スカルマン
すかるまん
スカルマンとは、
- 石ノ森章太郎の漫画作品及びその主人公。本項で解説。
- ロックマン4に登場するボスキャラ。→スカルマン(RM4)
- ロックマンエグゼに登場するボスキャラ。→スカルマン(ロックマンエグゼ)
- ブルーアーカイブに登場するマスコットキャラクター。→モモフレンズ
原作漫画の正式タイトルは『怪奇ロマネスク劇画 スカルマン THE SKULL MAN』で、初期の漫画は1970年に週刊少年マガジンにて読み切りとして掲載された。仮面ライダーの初期案にもなったキャラクターである。
正式な続編として1998年に島本和彦が描いた漫画『スカルマン THE SKULL MAN』がコミックアルファで連載。2007年にはテレビアニメ版も製作・放映された。
『仮面ライダー』に先駆けて、ライダーのデザインは当初十字をイメージした「クロスファイアー」なるデザインだった。異形さを求めた石ノ森は「待ってくれ」とドクロのデザインで『仮面ライダースカルマン』なるデザインを提案し、それに平山亨プロデューサーも賛同。ところが「骸骨をモチーフにしたキャラはお茶の間にふさわしくない」という理由でどこも採用してもらえなかった。
あくまでもドクロにこだわった石ノ森は、スタッフや子供の意見を取り入れ、バッタをモチーフにした『仮面ライダーホッパーキング』を作成。名前が長すぎるということで最終的に『仮面ライダー』に落ち着いた。
後に仮面ライダーシリーズではスカル魔、滝ライダー、仮面ライダースカルといったオマージュキャラクターが登場している。
獣人によって次々と引き起こされる襲撃事件、電子工学研究所を爆破したドクロの仮面の男。一連の謎を追いかけていた私立探偵・立木は、ふとしたきっかけで暴力団の後継者・神楽竜生と出会い、彼を部下に迎えて親しく交際するようになる。
しかしやがて骸骨男の狙いが財界の大物・千里虎月であり、そして竜生こそがスカルマンである事が明らかになっていく。そしてついに獣人ガロと共に虎月を襲撃したスカルマンは、虎月とその孫娘・摩耶に対し、両親を殺した復讐を果たそうとする。
だが虎月の口から語られたのは、恐るべき真実であった……。
2007年4月28日から7月21日にかけてフジテレビで放送された。後に約1ヶ月半遅れで東海テレビ、3ヶ月遅れで関西テレビ、約4ヶ月遅れでBSフジでも放送されている。
全13話。このアニメでは『サイボーグ009』『仮面ライダー』など、他の石ノ森作品をオマージュしたネタが多く仕込まれている。
また、前日譚となる実写ドラマ『スカルマン〜闇の序章〜』が2007年4月21日に放送されている。
ストーリー
第二次世界大戦以降現実世界とは異なる歴史をたどり、軍隊も存在するばかりか2つの国家(津軽海峡で分断された日本人民共和国と大日本共和国)に分断された内戦状態が続いている架空の日本。
とある地方に位置する巨大な企業城下都市の大伴市では、官僚や政治家や女優らが突然不慮の死を遂げる事態が立て続けに発生していた。当局が事故と発表したにもかかわらず、人々は現場で目撃されたドクロの仮面をかぶった怪人「骸骨男」の仕業だと噂していた。
この噂と事件にスクープのニオイを嗅ぎつけたトップ屋御子神隼人は、生まれ故郷でもある大伴市に7年ぶりに足を踏み入れることになる。
登場人物
大伴市に出現した正体不明の怪人。
白銀の髑髏の仮面に白いロングマフラーと黒尽くめの出で立ちで、闇夜に突如として舞い降りる。
