デデデ陛下
でででへいか
ワシは独裁者ぞい ドゥワハハハハ
ゲーム本編のデデデ大王については、『デデデ大王』の記事を参照。
CV:緒方賢一
だが、アニメ内でこの呼び方を使うのは極一部(エスカルゴン、ワドルドゥ、等)であり、基本的には「陛下」と呼ばれるか、あるいは呼び捨てにされるかのどちらかである。
ゲーム作品の彼が『カービィ』という作品におけるヴィラン枠でありながら、自分勝手でわがままな性格という設定がありながらもなんだかんだで頼りになる兄貴分なキャラでもあるのに対し、本作ではゲーム版が優しく見える位にかなり意地悪で自分勝手すぎるわがままな性格をしていることから、一部のカービィユーザーから(上記のように作中の一部人物からも実際に呼ばれていることもあり)ゲーム版と区別する意味でこう呼ばれるようになった。
なお、「陛下」という単語は皇帝や天皇など、天子の諱を口に出さずに呼びかける為に使用するものであり、仮にも王を名乗るデデデに対して「デデデ(諱)」+「陛下」と呼びかけるのは本来の使い方からして非常に間違っており、「極刑ゾイ!」と言われても仕方ないといえるほどの狼藉であるが…まあ、アニメ版のデデデに対する敬意のかけらもない扱い方からしてこの呼び名もやむなしである。
アニメ初期〜中期はカービィやエスカルゴン同様CGで描かれる事が多かったが、後期は手描きのみに変わって行った。
一人称は『星のカービィ 夢の泉の物語』の説明書同様「ワシ」で、語尾に「ぞい」(ニコニコ動画など、ネット上では「ZOY」とも表記される)と付ける。
プププランドを治める独裁者であり、民主主義を真っ向から弾圧しようとしたり、自らが悪党であることを誇りに思っている。
一方で、自称悪党の割に自身の行いが悪いことを自覚していなかったり、村人達とアニメを制作した際には自分のキャラクターを「格好良く描写したい」という理由で正義の味方に配役するといった一面も見せており、本質的には「善悪」よりも「格好良さ」を意識しているとも考えられる。
しかし、実際に悪政を敷いている訳ではない。というか、作中では主だった政治活動をしている描写さえ殆どない。住民達も気ままに暮らしていため、独裁者というのはあくまで自称に過ぎない。
一応権力や金に物を言わせた横暴をすることもあるが、しょうもない事で留置所に一晩ブチ込まれたりするなど、いまいち権力者らしくない。
数々の迷言の持ち主であり、ただでさえかなりカオス度の高いアニメ本編の内容をさらにカオスにしている。
幼い頃のトラウマ(詳細は語られていないので不明)が原因で、集中力が散漫になっているらしく、それが原因で知能が非常に低い。
その知能の低さは、単純な足し算や図形の当てはめが解けなかったり、恐竜研究にハマるも絵本限定だったり、魔獣の代金が1億デデンから2億デデンに値上げされてるのに「安い」と発言したり、魔獣のカタログの番号を間違えたり、文字を読めなかったりするなど。
ただし、大人でも知らないような難しい言葉を知っていたり(本当に意味を理解して言っているのかどうかも疑わしいが)、虚偽報道によってカービィを悪者に仕立て上げたり、ホーリーナイトメア社のテレビ放送を電波ジャックして映画を視聴するなどの狡猾さもあるため、単に得意不得意が激しいだけなのかもしれない。(電波ジャックの行為に対してエスカルゴンは「そりゃ犯罪でゲしょうが」とツッコむも後述する迷言を即答している)
また、身の回りのことを家来のワドルディ達に依存しており、彼らが居ないと食事すらまともに摂れなくなってしまう。嘘か真か、おむつの取り換えすらも彼らにやってもらっているとか。
