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ヒパクロサウルス

ひぱくろさうるす

白亜紀後期の北米大陸に生息した鳥脚類である。
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発見と命名編集

1910年、アメリカ自然史博物館のバーナム・ブラウンがカナダ・アルバータ州のレッドディア川沿いのホースシュー・キャニオン累層からいくつかの椎骨と部分的な骨盤などを発見し、1913年にサウロロフスに似た新種の恐竜として「ヒパクロサウルス・アルティスピヌス」と命名した。その後アメリカ・モンタナ州でも化石が見つかり、1994年にH.ステビンゲリが記載された。現在までに保存状態の良い化石が数体見つかっているだけでなく、卵や年齢の異なる幼体の化石が何体も発見されている。

名前は「最高に近い爬虫類」を意味するが、これは彼らが後脚で立ち上がった時の体高(背の高さ)がティラノサウルスとほぼ同じだったことに因んでいる。


特徴編集

ランベオサウルス亜科の鳥脚類であるヒパクロサウルスは、近縁種のコリトサウルスに非常によく似ていた。だがヒパクロサウルスの方がトサカが頂点に向かってより尖っており、高くなく横方向に広く、後部に骨質の小さな突起があった。このトサカは近縁種と同様、個体識別や鳴き声をあげるための共鳴室になっていた可能性が高い。

全長は9.1メートルで、体重は4トン程だったと考えられている。

ヒパクロサウルスの成長編集

H.ステビンゲリは18.5~20センチのほぼ球形の卵を産んでおり、孵化した時の幼体は全長1.7メートルほどであった。胚や幼若な幼体の頭骨は後にトサカを形成するわずかな骨の膨らみがあった。骨の成長線の量を調べたところ、年毎の成長はワニよりも早く、ダチョウなどの走鳥類に匹敵するほどであった。

2008年の研究によると、H.ステビンゲリは2~3歳で性的に成熟し、10~12歳で最大サイズに達したらしい。これはアルバートサウルスやティラノサウルスなどの成長スピードの約5倍に達する値だった。ヒパクロサウルスは急速に成長することで、天敵であるティラノサウルス類に対抗していたのだろう。


生態編集

ヒパクロサウルスの歯は他のカモノハシ竜と同様にデンタルバッテリー構造となっており、植物をしっかりすり潰して食べることができたと思われる。また、後脚で立ち上がって4メートル程度の高さの植物を食べることもできた可能性が高い。

化石から集団で暮らし、ある程度の子育てをしていた可能性が示唆されている。天敵はやはりティラノサウルス類だったと思われる。その証拠に、ティラノサウルスの歯が食い込んだヒパクロサウルスの化石が見つかっている。


関連タグ編集

鳥脚類 ランベオサウルス コリトサウルス

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