ゆかなえー
ゆかなえー
東方Projectに登場する八雲紫、八意永琳、八坂神奈子の三名によるグループ。
紫は『東方妖々夢』、永琳は『東方永夜抄』、神奈子は『東方風神録』にそれぞれ初登場した。グループ名はそれぞれの名の読みまたは愛称である「ゆかり」、「かなこ」、「えーりん」に由来する。
作品では
初登場した作品ではいずれもストーリーまたは東方Project全体の世界観に絡む圧倒的な存在感とその美しい弾幕とを披露した。原作ゲームとしてはこのとき、紫は『妖々夢』Phantasmボス、永琳は『永夜抄』6面Aルートボスまたは6面Bルート中ボス、神奈子は『風神録』6面ボスかつExtra中ボスと、いずれも物語の詰めないしは大詰めに登場し、その存在感と能力、華麗にして驚異的な難度の弾幕とで幾多のプレーヤーを魅了した。
物語の登場人物としては三名はいずれも各作品のストーリーの主軸部分あるいは本質に関わるキャラクター達であり、初登場した以後の作品でも東方Projectの世界において陰に日向に大きく影響し続けている存在でもある。
2016年5月現在では三者が一堂に会する機会は見られていない。永琳と神奈子についてはいずれも『東方儚月抄』漫画版において紅魔館で開催されたパーティに参加しているが、ここで接触があった旨の具体的な描写はない。
キャラクター
三名とも比較的人あたりは悪くなくフランクなおしゃべりもみられる。
それぞれ強い個性を持つ者たちであり時にそのコミュニケーションには一筋縄ではいかない(例えば紫の検証不能な話や永琳の難解な言い回し、核心を語らない神奈子など)こともあるものの、他者に対して排他的ではなくむしろ積極的(ただし永琳は「今日では」との注がつく)である。
時に圧倒的な威厳や底の知れなさも感じさせるクセのある一面もあるが、それぞれに明るく気さくな面も多く併せ持つキャラクターであるといえる。
また、神奈子や永琳は神そのものまたは神格を持つ存在であり、紫は妖怪であるが、稗田阿求は紫のあらゆる境界を操作して創造と破壊を可能とする根源的な能力について「神に匹敵する力」(『東方求聞史紀』)と評している。
賢者としての側面
知識や経験、さらにそれらの応用にも長け、計略や暗躍もこなす策士としても才能を発揮する。
紫と永琳は先述の『儚月抄』にてその知略で攻防を繰り広げ、神奈子は『東方地霊殿』をはじめ『東方茨歌仙』などでその知略を発揮している。
また、すでに豊富な知識を持つが新しい知識などへの積極性も高く、紫は外の世界からやってくる古くも新しいものたちものを調べたり理解したり、永琳は新しい科学的知識などをさらに求め、神奈子は外の世界の知識や技術を使っての技術革命を企画するなどそれぞれの分野で生き生きと、時には多数の人間や妖怪などを巻き込みつつその世界観を広げ続けている。
社会の建設者
紫は幻想郷、永琳は月の都など、多数の存在が集う社会の建設・創造に中心的に携わった経験を持つ。神奈子はかつて洩矢諏訪子が治めていた王国に侵攻してこの戦いに勝利し、その後の「ミシャグジさま」などに関わる紆余曲折はあるもののこの地のひとまずの掌握に成功してる。
それぞれ形は異なるものの、一つの社会体系またはその基盤を作り上げた経験を持つのである。
異変
この三名はそれぞれが登場した作品の一つにおいて、その作中で起きた異変における遂行面での中心人物でもあった。
永琳は『永夜抄』において月の公転周期をずらすことで月を隠し幻想郷に明けない夜をもたらし、神奈子は『風神録』にて博麗神社に集う信仰の奪取を目指して同神社に営業停止を通告した。紫は『妖々夢』時などの幻想郷では異変を積極的に起こしてはいない(先述の現在時点)が、『儚月抄』及びそれ以前のエピソードにおいて各種月面戦争(月の都の視点からは「異変」と言える)に関連し、特に『儚月抄』における第二次月面戦争では黒幕ともなって月に騒乱をもたらしている。
他者への影響
いずれも他の特定の誰かを特に支援する様子が見られる。
紫は博麗霊夢、神奈子は東風谷早苗、永琳は蓬莱山輝夜または鈴仙・優曇華院・イナバである。
また特定の誰かに限らず、紫は妖怪を含むすべての忘れられた者たちを包括するものとしての幻想郷を形成し、神奈子は妖怪の山に鎮座する守矢神社にて人間や妖怪の山に住まう妖怪たちに神徳を与え、永琳は迷いの竹林にある永遠亭で診療を請け負いつつ鈴仙を通して人里で彼女の手による薬を販売するなど、それぞれが幻想郷に浸透し、先述のとおりこの地で誰かに貢献したり異変解決に協力したり時には何かを企んでみたりと、それぞれなりの生き方を進んでいることも共通している。
三名の今日に関連して、『東方紺珠伝』では上記の支援を受けている側の三者(永琳の場合は主に鈴仙)について、各々の立場からストーリーが展開された。紫、神奈子、永琳の本人たちについても作中それぞれの形で各々の姿が垣間見られているなど、同じ異変において目をかける人物たちが最前線で関わり、かつ自らもその異変に、方向性はさまざまながら意識を傾けているなど、『紺珠伝』で語られた一つの大きな物語を通しても三者はそれぞれに関連を持っている。
二次創作においてはそれぞれ様々な役回りや立ち位置で物語が創作されている。
先述の後進たちにあれこれ世話を焼いたりあるいは溺愛にも似た愛情を傾けかえって嫌がられたり、時にはその知識やアドバイスで物語を展開したりする役割であったり。
またある時は物語をその能力で名に暗にまとめていく立場であったりと、その活躍の幅は広い。
本人たちのものも含めた恋愛もの、日常、シリアス、ギャグなど幅広い活躍範囲において彼女たちの多様な姿が描かれている。
また好みは分かれるがいわゆるBBAネタのもとで彼女たちがはっちゃけている様子は作者やファンに彼女たちのキャラクター性が愛されている一つのあらわれでもあるといえる。