社内デザイナーが作ったロゴの制作過程を一挙公開します

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こんにちは。AG-Boost事業部デザイナーの村田です。AG-Boostというサービスの画面設計やWebデザインなどをしております。

今回は、そのAG-Boostのロゴを制作した過程をご紹介します。

その1:依頼される

AG-Boostは、以前は「Z.I.P.!」という名称でしたが、様々な事情からサービス名を変更することになりました。

この「サービス名を考えて商標登録する」という壁が高かったらしく、悩んで悩んで試行錯誤の末、「AG-Boost」という名前に決まったそうです。

サービス名を変更した経緯や込めた想いなどの詳細は、弊社のリクルートサイトで事業責任者の荒木がアツく語っておりますので、ぜひご覧ください!

recruit.so-tech.co.jp

私はネーミングセンスというものがほとほとないので、かっこいい名前をつけられるのって憧れちゃいます。 (数年前、brickというプロダクトに豚のキャラクターを作成したのですが、名前はブタでした)

依頼とヒアリング

今回の案件の場合、サービスの使命や、名前に込めた想いなどもまとめて依頼してくださったので、ヒアリングにかける時間がほぼなかったです。聞いたのは「他のサービスで気になるロゴがあれば教えてください」くらいでしょうか。

パクるとかそういうんじゃなくて、GOを出す人の嗜好性を把握するのも大事なことだと、経験上感じてます。

そもそも背景も知らずに作れないと思ってるので、その意図をヒアリングするのは重要と考えており、ゼロからの依頼の場合は、キーとなる単語を聞き出すまではヒアリングを重ねます。

依頼とヒアリングはセットです。(制作案件のすべてにおいて言えることですよね、今さら言って恥ずかしくなってきました)

その2:調べる

私はこの「調べる」に結構時間を費やします。

さて、なにを調べるのか? 今回依頼された時点のサービスの背景などは下記(抜粋)です。

・サービスの使命

すべては広告市場の拡大のため。 これは、代理店支援を長年行ってきた、我々の恩返しである。 日本全国の底上げが必要で、誰でもネット広告が販売できるように支援を行い、デジタルの可能性、魅力を感じてもらいたい。 代理店の流通網を拡大させ、幅広い広告主を支援することで、広告のDX(ネット化)を支援。 web広告以外のマーケティング活動も支援し、営業活動以外にも社内の稟議資料などのデータアウトプットにも着手していく。  

・サービス名の由来(サービス名に込めた想い)

広告会社への「ご恩」返しであり、我々の知見やノウハウを広告を扱う会社に提供し、web広告の売上や事業を押し上げ・増大させるサービス。 営業活動を後援することで事業生産性も同時に高めます。

ふむふむ。この時点で「恩」「恩返し」を調べたいですね。なぜなら、AG-Boostだけが持つ特別な想いだなと感じたからです。そこだけ輝いて見えます。

しかしその気持ちを抑えて、まずは改めて「広告代理店」でぐぐります。

へ〜 と思いました。

満を持して「恩」を調べます。ここで登場するのはWikipediaです。なんでも教えてくれます。

恩 - Wikipedia

「恩」は「めぐみ」「みうつくしみ」「みいつくしみ」などの読み方がされていた。

ところで「めぐみ」という言葉の語源は、「菜の花が芽ぐむ」などと表現する時の「芽ぐむ」という言葉を名詞の形にしたものとされている。木や草が芽ぐむのは、冬の間は眠っていた草木の生命力が春の陽気によってはぐくまれて目覚めることによる。つまり、他の者に命を与えたり命の成長を助けることが「めぐみ」を与えることであり、恩をほどこすことなのだということなのである。その逆の立場が、めぐみを受けること、恩を受けることである、と理解される。

「恩」を調べたはずなのに草木の生命力の話になる!?と、ひとりで大興奮です。

実は、2パターン作成したうちのひとつは、このあたりからイメージを膨らませて作成しました。このように、ひとつの単語から派生してイメージを膨らませる作業のために、「調べる」に時間をかけます。

そしてページの最後のほうに「恩送り」という単語を見つけます。

恩送り - Wikipedia

恩送り(おんおくり)とは、誰かから受けた恩を、直接その人に返すのではなく、別の人に送ること。

なんかこれぴったりじゃん と、ストンと腑に落ちた感じがしました。このあともう少し調べて、いよいよ制作です。

その3:作る

ボツになったサービス名案に鶴をもじったものがあったので、モチーフは鶴にしようと決めました。

とにかく描いてみる

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まずは鶴の画像を見ながら、紙に描いてみます。鶴を描くのなんて初めてなので、まずは模写からしてみます。模写と思っていても、この時点で線は簡略化しています。

だんだんと崩していき、シンボル化を目指します。こんなかんじというのが見えてきました。

清書する

Adobe Illustratorで、ロゴを清書します。そしてコンセプトと共に、依頼主に提案します。 f:id:so-technologies:20210913125941p:plain

「恩送り」とは、誰かから受けた恩を別の誰かに送り、そしてその送られた人がさらに別の人に渡す。そうして「恩」が世の中をぐるぐる回ってゆくということ。(Wikipediaより)AG-Boostにぴったりの言葉だと感じた。 鶴を記号化したアイコンで恩返し、丸を2つ繋げることで無限、全体的に「恩送りの循環」を表現している。AG-Boostが起点となり「恩返し(恩送り)」によってこの業界に支援の輪が無限に広がっていき、広告業界全体の底上げに繋がってほしいという想いを表した。

これで概ねOKでした!コンセプト的には満足していただけたようで、よかったです。

が、もうちょっと案を見たいとのこと。もう一度手描きから案を膨らませてみます。

もう一度描いてみる

こんなのがいいかな〜、体いらないかな〜?など、手を動かしながら考えます。 (右側のは、息子にぐるぐる落書きされました)

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もう一度清書、提案

アイコンは全部で4パターン作成しました。 テキストともあわせてみて、どれがいいか確認してもらいます。 f:id:so-technologies:20210913131326p:plain

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その4:ブラッシュアップする

アイコンは04に決まりました。 テキストのパターンも決まったのですが、もうちょっとブラッシュアップしました。 f:id:so-technologies:20210913131841p:plain

スピード感増したかんじしますか? あと、誰にでも開かれてるようなイメージをしました。

その5:完成!

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色味を調節して完成しました!

やった〜〜

おわりに

今回は、AG-Boostのロゴの制作過程をご紹介しました。いかがでしたか? なかなかロゴに込めた想いなどを紹介できる機会もなかったので、この場をお借りして書かせてもらいました。

サービスに込められた想いをいかに表現し、プロダクトと共に歩み寄り添えるようなものを作れるか、ストーリーを作れるか、というのをロゴ制作においては意識しています。 手を動かす時間より、調べて考えて閃くまでの時間のほうが長いかもしれません。

皆さんに認知してもらえるサービスになるよう、デザイナーとして尽力するために今後も精進して参ります。

最後まで読んでくれてありがとうございました!