児ポWGのパブコメ募集
政府の児童ポルノ排除対策ワーキングチームが策定した対策案についてパブリックコメントの募集を開始しています。
ざっと対策案の文面を見るかぎり、被害児童の発見や救済について言及されているところは一定の評価ができますし、児ポ法の規制強化等については言及されていないように見えますが、以下の文言に注意する必要があります。
また、2008年11月、リオデジャネイロで開催された「第3回児童の性的搾取に反対する世界会議」において取りまとめられた「児童の性的搾取を防止・根絶するためのリオデジャネイロ宣言及び行動への呼びかけ」について国内での周知に努める。
この世界会議ってのは以前にこのブログでも少し触れた奴ですが、そこでは市民団体が日本の現状についていいかげんな報告をしていて、その会議で採択された協定に含まれた「バーチャルな児童ポルノも規制する」とした文言が、日本では(少なくとも一部マスコミによると)「アニメ漫画ゲームも規制するもの」として解されているっぽい。なので、上掲の対策案においては“リオデジャネイロ宣言”を実際にどう解しているのか、アニメ漫画ゲームへの規制も推進する意図で国内での周知を行なうものなのかどうかを問うた上で、それには反対であるという意見を表明するような、そういうコメントを送ったほうがよいかと思います。
あと、この対策案の中では、ここんとこ話題に上っているところでブロッキング関係の話があって、名目上は「児童ポルノを掲載しているサイトを発見した際、当該児童ポルノが削除されるまでの間、緊急避難的にそのサイトへのアクセスを遮断することで拡散を防ぐ」というものだけど、これも運用次第で結構危ない側面がある。
例えば画像アップロード掲示板サイトなんかで、サイトの開設者本人は児童ポルノを掲載する意図が無かったとしても、悪意あるユーザがそれをしてしまう場合があって、そのとき、ブロッキングされる範囲がその画像のURLだけならいいのですが、サイトそのものがブロックされてしまうような大雑把なブロッキングでは、このような画像アップロード掲示板のサービスが立ち行かなくなってしまうような側面があります。
なので、「ブロッキングするのならば、児童ポルノへのアクセスだけが遮断されるように、ブロックする範囲を必要最低限に(多くの場合、当該児童ポルノのURLだけに)絞り込むこと」「ブロックの実施内容に不服がある場合、サイト運営者が異議申し立てを行なえるようにすること」などを盛り込むようコメントしたほうがいいでしょう。