大伴市の市民を殺害して回っているが、動機は不明。
超人的な身体能力を持っており、存在自体が大伴市の都市伝説と化している。
しかし単なる猟奇的な殺人鬼というには、不可解な点も多い。
- 偽スカルマン
スカルマンと瓜二つの存在。
スカルマン同様に市民を襲っているが、マフラーを巻いていなかったり、バイクの車種が違っていたり、殺害方法が拳銃(モーゼルのC96、もしくは十七式拳銃)だったりと、相違点も多い。
実態は「スカルマン」の都市伝説を利用した暗殺者。その正体は……
骸骨男を追う者
フリーランスのトップ屋(ゴシップ誌やタブロイド紙に写真を売り付けるカメラマン)。特ダネを追って故郷である大伴市に帰省し、謎の怪物(GR)と髑髏のマスクの怪人と遭遇する。
実は地元の名士の養子で、黒潮豪蔵とは幼少期から親交がある。
モデルとなったキャラクターは『空飛ぶゆうれい船』の嵐山隼人と『仮面ライダー』の一文字隼人。御子神という苗字は『イナズマン』などで確認できる。
隼人の前に現れた身元不明の少女。トップ屋志望で、隼人の助手として勝手に彼の下宿先に居候してくる。
当初は隼人を上手く出し抜くつもりだったが、徐々に隼人に淡い想いを募らせていくようになる。
最終話エピローグでは009とよく似た容姿の赤ん坊を抱いており、その父親は…。
大伴コンツェルン
地元の名士で大伴コンツェルンの代表。
威厳が有りながら大らかな人物で、多くの人々に慕われている。同時に政治的な敵も多く、決して優しいだけの人物ではない。
隼人の養父は元部下で、その繋がりから隼人とは親しく、彼に何かと便宜を図っている。
一人娘の麻耶を溺愛しており、病弱な娘の行く末を心配しているが、実態は本作の黒幕の一人である。
モデルになったキャラクターは『空飛ぶゆうれい船』の黒潮会長(立ち位置的には原作の千里虎月に相当)。
豪蔵の秘書で本作のラスボス。
細面の優男だが、仕事に厳しく常に冷たい表情を浮かべている。
裏で軍部と繋がっており、また「白鈴會」とも繋がりを持っている。
12月24日の夜、遺跡より発掘された有翼器に真耶を融合させ、新人類として新生するが、制御装置である骸骨仮面がない為に精神が退行した不完全で醜悪な存在と化し、黒潮を殺害。最期は加速装置を使ったスカルマンの一撃で崩れ去った。
大伴警察
大伴市で頻発する殺人事件を追う熱血刑事。
昔気質の体育会系でかなり暑苦しいが、市民を守ろうとする警官魂は本物。
殺人事件の現場でたびたび遭遇する隼人を怪しんでおり、何かと隼人をつけ回している。
モデルは『ロボット刑事』に登場する新條強。
大伴署の署長で元軍属。
傲慢な権威主義者で、人気女優・鬼塚結衣を愛人に囲うなど、素行は決して警官向きではない。
何かと黒い繋がりがチラつく人物でもある。
その正体は黒幕側の人物であり、かつては汚職の限りを尽くして告発しようとした立木を最前線に送り、家族を収容所送りにして殺した外道で、クーデターの最中に立木に引導を渡された。
モデルとなった人物は『空飛ぶゆうれい船』の埴輪国防長官。
その他
大伴市の郊外にある教会で孤児院を営む青年神父。隼人の幼馴染で古くから親友。
温厚で柔和な好青年であり、自身も孤児院の出身者。
黒潮麻耶とは人目を忍んで想い合う仲であり、心の拠り所でもある。
南亜戦争に従軍神父として参加した経験がある。
そして不意に、暗い表情を浮かべる瞬間があるが……?
