甘いものの摂取、心臓の健康にとっての
「スイートスポット」は?
甘いものが心臓の健康にもたらす影響は、その種類により大きく異なる可能性のあることが新たな研究で明らかになった。論文の筆頭著者であるルンド大学(スウェーデン)のSuzanne Janzi氏は「この研究結果で最も印象的だったのは、異なる摂取源の添加糖が心血管疾患(CVD)リスクに、それぞれ異なる影響を与えることを示した点だ」と述べている。
例えば、加糖飲料の大量摂取は脳卒中や、心不全、不整脈の発症リスクを大幅に高めることが示された一方で、オートミールに蜂蜜を加えたり、甘いペストリーを時々食べたりしても心臓の健康に大きな害はなく、むしろ改善する可能性もあるという。この研究の詳細は、「Frontiers in Public Health」に12月9日掲載された。
この研究では、2件の長期健康研究に参加した45〜83歳のスウェーデン人6万9705人(女性47.2%)から収集したデータを用いて、加糖食品・飲料の摂取と7種類のCVD(脳梗塞、出血性脳卒中、心筋梗塞、心不全、大動脈弁狭窄症、心房細動、腹部大動脈瘤)との関連が検討された。
試験参加者は、研究の一環として1997年と2009年に食事とライフスタイルに関する質問票に回答し、2019年12月31日まで追跡されていた。追跡期間中に2万5739人が1種類以上のCVDの診断を受けていた。
主な診断は、脳梗塞6912件、出血性脳卒中1664件、心筋梗塞6635件、心不全1万90件、大動脈弁狭窄症1872件、心房細動1万3167件、腹部大動脈瘤1575件であった。
分析の結果、添加糖の摂取量と脳梗塞および腹部大動脈瘤のリスクとの間に正の関連が認められ、特に、摂取量が最も多い群では最も少ない群に比べて両疾患のリスクがそれぞれ11%と31%上昇することが明らかになった。