1個10円ちょっとのサイコロでも、精度にそんなに問題がないことを知って衝撃だった。今度すごろくをする機会があれば、今回検証した精度に問題のないサイコロたちを使おうと思う。
でも、もう一生分のサイコロを振った気がするので、しばらくはやらなくていいかな。
目下、困っているのは大量のサイコロの在庫をどうするかである。いい使い道があれば教えてください。
Amazonでサイコロが売られていた。大量に入っているので、1個当たりの値段に換算したら相当お安いのではないか。
ただ一点、気になるのは精度だ。理想的にはすべての面が1/6の確率で出るはずだけど、本当にそうなるんだろうか。
「安かろう悪かろう」という言葉があるが、お安いサイコロってどれくらい正確なんだろう。やっぱりサイコロにもピンキリってもんがあるんじゃないの?!調べてみた。
Amazonのサジェスト機能は謎のアルゴリズムでおすすめ商品をピックアップしてくることがある。何気なくサイトを物色していたある日、突然おすすめされたのがサイコロだった。
Amazonにサイコロを買いそうな人間だと思われているのだろうか。
なぜ!と思いながらも気になって詳細を見てしまうのだから思うつぼである。
サイコロの相場なんて知らないが、見ていくうちにいろんな価格のものが売られていることを知った。
高級なサイコロです。
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高いものから安いものまで、価格の振れ幅がすごい。そんな、ただの立方体なのに。
でも、かなり安いサイコロって使い物になるのだろうか。やはり出る目にばらつきがあったりするのだろうか。
もし6の目が出やすいサイコロを見つけたらすごろくの時にずるできるじゃん。
そんな邪な気持ちがちょっとあったかなかったか、安いサイコロの精度を調べてみることにした。
この度のサイコロ正確性検証にエントリーした3種は以下の通り。
エントリーナンバー1、光り輝く金属製、ゴールデンサイコロ!
1個あたりの値段は238.6円。
材質は謎だが金色で金属製だ。今回のサイコロの中ではお高めで、重量感があって一番正確性を期待している。
ゴールデンサイコロ!
エントリーナンバー2、どこか懐かしいスケルトン、カラフルサイコロ!
1個当たりの値段は19.9円。金ぴかサイコロと比べると10分の1以下の値段である。プラ製なので軽い。金のサイコロよりも少し正確度は下がるのではないかと予想。
カラフルでかわいい。
エントリーナンバー3,ちょっとちゃっちいぞ、極小サイコロ!
1個あたりの値段は13.8円。まさに激安、今回の底値だ。かなり小さくて軽く、鼻息で飛んでってしまいそうである。これはさすがに精度低いんじゃないの???
以上3種のサイコロを振って、各面が出る確率を計算してみようと思う。
手始めに各さいころ200回ずつ振ってみればいいかなぁ…。
怒涛の100個入り!
まずはサイコロ各種を200回振ってみる。
ゴールドが4、カラフルが1、極小が6。
ゴールドが1,カラフルが6,極小が5。
地味である。地味すぎる。
この記事で出てくる画像は華がなさそうです、はじめに言っておきます。
サイコロを振ってはExcelに結果を記載していく。
サイコロを振っているだけなので、大事件が起こるわけでもない。
が、しかし、サイコロを振り続けるとドキドキする瞬間がある。
・サイコロが荒ぶってどっかに飛んで行く。
・ぞろ目が出るとうれしい。
でもぞろ目が続くと逆に振り方が良くなかったんじゃないかと自分を疑い出してしまう。
出ている目は本当にランダムなのか、それとも何らかの偏りがあるのか…?
