歯科衛生士のよみもの

kindle unlimitedで本を読み漁り、感じたことを考察していくブログです。

ザ・資本主義

今回は、ジャンルの違う3つの本から考えたことをまとめていきたいと思います。読んだ本は、「たった一人の熱狂 仕事と人生に効く51の言葉」(2015年)、「夢が勝手にかなう脳」(2017年)、「知足たる人生: 執着を手放して、賢くシンプルに生きる 幸せな生き方」(2023年)です。

 

 

 

 

 

各本の著者

 

「たった一人の熱狂」の著者さんは、幻冬舎を設立し代表取締役社長を務める見城徹氏です。本書執筆時60代ですが、Webを見に行ってみると70代になった今も現役のようでした。本書の中でも後継者について、

候補は3人ほどいるのだが、残念ながら現時点では、その3人が束になっても僕一人に届かないと自負している。

とあり、今でも資本主義の最前線で戦われているみたいですね。

 

「夢が勝手にかなう脳」の著者さんは、過去記事「洗脳から身を守る方法」と同じ著者さんです。

 

ddh-book.hatenablog.com

 

苫米地氏の本は色々読みましたが、意見が強くて私はちょっと苦手です(でも読みます笑)。しかし、本書では自分の役割は戦争と金融資本主義を終わらせ、世界が平和になること、人々から差別をなくすことに力を尽くすことだと語っており、ちょっと意外で驚きました。

 

最後に「知足たる人生」の著者さんは公認会計士ですが、本書は原始仏教や哲学がベースになっています。お釈迦様の教えを紐解きながら、幸せに生きることについて書いてあるのですが、本書で特に参考になったのは、満足と我慢と欲望についてです。

 

 

満足と我慢と欲望

 

ブッダは「健康」の次に来るものが「満足」であり、満足こそが最上の宝であると言い切っているそうです。満足とは知足、つまり足るを知るということです。

「我慢」も原始仏教由来の言葉です。サンスクリット語「mana(マーナ)」の漢訳が我慢だそうです。我慢は原始仏教においては七慢の一つとされており、他に慢、過慢、慢過慢、増上慢、下劣慢、邪慢があります。我慢というのは「わたしはこれで満足していますよ、と嘘をついて強がること」だということでした。 ちなみにここでの嘘をつく相手は他でもない自分の心です。

そして、満足と我慢を分けるもの、それが欲望です。欲望が満たされている時に満足、欲望が満たされていない時に我慢となります。欲望というのは際限がなく、満たされることがありません。ブッダは、いかなる富によっても、心を満足させることができないということを伝えています。世界一の資産家であるロックフェラーも、「人生において必要なお金はいくらだと思いますか?」という質問に対して「あと少しだ」と答えたそうですよ。

 

 

資本主義の洗脳

 

資本主義社会というのは、自由競争により経済は発展しますが、一部の人が多くの資本を所有する社会です。実際、世界の上位1%の超富裕層の資産は、世界全体の個人資産の約4割にもなっています。そして、この競争に勝つため、親や周囲の大人たちからは「一流大学に入りなさい」「一流企業に就職しなさい」と言われ続けます。

苫米地氏は、資本主義の中で成功しなければ自分は不幸になるという恐怖から、私たちは資本主義に洗脳されていると述べています。そして、無意識のうちにお互いを監視し合い、資本主義がいちばんいい社会システムだ、働かず、稼いでいない人は野垂れ死にするよ、という恐怖アンカーを埋め込まれてしまっているそうです。

この資本主義の洗脳から脱するには、自分の「want to」は何なのかを自問自答しながら、自分の行動を決めることが大切だそうです。この恐怖が存在しないことを知識として持ち、それでも感じてしまう恐怖は確信レベルの知識と慣れで克服してくださいということでした。

 

 

 

仕事中毒の経営者というのは、依存症患者と同じドーパミン中毒だと言われますが、「たった一人の熱狂」を読んで、際限のない欲望を感じました。成功のために圧倒的な努力をし、その成功体験からさらに挑戦し、努力する。読んでいて過呼吸になりそうでした。そして、後半のアルマーニや時計、料亭の話はまさに際限のない欲望そのもの、ザ・資本主義だなと思いました。

リシャール・ミルの時計は高い。一番安いものでも500万円はするし、大半の時計が1000万円以上だ。中には1億4000万円もする逸品もある。

(中略)

この時計の怖ろしいところは、1本持っているからといって満足できないところだ。もちろん最初の1本にはたまらない愛着を覚えるのだが、しばらく時間が経つにつれ次なる1本がどうしても欲しくなる。中毒性と常習性があるおかげで、僕や周りの友人たちはリシャール・ミルをまんまと何本も買う羽目になった。

苫米地氏が言っているように、自分の「want to」を自問してみて、これだと思うのであれば過去記事「自分のキャラを生きる」のようにそのようなコミュニティに入れば良いと思います。

 

ddh-book.hatenablog.com

 

とにかく、他人が言うからではなく、自分はどうしたいのか?を自問して行動することが大事なんだと思いました。

 

 

まとめ

 

ブッダは、本当の自分の幸せや満足というのは「足るを知る」ところにあると言っています。私は資本主義の外に、勝ち負け競争のないところに自分の居場所を見つけたいなと思いました。しかし、生きていくためにはお金はどうしても必要です。資本主義に疑問を持ち、湧き上がってくる恐怖を冷静に分析して、資本主義に絡み取られない豊かな生き方を考えていきたいです。

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