ゴジラVSメカゴジラ
ごじらぶいえすめかごじら
ゴジラ生誕40周年記念作品であり、当時ハリウッド版ゴジラの製作が発表されたことから本作が平成ゴジラの最終作品になるはずだった。しかし、ハリウッドの製作が遅れた事を受けて続投が決定。その結果、次作「vsスペースゴジラ」、最終作「vsデストロイア」が作成される事になった。
同年に公開された「ジュラシック・パーク」に対抗し、最新のCGをふんだんに用いるのではなく、「最高の怪獣映画」を目指して作成された本作はメンテナンス中のメカゴジラに見られる放電を合成ではなく、スーツに電極を仕込み本物の放電を行う事で撮影したり、最終決戦の幕張は忠実に再現した約千平方メートルの巨大ミニチュアセットを用い、火薬の使用量もシリーズ中最大の量を使用することでシリーズ屈指の大迫力の戦闘シーンを実現した。
また、音楽もゴジラシリーズお馴染みの伊福部昭氏が担当し、メインテーマの「メカゴジラのテーマ」は重厚感溢れる名曲として仕上がっており、人気も高い。2016年に公開された「シン・ゴジラ」では劇中楽曲として歴代ゴジラ、伊福部昭楽曲の一部として使用されており、20年以上経ってから再びスクリーンで響くこととなった。
1992年、度重なるゴジラ被害を受けて国連はG対策センターと対ゴジラ特殊部隊Gフォースを設立。世界中の最先端技術を結集してゴジラ対策と対G兵器の作成を行っていた。そしてGフォースは、前々作「vsキングギドラ」で小笠原海底に沈んだメカキングギドラのメカの首を回収し、23世紀のテクノロジーを解析、取り込むことで最強の対G兵器「メカゴジラ」を完成させる。
同じ頃、ベーリング海アドノア島に化石の調査へ向かった研究者の一団は完全な状態のプテラノドンの卵を発見する。卵を持ちだそうとした一団は、その兄弟と思われるプテラノドンが放射能の影響で怪獣化したラドンに襲われるが、突如出現したゴジラとラドンが争い始めた隙を見て卵を持ち出す事に成功する。
日本に持ち帰られた卵だったが、中から生まれたのはゴジラザウルスの赤ん坊、ベビーゴジラだった。ゴジラはベビーを感じ取って出現したのだ。そして、ベビーが生まれた今、ゴジラはベビーを求めて日本へ上陸。ゴジラ上陸を受けて発進するメカゴジラ。
最強の怪獣王ゴジラと最強の対ゴジラ兵器メカゴジラの対決の幕が切って落とされる。
- 今回のゴジラの行動は、同族であるゴジラザウルス(の卵、後ベビーゴジラ)との合流で一貫しており、もしアドノア島調査団が卵を日本へ持ち帰らなかったら、ゴジラがベビーをそのままバース島へと連れ帰り、日本に被害が及ぶ事も無かったとの説があるとか無いとか。
- ハイパーウラニウム熱線をメカゴジラに向けて放つ際、背鰭の発光が青のままである。
- ラストシーンは、『怪獣ゴルゴ』に影響を受けたとされている。
宣伝ポスターで描かれたメカゴジラ(上のイラスト)と作中に登場するメカゴジラのデザインが大きく異なる。
これはポスターが制作された時点でのメカゴジラ案が3機のメカから成る合体ロボットであったが、実際に採用されたメカゴジラは別人の手によってデザインし直されたもので、背部に追加武装「ガルーダ」を装着するという簡単な合体に省略されるという、全くの別物になってしまったためである(同様のことは「vsビオランテ」の宣伝ポスターに描かれたビオランテでも起こっている)。
しかし、合体ロボットという案は次作「vsスペースゴジラ」のMOGERAに引き継がれ実現した。
ポスター版メカゴジラのデザイン原案は西川伸司。ポスターイラストは生頼範義(生賴範義)の制作である。
本作の特技監督の川北が生瀬へ宣伝ポスターの制作を依頼した際に、メカゴジラの機体を赤色で塗って欲しいと提案したが、生瀬のアドバイスで銀色に変更となった逸話がある。
本編には登場しなかったものの、ポスターに描かれた鬼気迫るメカゴジラに惹かれたファンが多かった。
当時、本作を劇場へ観に行ったとある子供は、このポスターのメカゴジラと本編のメカゴジラのデザインが違うことを不思議に思っていた。その子供は大人になって玩具メーカー・バンダイへ入社し、自身の長年の夢だったポスター版メカゴジラの製品化を実現させる。
2017年に「超合金 メカゴジラ(生頼範義ポスターVer.)」として予約限定であるがフィギュア化された。フィギュア化にあたって、デザイン原案だった西川自らが詳細なデザインを新たに設定し、さらに特典解説漫画も執筆している。