豪蔵の一人娘。
儚げな美少女で、大伴市を本拠とする新興宗教「白鈴會」にも関わっている。
生まれつきあまり体は丈夫でなく、普段は自宅の離れで過ごしている。
体の調子がいいときは、芳生の孤児院にお忍びで出かけて子供たちの面倒を見ている。
モデルとなったキャラクターは『スカルマン』に登場する千里虎月の孫娘、真耶。
ライダースーツで大型バイク乗りこなす、グラマラスな赤髪の美女。
市内を愛車で駆け回り、弟の徹郎と共に何かを探っている。
元ネタは『スカルマン』に登場するガロ。
本作のガロ(GRO/ガ號)は原作とは異なり、神楽村で発見されたオーバーテクノロジーを元に人間たちが改造された存在(オリジナルはオーバーテクノロジーにより生み出される人工生命体の事)。
大伴コンツェルンとブレイン・ギア社が新興宗教団体「白鈴會」(実態はオーバーテクノロジーの研究組織)を隠れ蓑に進めている「ガ號計画」によって生み出され、ペンダントの羽を外す事で鈴が鳴り、怪人体へと変貌する。
麗奈の弟で、寡黙な青年。
荒事に長けており、姉と共に大伴市内で何かを探っている。
隼人の前によく姿を現す、自称:探偵の老紳士。
飄々とした好々爺のような人物だが、各所で只者ではない雰囲気を醸している。
時折、眼光鋭く何かを見据えるときがあり、彼もまた何かの思惑を持って動いている。
本名は左門寺恭一郎で、埴輪の部下だった男であり、彼によって家族を殺害された政府からの諜報員である。
モデルは『スカルマン』の立木。
白鈴會の信者であり、霧子の師匠。
とある人物の正体でもある。
埴輪の愛人である女優。
偽スカルマンによって殺害される。
鬼塚の付き人であり、神崎と同じ孤児院の育ち。
鳥型のGROに改造されていたが、スカルマンに敗れた。
隼人の年上の幼馴染で、食堂のおばちゃんの姪。
隼人が大伴市を去ったのちに結婚するも、夫は行方不明で、我が子も七五三を迎える前に病没した。
新條に一目惚れされて猛アタックをされてたが、内心では隼人への昔からの気持ちを密かに持ち続けていた。
しかし、ガ號計画の実験台にされて以降は半狂乱の状態となり、スカルマンに倒された。
BRAINGEAR(ブレイン・ギア)
表向きは多国籍企業とされるが、その実態は後述するサイボーグ部隊やカニ型のロボット兵器など、軍隊にも匹敵する軍事力を有している得体の知れない組織。
元ネタはキーワードである「黒き幻影」からも分かる通り、『サイボーグ009』の敵組織ブラックゴーストなのだが、ブラックゴーストそのものだとうかがえるシーンがある。
- アルカード・ヴァン・ヴォグート(CV:石塚運昇)
大伴市で起きた動乱の裏で謎の動きを見せるブレイン・ギア幹部(肩書きは極東総支配人)で自らもサイボーグである。かつて戦場で戦っていた経験もあるようだ。
元ネタは『サイボーグ009』のバン・ボグート(中の人も平ゼロ版準拠である)。
ヴォグートの秘書を務める女性。
元ネタは『サイボーグ009』のヘレン。
後述するサークスを開発した科学者。
元ネタは『サイボーグ009』に登場するイワン・ウイスキーの父であるガモ・ウイスキー博士(中の人も平ゼロ版準拠である)。
ヴォグートも含めた「黒き幻影」のメンバーが揃って跪く謎の人物。
元ネタは『サイボーグ009』のブラックゴースト総帥であるスカール(中の人も平ゼロ版準拠である)。テレビ放送時の字幕では「スカール」という名称が表示されている。
「黒き幻影」のメンバーに声で指示を出している謎の人物。
元ネタは『サイボーグ009』に登場するブラックゴースト総統。
SIKKS(サークス)
ブレイン・ギアの実働部隊として活動する私設のサイボーグ部隊。メンバーは全員ピエロをイメージした仮面を付けている。改造の素体となったのは戦場に送られた兵士。
元ネタはゼロゼロナンバー。
