる」というフォローに対し満更でもなさそうに去っていった。

昼休みにはフワがお腹をすかせたため慌てて廊下を走る2人を咎め、特に日本のルールに疎いララにはきつく注意する。

結果としてプリキュアの秘密に1日で2回ニアミスを果たした。


  • 第16話

冒頭でまどかが出場する弓道王選手権について熱く解説するシーンが挿入される。演出上では視聴者に向けての解説だが、作中ではモブの男子生徒に対してドヤ顏で一方的にまくし立てていたため、その男子生徒からはドン引きされていた。

その後はもしもまどかが弓道大会で優勝できなくて人気に陰りがあれば自分にチャンスがあるという本音を独り言として口に出して解説しながら妄想にふけっていたが、次の時間が体育だったのでいつの間にか教室には誰もいなくてその本音は聞かれていなかったようだ。(代わりに遅刻しそうになったようだが)

弓道大会の会場でもひかる達の応援席の横にいつの間にか現れ、弓道に関するトリビアをことあるごとに解説していた。ひかる達は若干引き気味だったが、メタ的な視点で言えばTVの前の小さいお友達にも非常にわかりやすい的確な解説であったことは付記しておく。


  • 第25話

夏祭りにひかるたちと遭遇。同年代の見かけない顔にもかかわらずえれなやまどかにくっついてるユニを一方的に敵視。ユニもまさか正体がバレたのかと勝手に勘違いし、無言で睨み合った。


  • 第33話

生徒会メンバーが備品の片付けをする中、まどかを探していたフワが勝手にやってくる。

演劇部の衣装を被ってたため運良くみつからなかったがまどかはびっくりして「フワ!?」と叫んでしまう。それを聞いた桜子が「フワ? フワって誰ですの?」と怪訝顔。テンパったまどかは「ああ〜 フワ山さんはこちらへ〜」と衣装を被ったままのフワを物陰へと連れて行った。さすがにこれには桜子も「いや、フワ山というのも誰…?」と余計に不信を感じてしまった。


  • 第35話

キラやば選挙バトル☆

終盤に差し掛かりつつあるタイミングでまさかの主役回。生徒会選挙を舞台にひかると桜子の交流が描かれた。


まどかが卒表するにあたって次期会長を誰にするかと言う話題が持ち上がり、まどかは生徒会メンバーに「誰か会長をやりたいと思う人は申し出て欲しい」と投げかける。生徒会のみんなは超人的だったまどかの後釜には力不足と尻込みするが、桜子だけはやる気満々だった。しかし、自分から会長をやりたいとがっつくような姿を見せるよりも、会長になる気のない他のメンバーたちが自分を推薦するような流れを作った方が格好いいだろうとタイミングを見計らっているうちに、その日の会議は閉会してこの議題は次への持ち越しに。(この時に桜子が素直に会長をやりたいと言っていればこの後の混乱はなかったのだが……)

そして次回の会議の際、まどかはなんと「星奈ひかるを次の会長に推薦したい」として生徒会に連れてきた。ひかるの常人にはない発想力なら学校に新たな風を吹かせてくれると真面目に考えた結果なのだが、流石にこれには桜子が猛反対。建前上は「生徒会のことを何も知らない素人を会長になんかできない」として、生徒会選挙を開きひかるが会長に相応しいかを一般生徒たちに決めさせようということになった。そしてひかるの推薦に反対した桜子は責任をとる形で対立候補として立候補することに。メンツを気にしすぎてかなり回りくどくなってしまったが、桜子が次期会長になる道が首の皮一枚で繋がった形だ。


選挙戦の際、桜子はいつも以上にハッスルし、「風紀を引き締めるために規則を厳しくする」「『桜子の部屋』を開設してお茶会を行う」「姫ノ城桜子による姫ノ城桜子のための姫ノ城桜子の生徒会」など独善的としか思えない公約を堂々と掲げる。おかげで生徒たちはドン引き。やはり目立ちたいだけのワガママお嬢様だったかと呆れられてしまう。