そんなデデデ陛下は、ププビレッジの住人の多くからは一応「陛下」と敬称で呼ばれてはいるものの、初期の話以外は人望は殆ど無いに等しく、直接の部下であるエスカルゴンや、城の用心棒として雇っているメタナイト一門、キャピィ達からもバカにされることが多い。
カービィを倒そうと常に悪巧みをして騒動を起こすのが毎回のパターンだが、フームをはじめとしたカービィの理解者・協力者達の助け舟や、カービィ自身の潜在能力の高さによって計画自体はいつも失敗に終わり、それどころか自身のバカさとフリーダムさから本末転倒な行動を取って自分に災いが返ってきたりと、ちょっと憎めない一面もある。
基本的にはホーリーナイトメア社から魔獣を買って騒動を引き起こすことが多いが、その傍若無人かつフリーダムな態度はホーリーナイトメア社へも容赦なく向けられており、カスタマーサービスをかなり困らせている。
時折ホーリーナイトメア社から手痛い目に遭わされはするが、全体的には同社にとっては格好のカモ……もとい上客として(同社が最も脅威と見做しているカービィに近い顧客という事情も含まれている)、下記のような膨大なツケを許される(強制的な取り立てや、魔獣販売の差止めなどを行うこともあったが)など厚遇されていたが、それでも非常に困った客でもあったようだ。
幾度となく高い金を支払って魔獣を買っていたので、いつしかツケ(借金)が117京441兆2426億1370万8686デデンにまで膨れ上がってしまったことがあり、「創作物史上最も借金の額がデカいキャラ」とも言われた(参考として通貨の違いから単純比較は出来ないが、そこまでレートの差が無そうなので、次点と思われる某警察官の借金は1663兆2928億5903万8850円であり約177京以上もの大差を付けている)。最終的には、債権者を倒すことでこれを踏み倒してしまった。
基本的にカービィを敵視し、事ある毎に魔獣をけしかけたり、悪巧みで陥れたりするいじめっ子といじめられっ子のような関係であるが、心の奥底ではカービィに対して一定の親近感や仲良くしたいという想いはあり、たまにではあるが優しい面も見せる。
だが、何分普段の行いが災いしてフームをはじめ周囲の人物からは「何か裏があるのでは?」と疑われたり、結果として自身の不幸に繋がってしまう等、いまいち善行が報われないジンクスがある。とは言え、デデデが本当にシロの場合は周りから味方してもらえることもある。
根は悪い人物ではない所はゲーム版の彼に似ている。
カービィの家はデデデ城があるマウントデデデ(デデデ山とも。ゲーム版ほど険しくなく、せいぜい小高い丘程度)の麓にあり、位置的にはププビレッジよりも近い。そのためカービィとはご近所の住人、(トッコリの巣をカービィの家の一部と解釈した場合は)カービィとはお隣さん同士なのである。
- 環境破壊は気持ちいいぞい!
- ウィスピーウッズは消えたが、タイガー・ウッズはここにおる!
- テレビのお陰で意味無いけど健全な娯楽を! 嘘だけど迅速なる報道を! 無駄だけど楽しいCMを!どれでもタダで楽しめるぞい!
- 歴史はスタジオで作られる~!
- 死んでも合わせるのが声優ぞい!
- 大王像が大往生(激寒)
- 人が苦しむのを見るのは実に楽しいもんぞい!
- 他人の不幸こそ最高の娯楽ぞい!
- 今日より、書かず読まず持ち込まずの「非書く三原則」ぞい!
- 黙れ!我が国はあくまで独裁国、悪の枢軸ぞ~い!!
- 何をやっても許されるのが特権階級ぞい!
- 国家ぐるみの場合は犯罪にならんぞい!
- 殻といえば…お前のそれも殻かぞ〜い!!(カラカ=ゾーイ)
- お前はカタツムリと偽り、実は愉快なサザエさんだったかぞい!?