サークスのリーダー。全身に刃物等の格闘武器が仕込まれており、白兵戦を得意とするサイボーグで初代スカルマンやGROを圧倒するが、二代目スカルマンにはあっさりと敗れた。
元ネタは『サイボーグ009』の002(中の人も平ゼロ版準拠であり、『キカイダー01 THE ANIMATION』ではイチローを演じていた)。外見は『ギルガメッシュ』のギルガメッシュ(複製人間)に似る。
索敵と火炎放射器の機能を内蔵したサイボーグ。
命乞いをする相手を無残に焼殺する事を好む残忍な性格を持つが、二代目スカルマンに瞬殺され、自分が丸焼きになる末路を辿った。
元ネタは『サイボーグ009』の006(中の人も平ゼロ版準拠である)。
水中戦を得意とするサイボーグで水中銃が武器。
徹郎との戦いで致命傷を負うも、事切れる寸前に水中銃を浴びせて一矢報いた。
元ネタは『サイボーグ009』の008(中の人も平ゼロ版準拠である)。
ただし、本作では人種が異なる模様。
自身を専用の特殊車両に接続しての砲撃を得意とするサイボーグ。
かつての従軍経験からか、精神が非常に不安定になっており、自分の本名さえ思い出せずに錯乱する事が多いが、スカルマンに本名の「ジャック・グッドマン」を知らされて倒された。
元ネタは『サイボーグ009』の004(中の人も平ゼロ版準拠である)。外見は顔や傷からすると『番長惑星』の登場人物、ツギハギがモデルと思われる
肉弾戦を得意とするサイボーグ。
徹郎との戦いでは鉄柱を突き刺されて敗北、死骸に突き刺さったままの鉄柱は03の死因となった。
島本版スカルマンは特に仮面ライダーへのオマージュ色が強い作品となっている。
実際に登場する怪人達の殆どは仮面ライダーの改造人間をモチーフであり、本郷猛をモチーフとした飛岡剛はバッタの改造人間へと改造される展開がある。
この他にも石ノ森作品のヒーローたちが重い十字架を背負った存在として登場しており、彼らは石ノ森章太郎が映像作品と漫画版両方の原作を務めた作品のヒーローばかりである。スカルマンが彼らに力を与えたというのは、やはり、スカルマンが石ノ森ヒーローの大元になった存在だからというメタ視点のネタも兼ねているからだろうか。
一方でアニメ版はスカールの誕生経緯を描いた『サイボーグ009』エピソード0とも受け取れる作風となっている(ただし、現存する『009』シリーズの設定とは矛盾する設定が多く、あくまで『スカルマン』世界における『009』の物語に繋がると解釈するのが自然である)。
また、『空飛ぶゆうれい船』が元ネタの人物が多いが、こちらでも骸骨が重要なキーパーソンとして登場する。
石ノ森は本作品に愛着があったとされ、いずれも映像化・漫画化には至らなかったものの以下のリメイク案を遺している。
『スカル面』
1980年代に検討されていたとされる企画。
『プロレスラースカルマン』
1985年頃に描かれたプロレスをモチーフとした企画で、石ノ森により技の図解も描かれている。
『妖次元ハンター(怪次元ポリス)スカルマン』
骨をプロテクター風に処理したデザインが特徴。
- 「ホビージャパン」で掲載されたKIKAIDER00ではスカルマン=『仮面ライダー』そのものを指し、バイク乗りの幽霊ではないかと噂されている。『最近では鏡の中で目撃された』とのこと。(ちなみにV3が登場するが彼はリ・イマジネーションの存在)
スカル魔 滝ライダー 仮面ライダースカル 仮面ライダールシファー
未来警察ウラシマン:本作より35年前に放送されたSFポリスアクションアニメで、主人公と敵の親玉が同一人物で、主人公が闇堕ちエンドを迎える予定だった。
コードギアス反逆のルルーシュ:本作より前に第1期が放送されたが、ギアスのヒットが本作の映像化にゴーサインを出した程の影響を与えたのでは?と言われている。
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