劇場版戦国BASARA感想


今日は「劇場版 戦国BASARA −The Last Party−」を見てきました。公開初日は避けたかったんだけど、これから梅雨の時期だし晴れた日に見に行けるチャンスは逃したくなかったので思い立って劇場に。今日は劇場版けいおん!!5枚組チケットの発売日でもあったので、混雑を覚悟してたんだけど、思いのほか空いてたのでラッキーでした。
正直、BASARA2期は幸村が迷走しまくりで個人的にツマンネって感じだったので、今回の映画もどういう内容になるか不安ではあったんだけど、映画の尺ではそんなウダウダやってらんないという制約からか、この映画では各キャラともきちんと個性が立っててブレてなかったのでよかったです。むしろ2期で悩んだ幸村がいたからこそこの内容になったのだと考えるなら、結果的に2期の内容も肯定できるかな。幸村と信玄の絆や、政宗と家臣たちの絆、家康や三成の想いなどなどをきちんと詰め込みつつ、またド派手なアクションを要所要所に入れながらも、1時間半という尺にしっかりまとめられてる点は素晴らしかったですが、クライマックスのオチがやや微妙なのと、一部の武将に活躍の機会がなかったのは(特にその武将のファンにとっては)残念だったかもしれないですね。


以下、ネタバレあり。




長政さま美味しすぎワロタ。まさか登場するとは思ってなかっただけにそのキーパーソンぶりにビックリしたけど、長政さま好きとしては完全に俺得。
ただ客観的に見るとこの展開は「ねーよ」と思うなあ。三成とお市が蒔いた種をその2人で刈っただけで、他の武将たちは完全に巻き込まれ損の徒労だからねえ。せめて、武将たちの総攻撃で信長が弱ってたからこそ2人が幕引きできた、みたいな演出になってればまだマシだったんだけど。実際は、武将総攻撃→信長は不死身→三成執念の一太刀→長政さまイメージ→お市覚醒して光秀を返り討ち→信長に抱きついて地獄少女、だからなあ。悪に加担した者らが彼ら自らの手で始末を付ける展開にすることで彼らに対するイメージを悪くせずに終わらせるってのはありがちな見せ方ではありますが、幸村や政宗の活躍で決着が付くことを期待して見てた人らにとっては不完全燃焼もいいところだったのではないかと。
まあその後にライバルどうしのバトルが入るので、完全にシラケるわけではないけど、だったらEDもOPと同じように、本編とシームレスにつながるバトルシーンで締めくくったほうが良かった気がするな。雑兵ダンスはTVシリーズでも話題になったけど、これをやるよりは、後日談的なモノも含めてメインキャラたちのその後に焦点を当てる終わり方にしたほうが良かったと思う。これでシリーズ最後だとするのであればなおさら。


あとは謙信さま&かすが、利家&まつがほぼハブられてるのもどうかと思った。まあ話の本筋に絡めにくかったのはわかるけど、もう少し出番があってもよかったでしょ。


個人的に印象的だったのはOPの墨が飛ぶ演出。百花繚乱サムライガールズでちょっと話題になった表現だけど、従来のアクションシーンで使われる閃光や火花のエフェクトのかわりに使われるだけでも和風な感じが出るのはなかなかいいよね。特にこの作品はアクションが派手なだけによく映えるし。ただ、飛び散った墨を画面に長く残しすぎて不自然に感じるところもあって、それこそ閃光や火花の如く一瞬で消えるような(滲んで消えるような)見せ方のほうがいいかな〜とは思った。
あと、徳川家康がここまで実直で裏のない人物として描かれるのも、フィクションに限っても珍しいよな〜と今更ながら。TVシリーズで描かれた幼少期には、権謀術数を巡らせようとして逆に足元をすくわれたような格好になる展開もあったけど、そこからここまで好青年に様変わりしたのにもビックリしたわ。ホントに同一人物なの?くらいの勢いでw


総じて、個人的はそこそこ楽しめた内容ではあったけど、キャラ萌えアニメとして要所で失敗してる感が若干あり、そこが気になっちゃう人にとっては低評価にもなりうる作品だという印象です。