上記の発言はまだ氷山の一角に過ぎず、他にも多くの迷言が存在する。
(あまりに膨大で記事の肥大化に繋がる為、迷言一覧の作成、追記はしないよう)
ゲーム版のデデデは、初期のシリーズにおいて“国中の食べ物や秘宝を奪う”とか“夜空から星々を盗み出す”といった事件を起こす一方で、“悪夢を封じ込めようと人々が夢を見られなくなるのを承知で夢の泉からスターロッドを取る”、“(最初は協力する気も無かったが)困った異星人を助けるためにカービィ達に協力する”など、トラブルメーカーながらも悪意はなく、基本的には善良で時に頼もしいキャラクターなのだったが、アニメ版のデデデはほぼ全編通してとにかく他者の迷惑も顧みず自分の欲望と快楽だけを優先し、それでひどい目にあっても一切反省せず悪事を繰り返す本物の悪党として描かれたことに、当時の一部の(特にアニメ放送開始の1年前に発売された『星のカービィ64』の味方となったデデデの姿に惚れた)カービィファンは衝撃を受けた(尤も、デデデの「仲間思いの正義漢」としての面が強調されるようになったのはアニメ終了後の熊崎カービィ以降の作品であり、90年代のデデデは悪役としての登場が多めだった)。
2000年代のアニメ雑誌によると「アニメ化する際の進行の都合上、どうしても悪役が必要で、その適任者がデデデ大王だった」とのことである。
2001年の段階でカービィに敵対しているゲーム原作の大ボスキャラはデデデの他にメタナイトとダークマターがいるが、キャラ的にメタナイトはライバル枠にはできても所謂タイムボカンの三悪のようなトラブルメイカー的キャラは難しく、ダークマターは洗脳や闇などシリアスになるのが避けられず適任にデデデしかいなかったのである。
しかしゲーム作品のデデデは自ら悪役を演じた「夢の泉」を除けば「国中の食べ物を奪う」「星を奪う」といった悪役としての悪事はそう大規模のものでもなければ決まった目的もないので、他任天堂作品のクッパやガノンドロフ等に比較しても悪役感は薄い。
かといって原作のダークマターやアニメ以降の作品のように洗脳を再現すると黒幕に操られて仲間であるカービィと無理矢理戦わされてしまうという暗い展開になってしまう。
このようにゲーム原作そのままの性格や境遇で扱うには難しく何かしらの性格改変が必要だった。
結果的とはいえアニメスタッフはデデデ大王を前述の通り頭が足りないおバカにすることで「ナイトメア社に言葉巧みに乗せられている哀れな顧客」という感じにヘイトを逸らし、彼が本物の悪に墜ちることを防いだのかもしれない。
和製サウスパークとも言われる「風刺アニメ」という観点から見れば、彼は代表格。主役と言えるし、だからこそ誰かがこの役を被らなければならなかったのである。
なお、デデデのアニメ要素逆輸入はアニメ終了後に発売されたゲーム作品で複数回行われているが、(「ぞい」口調はあれど)性格・人格面での逆輸入はされていない。
ただし初期から現在までのゲーム版とアニメ版とで共通している一面もある。それはカービィへの対抗心の強さであり、近年のゲーム版ではカービィの味方になる事が多いがそんな状況の中でもカービィに勝ちたい、自分はカービィの永遠のライバルだという思いはずっと持ち続けており、現在でも時折番外作品では自らの意思でカービィに戦いを挑むラスボスとして登場している。
このように(ネタ的に)愛されるデデデ陛下だが、その過去は作中人物の中でもトップクラスの謎に包まれている。
- デリバリーシステムをどこで手に入れたのか。
フームが赤ん坊の頃からデリバリーシステムを使い買い物をしていたため、かなり前から入手していたのは間違いないと思われる。
しかし、この頃は「また安物を掴まされたゾイ」という言葉から察するに、強い魔獣はろくに手に入らなかった模様。ナイトメアとカスタマーサービスも、顧客であるデデデの要求に対して「雑魚でいい」と言い放つ等、そこまでの上客とは見ていなかった節もある。
(第1話で「送られてきたのはあんなチビダコ」というセリフからして、オクタコンが「強い魔獣第1号」だったのだろうか?)
星の戦士対策としてホーリーナイトメア社が時の権力者に配布したという可能性もありうるのだが、根拠が無く、その時期もまた不明である(デデデが妖星ゲラスを『燃え盛る巨大で凶悪な面をしたカービィ』という形で夢に見る描写から、『ナイトメアの能力で夢の中でコンタクトを取ったではないか?』という考察もある)。
実はデリバリーシステムは一種の侵略システム・侵入口としての側面があり、ナックルジョーの2回目のゲスト回でその世界の末路が示唆されている。ププビレッジがそうならなかったのは、単純に侵略する価値無しと見なされ、デデデに散財させた方が得(ただし、実際に金を払うことはほとんどなかったし、最終的にはほぼ踏み倒された)だと考えられていたからだと思われる。カービィが現れるまでは――。
- どこからやって来たのか。
エスカルゴンは王様になろうと田舎から出てきた。カービィは宇宙船の中で200年眠っていた。メタナイトは銀河戦士団の生き残り。と、大体のメインキャラクターは大まかな過去、出身が描かれている、もしくは親族が登場しているのに対し、デデデ大王の出身、過去は全く描かれていない。
エスカルゴンやワドルディらがデデデ大王に拾われたという経緯があることから、彼らより前にププビレッジにいた可能性が高いと思われるが、デデデ城新築疑惑もあって彼らを家来にした後にププビレッジにたどり着いた可能性があり、デデデ個人の出身ははっきりしない。
デデデ大王がププビレッジに居着いた一族の1人で、城はワドルディらの力で新築したとしても(ワドルディらは美術館や工場を建設した他、最終回で村人たちの村の修繕を手伝う描写がある)、今度はデデデ大王以外の一族がどこにいったのかという謎が残る。
- 幼少期に何があったのか。
上記の「幼い頃のトラウマ」と想定されている病名は恐らくPTSD(心的外傷後ストレス障害)。これはトラウマを受けた後に発症する。
幼児期に虐待を受けたPTSD患者の脳の海馬は萎縮する。これはMRIで確認できる。この場面で魔獣フレンズの1人であるチップ先生がデデデ大王の頭部のMRI写真らしき物を持っているのだが、指さしている所は丁度海馬のある所である。デデデ大王の猜疑心の強さ、異常な拘りの強さ、攻撃的な性格や時折見せる臆病さなどは、PTSD患者の特徴と一致するという意見もある。
この症状になりやすい環境は『自然災害、火事、事故、犯罪被害、暴力、虐待、戦争』などの長期に影響を与えるストレス環境なのだが、かつてのデデデ大王はそんな場所で生きていたのだろうか?