一方のひかるは最初の頃こそ空想めいたことばかり言う変人と奇矯な目で見られていたものの、自分が生徒会のことを何も知らない素人であることを痛感してからは、そのことを隠さずに周囲に表明し、だからこそまどかのような生徒会長になれるように頑張ると宣言。それから「まどかのように」学校での様々なことに気を使う生活を送るようになり、ひかるの人気は急速に高まっていく。だがそれはひかるの心を少しずつ疲弊させていた。

選挙戦も終盤の頃、カルノリが逆張りするように劣勢の桜子を応援することにしたとひかるに言ってきた。「あんな人気の取れない公約を堂々と掲げるのなんてみんなが想像してないような意味があるのだろう。その理由を知りたいと思わせる面白さがある」と言う彼の言葉に、ひかるも自分とは趣味も嗜好も価値観も違いすぎるために大した興味も持っていなかった桜子のことを知りたいと思うようになる。


その頃、桜子はこの選挙戦で自分の目立ちたがりな性格や態度が一般生徒からかなりウザがられていることを身を以て知ってしまい、精神的にはかなり限界に来ていた。

そしていつものように校舎内の見回りをし、インフラが老朽化してたりと危険なところをチェックしてたとき、生徒たちが「ひかるは最近頑張ってまどかさんみたいになろうとしている、次の会長に相応しいかも」と雑談しているのを耳にする。桜子にとってひかるが頑張ってるようなレベルのことは生徒会長を目指すなら誰でも当たり前にやるべきこと。そう、今自分がやっているように。結局、ひかるは必死に頑張ってもまどかの劣化コピーにしかなれない素人なのだ。

桜子はまどかのような会長になりたいとは一切思っていなかった。これはまどかとは違う人間を次の会長に選ぶ選挙なのだから。だけど投票権を持つ生徒たちはまどかの真似事をするひかるに「変人だったあの子が常識を知って大人になってくれた」みたいに親近感を感じている。

(ちなみにまどかはこの時点で、ひかるが無理して自分の真似をしているのに心を痛めており、自分がひかるを会長に推薦したのはひかるのためにならないことだったと後悔していたが、まどかさんのために頑張ると言うひかるに今更何も言えず傍観するしかない立場だった)


「どうして、あなたが……」と呟きながら壁に貼られたひかるのポスターを凝視する桜子。その角が剥がれかけているのを見つけ、それに手をやろうとしたさい、彼女の中に芽生えていた「歪んだイマジネーション」に目をつけたカッパードによって武器化されてしまう。


そのちょっと前のタイミング。桜子に対して何を考えているかストレートに聞こうと彼女のことを探していたひかるは、校庭の中庭でたまたま彼女が落としていたメモ帳を見つける。そこには桜子が会長になった時にやりたいプランのアイデアがびっしり書かれており、桜子がかなり真面目に学校を良くしようと考えていることと、お茶会などの突飛に思える公約も生徒たちと同じ目線で交流したいからと言うことが明らかになる(風紀の規制を厳しくするというのもまどかという超人が目を見張らせていたからルールなどなくてもやっていけたことについて明文化させようという意義があったと思われる)。このメモに書かれていたことは普段の桜子のイメージからはあまり想像つかないような堅実で現実的なものばかりで、結局は桜子は生来の派手好きで目立ちたがり屋の気質のせいで、こういうことをうまく言葉で伝えることができないだけだったのである。


そんなひかるたちの前に桜子の歪んだイマジネーションを武器にしたカッパードが襲来し、プリキュアに変身した彼女たちとの戦闘が始まる。カッパードは桜子がひかるのポスターを破ろうとしていたとして、こいつのお前への憎しみは大したものだと言いつつ猛攻。実際に桜子の「歪んだイマジネーション」は凄まじい力でキュアスターを圧倒するが、メモを見ていたスターは桜子はそんな小さな人間じゃない、私はもっとあのひとのことを知りたいとカッパードの言葉を真っ向から否定。

未知なるものに対するまっさらの好奇心ではなく、ありふれた既知なるものを再度見つめ直したいという好奇心。その思いはひかるにトゥインクルイマジネーションの片鱗を芽生えさせ、その輝きにカッパードがひるんだことで逆転勝利する。


