無人島シネマ

毎朝7時頃更新 忘れてしまうには惜しい映画 と雑記

628. 8マイル

f:id:desertislandmovie:20210720101148j:plain

引用元:amazon.co.jp

 

2002年のアメリカ映画

 

監督は「L.A.コンフィデンシャル」のカーティス・ハンソン

 

ぐうたらダメ母を演じているキム・ベイシンガーは、この繋がりで出演だろうか

 

 

ご存じエミネムの半自伝的な作品

 

ラップ音楽には詳しくないし、特別な興味もなかったけれど、偶然ラジオで聴いた「Stan」という曲を気に入ってから、以降のアルバム数枚は熱心に聴いた

 

不思議なもので、それでも自分にとってラップは馴染みのジャンルにはならず、意識的にも遠い存在だったせいか、エミネムの音楽はこっそり聴く(別に他の音楽を公言して聴いているワケでもないけれど)ような感覚

 

 

デトロイトという街が、自動車産業の衰退からスラム化していく経緯については、映画「デトロイト」にも書いたけれど、そこから30年後の同じ街の劣悪な環境の中から、エミネムと仲間たちが浮かび上がろうとする様子が描かれている

 

 

 

舞台は1995年のデトロイト

 

ピザ屋のバイトをクビになり、妊娠させてしまった彼女にフラれたジミー(エミネム)

 

他に頼れるところもなく、母親と妹が暮らしているトレーラーハウスに転がり込む

 

母のステファニー(キム・ベイシンガー)は娘の世話もせず、働きもせず、家賃を滞納し(賃貸のトレーラーハウスなのか?)、酒に溺れ、更に最悪なことにジミーの高校の質の悪い先輩に依存していた

 

 

ジミーの唯一の希望は、ラップで認められレーベルと契約すること

 

その為のステップとして、地元のクラブ「シェルター」でのMCバトルで勝ち抜くために、仕事に向かうバスの中でも常に思い浮かんだフレーズを書き留めていた

 

 

 

都市と郊外、富裕層と貧困層、そして白人と黒人を隔てている道路8マイル

 

成功してこの8マイルを越える

 

ラップで8マイルの向こう側の住民を罵倒しながらも、向こう側の生活を夢見る矛盾

 

それは仕事場で偶然会ったモデルを目指しているアレックス(ブリタニー・マーフィ)にしても同じだった

 

 

終盤は西部劇の決闘シーン、アクション映画のカースタントよろしく、MCバトルが繰り広げられ、これはこれで目先が変わって新鮮な楽しみだったけれど、ラップに乗せる言葉が目の前の対戦相手についてのものになると、如何せん「お前の母ちゃん〇〇〇」的なものになるのが微妙

 

どの時代にも、どの街でも、どんなジャンルでも、才能のある無しにも関係なく、本気で浮かび上がろうとしている若者の姿は絵になる

 

 

残念ながら若くして亡くなってしまったブリタニー・マーフィは、「ラーメンガール」という作品で、東京で麺修行に励むアメリカ人女性を演じている

 

 

 

明日も、アメリカの音楽映画をご紹介

Â