頑張っているのに、結果がついてこない」「必死に仕事をしても締め切りに間に合わない」同僚は次々と仕事を片付け、成果を出し、上司にも信頼されているのに、「なんでこんなに差がつくんだ……」と自信を失ったとき、どうすればいいのでしょうか?
ビジネススキルを発信するTikTokのフォロワーが19万人を超え『コンサル時代に教わった 仕事ができる人の当たり前』の著者である「にっしー社長」こと西原亮氏に教えてもらった「超優秀な人が秘かにしている仕事のコツ」を本記事で紹介します。

普通の人は「ただ本を読む」。超優秀な人はどうやって本を読む?Photo: Adobe Stock

先に目次だけ読んで仮説を立てる

私がコンサルタントだった当時は、iPhoneもまだ日本に上陸していませんでした。

そんな当時、ネットで検索した情報を仕事で使うことは、ほとんどなかったのです。

そのため、書籍や有料契約しているデータベースからプロジェクトに必要な情報をインプットし、資料づくりをしていました。

しかも「3日で製薬業界の市場や競合環境、海外の製薬メーカーの課題を洗い出しておいて」など、とんでもないミッションを伝えられ、即座にこなさなければなりません。

ただ情報を集めるだけでなく、上場企業のIR情報(有価証券報告書)や中期経営計画書、財務上の分析、事業ごとのシェアから競合比較まで、調べることは多岐にわたります。

さらに、その分野に関する経験や知識もないので、資料を見ても何が書かれているのかすらわかりません。

それを補うために、業務外で自学自習を進めました。

本屋に行き、必要な本を買って読み漁り、仕事に活かすというサイクルを超高速で行わなければなりません。

私には社会人経験もなく、牛乳配達という仕事しかしていなかったわけですから、必死に勉強を続けました。

そんな私を見た上司から「西原は本をどうやって読んでるの?」と尋ねられました。

私は「どうやって読んでるというか、どうもこうもなく読んでいます」と答えました。

すると、上司は「お前はただでさえビハインド(=遅れ)がある。そのビハインドを克服するためにも本当に意味のある本の読み方を教えてやろう」と言って、次のような読書術を教えてくれたのです。

①まず目次を見る。内容は見ない。
②各目次で「何が書かれているのか」について、自分の仮説を書く。
③各目次の該当箇所を読んで、答え合わせをする。

上司はこの本の読み方を「仮説で読む」と表現していました。

仕事に活かすための読書では、インプットの後にアウトプットできなければ意味がありません。

ただ読むだけではなく、自分の頭に知識として定着させなければならないのです。

そして、インプットにおいて一番吸収効率がいいのは「自分の考えとのギャップを感じたとき」です。

「こうだと思ったけど、違った」という体験が、記憶を定着化させます。学生時代の勉強と同じです。

問題を解く(=自分が考える解答を書く)
正解か不正解かがわかる(=自分の考えと合っていた、違っていた)
不正解の原因を究明する(=なぜ自分の考えが違ったのか?)
次から正解になるようにする(=正しい情報をインプットする)

勉強も、ただ教科書を読むだけでは記憶に残りません。

問題に対して、自分で考えた答えを出し、その答え合わせでギャップが見つかるからこそ、理解が進み、記憶に残るのです。

さらに、この読み方の素晴らしい点は、大量の文字のなかで、どこに結論が書いてあるかに着目して読むことができる点です。

一般的なビジネス書は200ページから300ページ程度のボリュームがあります。

せっかく読みはじめても、自分が知りたい結論になかなかたどり着けず、仕事に活かせない。

あるいは情報が多すぎて、結局大切なことが何なのかわからない。

そんな経験のある方も多いのではないでしょうか?

自分の頭で仮説を考えてから読むと、ただのインプットではなく、答え合わせのマインドセットで本に向き合えます。

「どこに答えが書いてあるか」を探しながら、集中して読み進めることができるのです。

(本記事は『コンサル時代に教わった 仕事ができる人の当たり前』の一部を抜粋・編集したものです)