解放された桜子は、倒れた時と同じくひかるのポスターの前で目を覚ます。その角が剥がれかけているのを見つけ、それに手をやり貼り直した。そこにひかるがやってきてメモ帳を返す。中身を見られたことに赤面するも、実際にやりたいアイデアを隠しても仕方ないということもあって何も言わなかった。

そして数日後、選挙の際に候補者が自分の抱負を語ることになり、ひかるはなんと桜子が何を考えて何をやろうとしているかを親切丁寧にわかりやすく伝えるという応援演説をしてしまう。桜子本人もパニックになるが、ひかるの言っていることは本当の思いなので何もいうことができなかった。

これが功をなして桜子の公約の意味や会長としての意気込みがちゃんと生徒たちにも伝わったようで、選挙結果としては桜子が勝利。

その後、生徒会室にて、まどかから「これから、教えることは沢山あります。よろしく頼みます、姫ノ城生徒会長。」と激励と一冊の青い本(内容は不明だが、歴代会長が引き継いできたものだろう。)を受けとり、「はい。」と答えるも、周りの役員たちに拍手で祝福されたこともあり、感極まって泣いてしまう桜子。そんな桜子の肩をまどかは優しく抱きしめた。

放課後、おめでとうと言いにきたひかるに、桜子は勝ちは勝ちだから文句は言わせないと勝気の態度は崩さず、これからは「観星中の金星」である自分の時代だと高らかに宣言。彼女の自称する二つ名を初めて知ったひかるは、私だったら何になるのかなと呟くと、桜子は「そうね……あなたは観星中の銀河におなりなさい」と告げる。太陽や月どころではないスケールにひかるは目をキラキラさせるが、そんな様子を桜子は愉快そうに見つめながら別れを告げた。


  • 第37話

商店街の仮装コンテストにクラスみんなで出場すると聞くや、次期生徒会長が在籍するクラスとして恥をかかぬよう全力でやるよう激励。

また自らもモスマンの仮装をノリノリで披露する。


現場にはところ天の助のような姿をとったプルンスとその飼い犬に扮したフワがひかると馴染んでいるのに対し「誰ですの?」と終始訝しみつつも追及はしなかった。


プリキュアたちが人目の多い商店街で戦闘するのに対し、自分の姿を隠すために観星町商店街を守るために流れ星にやってきたローカルヒーローミホッシースターズを名乗ってヒーローショーに見せかける作戦をとっていた。功をなして誰もまさかこの場所の本当の敵性宇宙人がいたとは気づきもしなかったが、桜子はミホッシースターズの設定に関して「わざわざ宇宙からきて商店街だけって…守る範囲狭すぎですわ」とツッコミを入れていた。うん、まあでも、それはローカルヒーロー全体をディスってることになりかねないのでに突っ込んじゃないけないとこなんだ…



  • 第40話

前話で起こった学校での戦闘で、その現場にララがプルンスやフワとともにいるのが近隣住人に目撃され、しかも写真まで撮られていた。

だがその情報は内閣府宇宙特別開発調査局によって厳密な管理下に置かれる。

そして、局長の香久矢冬貴はララの尻尾を完全に掴むために、罠をかけることにした。


ある日の放課後、下校中に桜子の元に冬貴がやってくる。「君は、羽衣ララ君と一緒のクラスだね?」 そして彼は、自分が持っていた例の写真を提示し…


翌日、2年3組のクラスメイト達が妙にララに対してよそよそしくなった。体育の授業でも掃除の時間でも、みんなララから目を逸らし近づこうともしない。いたたまれなくなったララがゴミを捨てにいっている間に、一体どういう事なのかとひかるが問い質すと、桜子が泣きそうな表情で重い口を開いた。


