特集 2023年3月3日

ベトナム・ハノイの夜の路上は昔のインターネットみたいだった

久しぶりに海外旅行にいきたいと思って、ベトナムのハノイに行くことにした。

近くて安いというだけで選んだので、特に目当ての場所もない。なので、ガイドブックで「ハノイの渋谷」と書かれていた繁華街をぶらぶらすることにした。

結論からいえば、そこはハノイの渋谷ではなかった。「昔のインターネット」である。

あの無秩序だが活気にあふれた、私たちのインターネットのリアル版。

それがベトナム・ハノイの夜のストリートだったのだ。

どうでもいいことを真剣に分析してみる記事をたくさん書いているエンタメライター。音楽や映画が特に好き!

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インターネットが生まれて約50年。

限られた人だけが集まる世界だったネット空間はいまや大きくなり、昔とは別の世界になっている。

でも、この世にはまだ「昔のインターネット」が残っているのだ。そう、ベトナム・ハノイの夜の路上に。

ベトナム・ハノイはこのあたり。「ベトナム=暑い」というイメージがあるが、北部なのでわりと涼しい。

「昔のインターネットのリアル版(※私が命名しただけです)」はこのあたり。いわゆるハノイ最大の繁華街。

どこがどう昔のインターネットなのか? まずは実際のストリートを見て体感して欲しい。

ハノイ最大の繁華街である「ホアンキエム湖」あたりは、週末が歩行者天国になる。

もともと繁華街なので、昼でも夜でも人は多いが、特に週末の夜は「今日は花火大会でもあるの?」ぐらいに人が増える。

そんな人混みのすきまを縫うようにして、暗くなるとまずはこういう屋台が現れてくる。

風船を割ると景品をもらえる屋台。
こちらは書道やにがおえの屋台。

どこからともなく現れる、お祭りのような屋台たち。

「楽しげでいいな〜」と思っていると、そのとなりで唐突に 飛び入り参加型のストリート大縄跳び が始まった。

言葉はわからないが、大声を出しながら「誰か入れよ!」的なジェスチャーをしている人もいる。

さらに隣では、ベトナムで人気の競技「ダーカウ」が始まっている。

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ダーカウは足でやるバトミントンみたいな競技。4〜8人ぐらいで輪になって遊ぶらしい。
こんな感じで、いたるところに老若男女のダーカウのサークルができている。
「シャンシャン」と音がする羽を蹴りあって遊ぶ。全員すこぶるうまかった。

「こうやって好きなスポーツを皆がゆるくやっている感じ、日本の大きな公園みたいだな〜」と思っていたら...

「お金をはらうと、人前で身長と体重をはかってもらえる」という、絶対に日本の公園にはないタイプのコンテンツが始まった。

どういう理屈かわからないが、路上に「身長と体重をすぐにはかれる機械」を持ち込んでいるおじさんがいるのだ。

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完全に健康診断でやる”あれ”です。

おじさんにお金を払うと、路上でみんなに自分の身長と体重をさらせるらしい。

このあたりから、だんだんと路上に見たことがないものが増え始める。

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ありえないぐらいでかいラジコン。小さい子どもを乗せて、親が運転するらしい。
でかい上にスピードも早い。ラジコンが早すぎて追いつけないときは、セグウェイで追いかけながら操作をしていた。

正直、最初のうちは「どんなもんかな」「楽しいのかな」ぐらいの気持ちだったが、気づいたら右から左まで見たことがないもので視界が埋め尽くされており、それどころではなくなっていた。

おとなに大人気なのが、この「自転車型ゴーカート」。

路上には、子どもだけでなく、大人の乗り物も準備されている。それが爆走できるゴーカートだ。

これについては、爆速すぎてさすがに当局も危ないと思っているらしく、混んでいるときは路上で乗ってはいけないらしい。

せっかくなので、私も空いているときに路上でゴーカートに乗ってみた。
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乗り心地は完全に「キャスターがついてるオフィスチェアで爆走したとき」のそれ。
怖すぎてあんまりスピードが出せなかった。あと「まじで怖かったときの顔」になった。

ハノイの路上では、「もし大都会の路上を、一晩中好きに使えるなら何やりたい?」と言われて思いつきそうなことはほとんど全部やられている。

「恥ずかしい」とか「路上でやることじゃない」とか、誰も考えていなかった。

ここは、人間の創造力の限界にチャレンジをする場所なのだ。

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