中国で人気の離婚リアリティショー「再見愛人」中国で人気の離婚リアリティショー「再見愛人」(出所:芒果TV公式サイト)

中国で離婚をテーマにしたリアリティ番組が大きな話題を集めている。「家の恥を外にさらす」と離婚に対して忌避感が強い中国社会では出演者を探すのも大変だと思うのだが、有名女優や実業家、人気ブロガーなどの著名人が生々しく夫婦の悩みを番組で吐露しているのだ。番組がヒットしている理由としては、他人の家庭をのぞき見するような面白さはもちろんあるのだろうが、それだけでなくもう一つ、中国社会の変化や、中国人の意識の変化という理由もある。(フリーランスライター ふるまいよしこ)

中国で大ヒット中のリアリティ番組、テーマは「離婚」

 今、中国のネットで「離婚」をテーマにしたリアリティ番組がホットな話題を集めている。あまりの評判ぶりに筆者もオンラインで追いかけ始めたが、なかなか生々しくておもしろい。

 番組のタイトルは「再見愛人」(英語題:See You Again)。「再見」とは中国語で「さようなら」、「愛人」とは日本語のそれとは全く違い、中国語では伴侶、つまり夫や妻を指す言葉だ。つまり、タイトルをぱっと見ると、「さようなら、あなた」みたいな意味となる。だが製作者によると、これは「再・見愛人」と読むこともでき、この読み方だと「あなたと再び出会う」、つまり「伴侶を改めて理解する」という意味になると説明している。

 周知の通り、リアリティ番組ではそこに参加する人たちのプライバシーも含めた「生身」を紹介することを意図している。だが、「家の恥を外にさらす」という忌避感の強い中国で、出演者は都市在住者という設定とはいえ、社会全体ではいまだにネガティブに語られることの多い「離婚」に直面している生身の夫婦が、あえてこうした番組に参加すること自体が、筆者には驚きでもあった。