生活を楽に
同じ色の同じ服が家に大量にあるので、目がチカチカするな、というのはある。とてもチカチカするのだ。オレンジ色に統一したのが間違いだったかもしれない。でも、好きな色なので仕方ない。ある日のオンラインでの打ち合わせ画面を冷静に見たら、俺、オレンジが好きなんだな、と実感した。
服というものがある。我々は毎日服を着ている。服を着なければ外を歩くことすらできない。夏になれば半袖を着るし、冬になると長袖を着る。Tシャツなどは1日着たら洗濯をしなければならない。多くの服を持つ必要があるのだ。
この服というのが厄介なもので、毎日悩むのだ。今日は何を着ようかしら、と。その服の色によって、上下の組み合わせも考えなければならない。この悩みから多くの人を解放したい。私はその方法を知っているのだ。
街を歩けば、多くの洋服屋さんが並んでいる。季節ごとに異なる色とりどりの服が売られ、半袖や長袖があり、素材が異なり、もちろん値段も様々だ。そんな数多くのものから自分に似合うものを買わなければならない。
明日のデートは何を着て行こう、今日は何を着て街歩きをしようなど、我々は日々、ファッションについて悩んでいる。昨日のコーデがお気に入りだけど、洗濯中だしなんてことも多々あるだろう。人のちょっとした悩みの上位にファッションが来るのだ。
私はその悩みからすでに脱している。そんなことを悩まないのだ。上記の写真2枚は、同じ日に撮ったように見えるだろう。でも、実際は違う。2日に分けて撮ったものだ。「同じTシャツを着ているんだろ?」と思うかもしれない。でも、違う、私はそんな不潔ではない、毎日洗濯をする。
厳密に言えば「同じだけど違う服を着ている」ということになる。非常に難しい日本語だ。同じだけど、違うのだ。同じ服を複数枚持っているということ。昨日と今日は同じファッションだし、昨日と1週間前と2週間後も同じファッションなのだ。
これで「今日はどんな服を着ようかな?」から解放される。毎日同じなのだ。洗濯をしていても同じ服。なぜならたくさん持っているから。昨日のTシャツと今日のTシャツは同じだけど違うのだ。なぜならたくさん持っているから。
私は同じTシャツを25枚以上持っている。これでいいのだ。色の組み合わせに悩むこともなければ、服屋さんに行ってどれを買おうかな? と悩むこともない。なぜならすでに持っているから。今までの悩んでいた時間は優雅なティータイムにでも使えばいい。
同じTシャツを25枚持っているとして、季節が変わり少し肌寒くなったらどうするのか? そこで異なる色の長袖を買えば、当然着こなしも変わってくるだろう。でも、半袖とほぼ同じ色の長袖を持っているから着こなしも変わらない。
「じゃ、ちょっと何か羽織りたくなったらどうするの?」という意見もあるだろう。日が暮れて急に寒くなることがある。その羽織るものの色で、今まで完璧だったファッションが崩れるかもしれない。色の組み合わせが変わるから。
私に隙はないのだ。下に着ている服とほぼ同じ色の羽織るものも持っている。これで色の組み合わせは問題ない。では、昨日羽織ったものがファッション的には完璧だけど洗濯中だし、となった場合。それも大丈夫だ。
正直な話をすれば、オレンジで揃えるのは極端かもしれない。私は揃えているけど。ポイントは同じ服を複数枚持っていること。何を着ようか迷う必要がなくなる。毎日同じ格好だから。これしか持っていないのだから。
もちろん上に着るものだけではなく、ズボンもそう。同じものを複数枚持っている。とにかく悩みたくないのだ。今日はどのズボンをはこうか、と。同じズボンを複数枚買うことですべて解決する。
冬用の裏地が温かいものも3枚持っている。厳密には2枚が同じで、1枚が同じようなもの。1枚違う理由は、出かけた先が思ったより季節が進んでいて、急遽買ったのだ。そんな時も同じようなものを選ぶ。比べない限り、誰も違うズボンとは思わないから。
裏地が温かいものではない普通の長ズボンも3枚同じものを持っている。Tシャツと比べると値段が張るから5枚以上買うのがキツいからだ。本来なら5枚以上は欲しいけど。最低3枚、可能なら5枚以上が、この悩まない生活のポイントだろう。多い方が心に余裕が生まれる。
靴も同じものを3足持っている。厳密にはデザインが少しだけ違うのだけれど、見た目はほぼ同じ。ポイントは、ナイキのエアフォース1の「27.5」で、側面のナイキのマークが黒いもの、で統一していることだ。
これでどの靴を買おうか、と悩む必要もない。エアフォース1で側面のナイキのマークが黒い27.5を買えばいいから。靴屋に行って試しに履いてみる、みたいなこともしなくていいのだ。なぜならエアフォース1で側面のナイキのマークが黒い27.5を買えばいいから。
基本的に私はサンダルだ。冬場でも近所ならサンダル。そして、エドウィンのこれの27cmと決めている。私の場合はこのサンダルだと靴擦れしないのだ。1日で40キロ歩いたこともある。消耗品だし、気分を変えるときように5足準備している。
カバンも悩むところだけど、毎日変える必要はないから1つでいいかもしれない。ただやっぱり気分を変えたいときもあるじゃない。いつも同じだと飽きるから。そこで3つ。今日はこれかな、とするのだ。同じものなんだけどね。同じリュックだから。
同じ服を複数枚持っているメリットは悩まないことだけではない。これは枚数が多けれ、多いほどなのだけれど、体型を気にすることになる。5年分くらいの服がすでにあるので、体型が変わると着ることができなくなる。
そのために、太ってきたら、自然とダイエットをしようという気になる。健康にも、この同じ服を複数枚買うはいいことなのではないだろうか。そんなこと言っている私は健康診断でC判定だけどね。体型は変わっていないけど。
同じ色にこだわる利点もある。私の場合はオレンジ色なのだけれど、オレンジと言えば地主ということになる。認知度を獲得しやすいのだ。もちろんこれにはデメリットもあるけれど。
デメリットは知り合いから「昨日、地主さんを見ましたよ」と言われること。でも、それは俺じゃない、ということがあるのだ。その人がいいことをしている場合はいいのだけれど、むしろ私の評価が上がってラッキーだけど、そうでない場合は困る。俺は無罪だ、と。
あと、同じ服を持っていると知らない人と、泊まりで出かけた場合。2日目に「なんか昨日より距離あるな」と感じることがある。同じ服と思われて不潔な人みたいになるのだ。違うんです、これは、とやんわり説明する必要がある。
そんなわけで同じ服を最低3枚、可能なら5枚以上が優れていることがわかったと思う。本当に悩まない。毎日決まっているし、写真を見たらわかるように、オールシーズンで揃えているので、一年を通して悩まないのだ。靴もカバンも靴下だって同じものが複数枚あるので、あと5年は悩まずに生活できる。
同じ色の同じ服が家に大量にあるので、目がチカチカするな、というのはある。とてもチカチカするのだ。オレンジ色に統一したのが間違いだったかもしれない。でも、好きな色なので仕方ない。ある日のオンラインでの打ち合わせ画面を冷静に見たら、俺、オレンジが好きなんだな、と実感した。
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