「なんだったんだこれ」は何度でもやってくるだろう
元号が礼和に変わり、またこういう説明の出来ない「なに?」という感じのことがやってくると思うと、期待で胸が膨らむ。絶対にパロディにしたい。
思い出してみても「アレはなんだったんだ?」と思う忘れかけていた平成の遺物、ホワイトバンド。
もうひとつの「アレなんだったんだ?」と思われる平成の遺物ハンドスピナーと合体させて平成の後半を駆け抜けたい。
※この記事は2019年のゴールデンウィークとくべつ企画のうちの1本です。
平成でうっかり忘れそうになっていた出来事を振り返ると「ホワイトバンド」が思い出される。平成17年(2005年)、僕が大学生のころにはやったグローバルな貧困根絶キャンペーンの一つである。アレなんだったんだ?
世界で苦しんでいる子どもたちのために、アーティストや有名人がチャリティのためにこぞって腕につけていた白いシリコンバンドである。
それが世間にも波及してけっこうな人が腕につけていた。みんなが完全に善意でつけていたかというとそうでもなく、かっこいいからつけていた人も多かったと思う。(だからかっこつけるのが恥ずかしい僕はつけられなかった。)
バンドに刻印された3つのアスタリスクは、当時、世界では3秒に1人の子供が亡くなっていたという意味だそうだ。忘れられた死を記号化して啓発しているものである。死を!記号化!
この日本では464万本以上販売された(!)というホワイトバンドが、本当のところ苦しんでいる子どもたちのためになっているのかどうかで批判を浴び、そのうち廃れていった。ホワイトバンドがもたらしたのは豊穣であり不毛であった。
ところで、翻っていま簡単に検索したところ、世界では5秒に1人の子供が亡くなっているみたいだ。少しばかりではあるが、いい方向に変化している。いまホワイトバンドを現役でつけてる人がいたらアスタリスクを2つ足して欲しい。
と、今から考えても、つい批判的な論調になってしまうような現象だったように思うが、過去のこととして突き放すことはできない。なぜならおよそこの10年後、人々が善意で氷水の入ったバケツを頭からかぶることになるからである。人はうっかり善意でなにか変なことをやってしまう傾向があるのかもしれない。
話は逸れるが、デイリーポータルZもホワイトバンドを模倣してオレンジバンドを制作していた。
18Kと書いてあるのは編集長の林が「18金のバンドにしよう」と言い出したからだった。たしか。
もともと「なんだったんだ?」というもののパロディなのでさらなる「なんだたんだ??」感は否めない。それほど流行っていたのだ、という証拠としてここに提示しておきたい。
いま意表をついて作ったら逆に売れたりしないだろうか。
ともあれこのバンドこそが平成を代表する遺物の一つであることは間違いないと思われる。
さて時は下るが、割と最近にも関わらずはやくも「アレなんだったんだろうな」となりつつあるの平成の遺物がこのハンドスピナーである。こちらも確かに流行った。
こちらは後の世で存在をしらない人にどうやって説明したらいいかわからない。はやっていた当時ですら説明したらいいかわからなかったほどだ。
なんとなく触って楽しいんだよね、というのが限界である。せめて実物があればわかってもらえる可能性もあるが、もう手に入らない未来になったら信じてもらうのは難しいかもしれない。
またかと思われようとも、これもデイリーポータルZでパロディにしている。
「こう、手に持って回せればいいんでしょ?」というなめた感じがしないでもないが、実際手で触れるとたのしいものになっていた。
さて今回やりたいのは、改元の記念に平成の後半を飾ったこれら遺物を合体させてみるということである。
(ホワイトバンドとアイス・バケツ・チャレンジを合体させたら皮肉が効きすぎている。)
平成後半の善意と娯楽がいま一つになった。装着して回してみよう。
いざ装着!
こちらからは以上です。
元号が礼和に変わり、またこういう説明の出来ない「なに?」という感じのことがやってくると思うと、期待で胸が膨らむ。絶対にパロディにしたい。
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