あなたが今の仕事で「楽しい」と感じるタイミングはいつだろうか?スポーツドクターの辻 秀一氏は「わたしたちは認知的に結果を出すことを原動力に生きている」と語る。「楽しい」を仕事に活かし、人生を向上させる魔法の言葉とは?※本稿は、辻 秀一『「機嫌がいい」というのは最強のビジネススキル』(日本実業出版社)の一部を抜粋・編集したものです。
わたしたちは結果を出すことを
「楽しい」と考えて生きている
わたしたちは認知的に結果を出すことを原動力に生きている。わたしも例外ではない。放っておくと、わたしの認知脳は「結果が出たら楽しい」と考えている。結果を出して楽しもうとするのだ。スポーツに関わっているので、サポートするチームや選手が勝ったら楽しい。そのために、努力しているのはわたしだけではないはずだ。
しかし、結果の楽しいは大きいが、刹那的でコントロールできない楽しさだ。勝ってもまたすぐ次がはじまる。うまくいっても、またはじまってしまう。勝ったり、うまくいったりした瞬間しか楽しめないのだ。おまけに必ず勝ったりうまくいったりするとは限らないので、この楽しいにはダブルでリスクがあるのだ。つまり、この楽しさに頼っていると不安定なので、「不機嫌の海」に陥ってしまう。
「楽しい」という感情は「機嫌がいい」ときの大切な感情だ。「楽しい」感情が多ければ、「機嫌がいい」という「ごきげん大地」に滞在していることになる。
仕事で「楽しい」と感じる
タイミングを書き出してみよう
みなさんも、仕事の中で「楽しい」と感じるのはどんなときなのかを書き出してみよう。20個くらいは思いつくだろうか?たくさんあればそれだけ、仕事で「機嫌がいい」ということになる。
20個書き出したら、分析してみてほしい。「結果にもとづく楽しい」は「Result」なのでR、「過程で感じる楽しい」は「Process」なのでP、20個一つひとつを見て、RとPをマークしてみよう。Rは何個あっただろうか?Rの比率を計算してみてほしい。
人は認知的に仕事をしているため、さまざまなビジネスパーソンにこのワークを行ってもらうと、ひどい人は100%がR、一般的にほとんどのビジネスパーソンは80%くらいになる。儲かったとき、ほめられたとき、うまくいったとき、プロジェクトが終わったとき、上場したとき、企画書が上に通ったとき、順調に仕事が進んだとき、予想以上の結果が出たとき、納期に間に合ったとき、事業が拡大したとき、部下の成長を感じたとき、などなどだ。
同書より転載 拡大画像表示