考えられる可能性として、妖星ゲラスに焼かれたり、激太り(この時は実際に「よく生きたままここまで太れたものだ…」と指摘された)してもピンピンしていたことから、「クマムシくらいしか生きれないような場所で暮らしていた」という説や、カービィやエスカルゴンをはじめとする他人にやたら攻撃的になる性格から、「幼少期に親などの保護者から攻撃されており、暴力的な性格も“虐待の連鎖”のようなもの」という説が挙げられる。
また、「銀河大戦に何らかの形で巻き込まれた」という説もある。
- どのようにして財力を得たのか。
デデデは、自身の城に設置した巨大金庫に金袋の山を収め、それとは別にへそくり(金額は不明だが、ワドルディが10人程度で運搬するほど巨大な箱に収めていた)も蓄えるほどの財力がある。
具体的な金額の参考例として、デデデはエスカルゴンに9億デデンもの大金を盗まれても自白があるまで気が付かなかった(妖星ゲラスを前にしたエスカルゴンが懺悔として暴露したため、とても嘘や冗談の類とは思えない。その後の反応からして、気が付いていたのに放置していたとも思えない)。また、掛けた金額は不明だが、それまで盗まれている事に気がついてなさそうなのに「戦艦ハルバードを国家予算を横領して製造した」と決めつけていた(肯定も否定もしなかった為、結局製造費の出どころはわからずじまいだった)。
一方、彼の過去が不明である以上、その財力についての謎も生まれる。
本人の発言通りにプププランドの伝統的な王族であるならば、1万代を超える先祖達の遺産をそのまま継承したと考えられるが、前述の通りその発言自体の信憑性が低い。また、村人に対する徴税も示唆されてはいるが、彼らの生活水準(税金に悩まされる描写はないが、頻繁に贅沢をするわけでもない)からして、重税を課した上で得た金銭を自身の貯蓄に回したとも考えにくい。
そうなると、プププランド外で金品を奪って大金を蓄えた可能性や、何らかの事業に成功して財力を得た可能性が浮上する(チリーが海に流れていった時に「寒い場所で復活する」というセリフやペンギー達の襲来、観光客の存在からしてポップスターにはプププランドしか国が無いわけではないことが窺える)。
実際に、デデデは村人全員からミリオンセラーの本を躊躇なく強奪・焼却したり、旅行代理店や外食産業、人材派遣、エナジードリンク販売等の事業で金儲けを企んだりと、知能が低い割には経済に関する知識が豊富な描写があり、略奪や事業の才覚はあると言えるため、否定はしきれない。
- 彼のその後について
さて、アニメ最終回である第100話「飛べ! 星のカービィ」にて、ナイトメアウィザードが撃破されたことによるホーリーナイトメア社壊滅後、魔獣を買い物する楽しみを失った彼は、あの後どうなったのか? 忠義者であるはずのワドルディ達は、破壊されたププビレッジの復興を優先してデデデ城の修理は後回しにされていたようだった(彼らは考えてみればこき使われてただけであり、キャピィ族と普通に慣れ親しんでいる様子も見られたので)。今度こそは、今までのことを全て反省して心を入れ替えて、カービィや住人達と仲良く暮らしてくれるといいのだが……。まぁ、魔獣がなくともエスカルゴンらと共に騒ぎを起こして、プププランドを賑わすのは間違いないだろう。
とにかくも、改心するか否かは彼次第である。
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