「最近起きた、特別講師のジョー先生が消えたり、巨人が出たっていう噂に、羽衣さんが関係なさっているかもって…旧生徒会長のお父様が…」

「それに聞かれましたわ。何か変わったことがないかと。それで思い出しましたの… 以前、意識を失って、目が覚めると羽衣さんと星奈さんたちがいらしたわ!」

「おっしゃってましたわ! 世界中で宇宙人によって連れ去られた人々が記憶を奪われているって! アブダクションっていうのでしょう!? 宇宙人が地球人を連れ去って人体実験をするっていう!」

「私たちの周りに異変が起きたのは羽衣さんが現れてからですわ! 本当に羽衣さんは宇宙人なのではなくて!?」

「星奈さん、本当に心当たりない?」


最初は重い口調だったが、桜子は次第に冷静さを失いながら早口でまくし立てていく。

自分で口にしてく中で恐怖が増幅され、疑念が止まらなくなったのだ。

桜子は1人でこんな気持ちを抱えるわけにいかなく、だからクラスメイトと共有するしかなかったのだ。生徒会長として危機を伝える必要があるかもしれなかったからでもある。

そして桜子の恐怖と不信は今やクラスメイト全員に伝染している。

それでも、桜子やクラスメイトの間ではララを信じたいという気持ちはあって、だから学校でおかしな事件が頻発していることや、自分たちが一時的に記憶を失っていることの詳細は、冬貴に伝えなかった。ララは友達だから信じたい。ララが宇宙人なんかではないと信じたい。

だから、桜子は、ひかるにそれを否定して欲しかった。でも…


ひかるは何も反論できない。何かを言えばララが宇宙人であるということを認めてしまう。「ララは宇宙人だけど悪いことはしていない」なんて言い方は、今のみんなには通用しないだろう。


何か知ってそうなのは明確なのに口ごもるひかるに、桜子はイラつく。そしてその勢いでララに対する不信はひかるに対しても広まった。


「…あなた、羽衣さんに操られているのではなくて!?」


ひかるはもう「あちら側」かもしれない。そして自分も同じように洗脳されてしまうのかも。いや、ララを友人だと思いたがってる気持ちが少なからず「ある」時点で、すでに洗脳されているのかも知れない… 桜子の不安はとどまることを知らずに上昇していくが、ゴミを捨てにいったララが帰ってきて廊下にいた時にちょうどその会話が聞こえてしまっていた。悲しみに沈みそのまま逃げ出すララ。ひかるは流石に怒りを抑えきれず、「ララがそんなことするわけないじゃん!」と怒鳴りつけてララを追っていった。


そう、これこそが冬貴がかけた罠。ララを孤立させ、疑いを持つ周囲の目を監視役とすること。これでララは地球人の社会に溶け込むことはできなくなり、ちょっとでもおかしな様子を見せれば桜子を通じてすぐに自分の元に連絡がくるだろう。ララの尻尾を掴むのも時間の問題だ。

冬貴は桜子には何も嘘はついていない。ただ真実の一部を切り取り全体は提示せず、ララとは関係がない一般論を述べただけ。桜子は冬貴の策略に見事に乗せられてしまったのだ。


残されたクラスメイトたちは、自分たちがひどいことをしでかしたと罪悪感に苛まれる。だけどそれで疑念や不安が晴れたわけではない。

その歪んだイマジネーションに目をつけたカッパードが、堂々と学校に侵略してくる。冬貴がかけた罠を逆に利用してやろうと考えたのだ。

クラスメイトたちがララをまだ信じたいとわずかながらに思っているのは「宇宙人なんて本当にいるのかわからない」からだ。だからこいつらに「悪い宇宙人」が実在することを今ここで見せてやれば、ララへの疑念は決定的になる。そうすれば「違う星のもの同士でも分かり合える」と生ぬるい幻想を信じているひかるに現実を見せつけ鼻を明かしてやることができる。カッパードは暗い笑みを浮かべた。


カッパードに襲われパニックに陥るクラスメイトたちを助けるため、ララは皆の前に再び現れ、プリキュアへ変身しようとする。その覚悟にひかる、そして駆けつけてきたえれなとまどかもまた、正体バレを受け入れてプリキュアへと変身した。

