特集 2023年1月25日

ゼロから韓国語を1年勉強しました

1年間韓国語をゆるっと勉強した記録です

韓国人の友達ができた。はじめてで嬉しかったので、韓国語講座に通ってみることにした。

英語ならアルファベットで構成されてて文字が読めるし、単語もわかるが、韓国語においては、「丸」と「四角」と「棒」だな…と思うレベルである。

こんなに図形にしか見えない言語が読めるようになるのか?1年勉強してみたら言語を作った人の苦悩やアイデアが見えて大変おもしろかったので、面白かったところをまとめました。

1990年沖縄生まれ。営業日のお昼休みに(ほぼ)毎日更新する「今日の休憩」というブログを運営しています。

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「漢字に挫折した」経験から作られた文字、ハングル

週1のzoom韓国語講座に申し込んだ。私以外には3人、参加している。

先生が現れた。めちゃくちゃ明るい。教科書を1章ずつ進めながら、韓国語の成り立ちからまずオリエンテーションをしてくれた

韓国は昔、中国の漢字を使っていたそうだが庶民が「むずかしい!!!」と挫折した歴史があるそうだ。

そこで、簡単な文字を作るぞ!!と意気込んで作られたのが韓国語(ハングル文字)らしい。

太古の挫折から産まれたとはまさか思っていなかったのでもう面白い。

絶対に簡単にするぞという意思を感じる文字

まずは50音のように文字ひとつひとつの読み方を習うことになった。

先生「韓国語の文字はまず、箱があって」

先生「そこに子音、母音をいれていくルールでできています」私「へえー?」
全然わからない

先生曰く、例えば「なかま(NAKAMA)」と韓国語で書いてみると

こうなる。1文字ずつの構造をよく見てみると
「右側全部おなじ」というに気づきますでしょうか。
実は右についているこの「ト」みたいなやつが「A」(あ行)を表しているのだ。なるほど!?

「ト」=「A」ということがわかった。

脱出ゲームの謎解き的に、左側のそれぞれの文字も推理してみると

「L」みたいなやつ=「N」
カタカナの「フ」みたいなやつ=「K」
しかく(□)みたいなやつ=「M」

だということがわかってしまうのだ。

 

この要領で、子音の形と母音の形、それぞれ覚えればあとは左右の箱に入れるだけで50音が作れるということである。韓国語、なんて親切なんだ。

日本語をみると「な」「か」「ま」は同じあ行だが形に規則性がまるでない。初見に厳しすぎる

 韓国語はそれにくらべて「漢字で挫折した国民に絶対覚えてもらうぞ」という気概をかなり感じる。

ちなみに「ト」みたいなやつが「A(あ)」だといったが、「O(お)」だと「ト」の逆になるので
ママが「마마」なら、モモは右側の「ト」をひっくり返して「머머」である。

アルファベットと日本語しか読んだことない自分にとって、この「読みが簡単な言語」の体験はかなり衝撃的であった。

ルールがわかればかなり短時間で読めるようになるのが韓国語なのだ。

 

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余裕ぶっこいてた時に訪れた壁「発音」

韓国語の子音と母音を毎週3つずつぐらい覚え、3ヶ月たつと街のあらゆる韓国文字看板が読めるようになった。

まじで韓国語は英語の50倍ぐらい余裕、来年は韓国ドラマも字幕なしで見れちゃうかも♪とか持っていた矢先に打ちのめされたのが発音である。

韓国語は日本と同じようなノーマル発音の他に「激音」と「濃音」という発音方法があり

この文字たちは全部日本語表記だとすべて「チャ」だが

 だが韓国発音的には

普通に「チャ」、 勢いよく「ッチャ!」、鼻からこもる感じで「チャ」

と3つ全部違うのだ。聞き分けもほぼできない。パニックだった。

グループレッスンなので、一人ずつ「発音を3つわけていってみて」と言われる。

当然違いがわからんので

ちゃ、ちゃ!!!、ちゃ…ととりあえずテンションと表情だけ変えて言ってみる

「ふたつはあってるね」と言われた。個人的には3つ全部気合い意外は同じである。本当にカオスだった。

同じ講座の、おそらく仕事ではかなり偉いであろうおじさんも「ちゃ!!」と雰囲気で3回言っている。

この何もわからん感覚は英語講座では味わえないだろう。全員赤ちゃん状態体験で面白かった。

韓国からきた文化がより面白く感じるようになりお得な気分に

1年習ったところで、簡単な文や言い回しが作れるようになった。ただ単語がさっぱりなのでまだまだ道は長い。

ただ、本当に文字が読めただけでも韓国文化に触れる際おもしろみが変わった。

例えば韓国ドラマを見る時である。

Netflixのドラマで、ウヨンウ弁護士という人が「私の名前は上から読んでも下から読んでもウヨンウ、トマト、キツツキ、スイスと同じウヨンウ」というセリフがあった

私は日本語話者なので「いや下から読んだらウンヨウだろ」と思っていた。

が、ウヨンウという文字の「ヨン」という部分が韓国語では一文字で表現できるのだ。

冒頭に韓国語は2つのボックスに子音と母音を入れていく、と言ったが、実はボックスは3つ、4つまで増やすことができ

左だけだと「ヨ」だがなんと、下に「ン」の子音を追加することができて一文字で「ヨン」と読めるのだ。

韓国語は「う」「よん」「う」という3区切りで表記する。だから逆から読んでも「ウヨンウ」というからくりだったのだ。

韓国語を読めることになったことで、急にセリフの意味がわかり目から鱗だった。

という感じで、韓国語は子音で終わる文字がたくさんあるので、英語のようにリズミカルで音楽に適している(のでKPOPとかが人気だったりする)なんて説もあるらしい。

週1ヘラヘラ先生と喋るだけでこんなに世界が広がる。大変お得な気分である。

敬語に入ったところでしっかり挫折→満足して終了

最初は簡単だったが、1年をすぎると単語を覚えたり、敬語の用法を覚えたりかなり「記憶ゲー」になり、週1の授業だけではついていけなくなった。

個人的には今後、韓国語ペラペラになりたいという願望はない。ということでこのあたりで韓国語の勉強は終了することにした。

学生なら決めた範囲までやらなきゃ怒られるが、大人は終わりも自分で選べる。自由を手に入れた上での学習、最高である。

でも本当に文法や単語の仕組みがわかっただけで本当に楽しさが増した。

特に韓国語は街に溢れているので「お前……、こう書いてあったんか!!」という散歩するだけで伏線回収するような日々がいまだに続いている。

英語に挫折して「語学が苦手な人」も、逆に1mmも知らない言語だと面白かったりするかもしれません。


全言語「ちょっとだけ」やりたい

はじめて英語と日本語以外の言語に触れ、あたらしいルールを知るのが面白かった。「ここは英語と似てるな」「あーこれは日本語と一緒だ」と文法や発音に、別言語との共通点がでてくるのだ。

スペイン語、アラビア語、中国語など他の知らない言語もこのくらいまでなら全然やりたいなと思う1年でした。いつやめてもいい、と最初に決めるのも楽しむポイントかもしれません。

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