ドキドキしながら200回、無心で振り続けた。
そして200回振った時点で、1~6それぞれの目が出る確率と、その「バラツキ」を計算してみた。
理想的なサイコロであれば各目の出る確率はすべて1/6で同じ、つまりバラツキは0になるはずで、目の出方に偏りがあればバラツキが大きくなるはずだ。
(詳しい方へ:ここでは標準偏差を計算してみました)
ゴールドのサイコロは出目のかたよりが小さく、極小サイコロは出目のかたよりが大きくなっているようだ!最初の想定通りじゃないか!安すぎると正確じゃないんだ!!!!
…と心躍ったのもつかの間、「サイコロ1つずつを振った結果だけで比べていいのでしょうか」と心の中の天使が問いかけてくる。
確かに…。1個だけではたまたまそのサイコロだけ精度が悪かった可能性もある。そこで各種サイコロを合計5個ずつ振ってみることにした。
3種類のサイコロをあと4個ずつ200回振るということは、さらに追加で計2400回の出目を記録する必要があるということだ。
そうやってサイコロ振りの回数が増えていく。
なんでこんなことに…と嘆きたくなる。いや、でもこれは自分で始めた物語だ…! 突き進むぞ…!!!
サイコロの写真ばかりではなんなので、子ぎつねの写真でもご覧ください。
さて、気合で3種サイコロ5個ずつ、各200回振り終わった。そして出目のかたより具合を比べてみた。
グラフの上に行くほど、出目の出る確率が偏っていてサイコロが正確じゃないということになる。
なんと、各サイコロ、特に大きな差はないという結果になった。
つまりサイコロにピンキリはないのか!?本当にそうなのか?!
今回は適当に200回という回数を決めて振ってみたが、そもそも出目の確率を語るのにはサイコロをどれくらいの回数振るべきなんだろうか。
たとえばすべての面が1/6の確率で出る理想的なサイコロがあったとして、数回振って同じ計算をしてみたところで、各目の出る確率は正確に1/6にはならない。振る回数が多ければ多いほど、各目の出る確率は1/6に近づいて、つまりバラツキが少なくなるはずだ。
何回振ればこのバラツキが落ち着くだろうか、と思って、理想的なサイコロ5個を1000回振った想定で、出目の確率のバラツキ具合を計算してみた。
(詳しい方へ:1~6までの乱数を発生させて、各目の出る確率を出してその標準偏差を計算してみました。自分でやっててもよくわかんなくなってきた、これあってるんでしょうか?)
100回振った程度では、各目の出る確率がばらついているのがわかる。で、振る回数を増やせば増やすほどバラツキが落ち着いていき、500回以上振ればほぼ横ばいになることが分かった。つまり、少なくとも500回くらい振らないと、バラツキのほうが大きくてサイコロの精度の話ができなさそうだ…。
じゃあすべてのサイコロ500回振るか!もうここまで来たらサイコロ振りまくれ!!!!
絵面が地味になるのはもうお察しの通りだ。
サイコロの画像にも飽きてきたので、代わりにぎゅうぎゅうにつまったアナゴの画像をご覧ください。
最終的に3種、5個ずつ、各500回の出目を記録した。
振った回数、その数7500回。
結果はこんな感じとなった。
先ほどまでと同様、グラフの上に行くほど、出目の出る確率が偏っていてサイコロが正確じゃないということになる。
なんとみんなほぼ差なし!
しかも、理想的なサイコロと比べてみても差がないのでどれも十分な精度があるみたいだ。
サイコロは安くても結構精度がいいんだな。
今回5や6ばっかり出るサイコロが見つかったらズルするときに使おうと思ったが、そんなものは激安サイコロのなかにもなかった。
サイコロの加工精度ってすごいんだな…!疑ってすみませんでした。
1個10円ちょっとのサイコロでも、精度にそんなに問題がないことを知って衝撃だった。今度すごろくをする機会があれば、今回検証した精度に問題のないサイコロたちを使おうと思う。
でも、もう一生分のサイコロを振った気がするので、しばらくはやらなくていいかな。
目下、困っているのは大量のサイコロの在庫をどうするかである。いい使い道があれば教えてください。
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