状況が理解できず怯えるクラスメイトたちを守るため自ら盾となるキュアミルキー。「わからんな、なぜお前が地球人を守る?」と問うと、ミルキーは「確かにわたしはサマーン星人ルン…でもわたしは……わたしは2年3組・羽衣ララルン!」と返す。「意味がわからんな。」と一蹴してクラスメイトたちの歪んだイマジネーションを改めていただこうとするカッパードだが、ミルキーのその真摯な言葉は、桜子をはじめとするクラスメイトたちに忘れていたことを思い出させた。「負けてはならくてよ!」という桜子の言葉を筆頭に、みんなミルキーを応援しだす。そして皆の中にあった歪んだイマジネーションは消えていた。


カッパードは代わりの獲物を探そうと周囲を見渡すと、学校にUFOが降り立ってきたという目撃情報から駆けつけてきた冬貴を見つけ、ララを罠にかけようとしたその歪んだイマジネーションを吸い取り、自らの武器とする。その力で用済みとなったクラスメイトをもろともに始末しようとするが、ミルキーがトゥインクルイマジネーションを覚醒させ広域バリアを発生。クラスメイトたちには傷一つつけることを許さなかった。

そのままプリキュアたちの逆転のターンとなり、カッパードは撤退される。

冬貴も元に戻り、中庭で意識を取り戻す。ララを含めてクラスメイトたちが見守る中、冬貴は自分の記憶が一部抜けていることに気づき即座に何かを察知してララを詰問しようとするが、桜子が立ちふさがり、

「羽衣さんは…… 異星人などではありませんわ! わたくしたちのクラスメイトです!」

と険しい表情で臆せず冬貴へ返した。

クラスメイトたちもそれに呼応してララは自分たちの友達だと大合唱。これは手を出すなら許さないという、大人たちへの挑戦。

ララを孤立させる計画が瓦解したことに気づいた冬貴は、それ以上は何も言わないまま手を引くことになった。


そして改めてララに謝罪しようとするクラスメイトたちだったが、ララは「もういいルン」としてセンサータッチでサマーン流の挨拶で「初めまして」を改めて行うのであった。

2年3組の宇宙人☆


  • 第41話

まどかの正式な生徒会長引退式が行われ、ステージで生徒たちの前で今までの謝意を語ったまどかに、引き継ぎとなる桜子から花束が贈られる。

その時に「プリキュアにはなれませんが、学校の平和はこの観星中の金星、姫ノ城桜子が守りましてよ!」と自信たっぷりに耳打ち。まどかは相変わらずの桜子の様子に安心し、よろしくお願いしますと礼をし、桜子もさっきのドヤ顔とは一転し「今までありがとうございました」と顔を下げて礼をする。そして顔を上げた桜子は、涙でぐちゃぐちゃになりながらも笑顔だった。


まどかはさっきと違って驚愕の表情を隠せなかった。

もしかすると、まどかは最後まで桜子という人間のことを本当の意味ではわかっていなかったのかも知れない。

そして、桜子が拍手をすると同時に、生徒たちもまどかに対して感謝の拍手を送った。

まどかも桜子と同じように、涙でぐちゃぐちゃになりながらも笑顔だった。


演者について編集

演じる大地葉は、プリキュアシリーズ初出演。

最終話ではプルンスの仲間であるプルンシーも演じた。

完結後に発売されたオフィシャルコンプリートブックに於いて、放送中ではCVが不明だったうお座のプリンセスも兼任していた事が明かされている。


関連タグ編集

スター☆トゥインクルプリキュア 観星中学校

勝木かな:プリキュア由来の存在を目撃してしまった一般人の女生徒繋がり。宇宙人に対してこちらは魔法使い。

五星麗奈お嬢様キュアメンバーを一方的にライバル視するお嬢様キャラな一般人。

一条蘭世前作メンバーに激しく対抗心を燃やす高飛車なライバルキャラの一般人。口調と笑い方、名前に植物の名前が入っており(「蘭」世、「桜」子)、本編で二度も敵の標的にされた点が共通している。

玉木麗香同時間に放送されていたアニメメンバーをライバル視するお嬢様。髪型と最終的に仲良くなる点が共通している。

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