サラミとは?
サラミとは、要は『塩気が強いドライソーセージ』で、産地によってスパイスや干し加減が違います。
名前は、サラミ、カルパス、ドライソーセージなどいろいろですが、便宜上ひっくるめて『サラミ』と呼ぶことにします。
主な原料は豚肉と牛肉らしいですが、大抵は豚肉が主原料です。
典型的なサラミ。赤い肉と白い脂肪。
気軽に食べられるアレ、ベビーサラミ
個人的には、上の写真みたいのがサラミなんですが、もしかしたらサラミっていうと、下の写真みたいのを思い浮かべるかもしれません。
どうでしょうか。
OKストアの数量限定おつまみシリーズです。売り切れてるのを見たことがありませんが限定品です。
上のは30g入りで一袋100円。
下のは60g入りで268円。100gあたりにすると3割くらい高級ですね。
『グラン』ですよ、グラン。
一般的にどうかわかりませんが、僕は『ベビーサラミ』と呼んでいるジャンルの商品です。大抵、個包装された小さなサラミが入っています。
キャンディータイプの包装を解いて食べます。
OKストアの『ミニサラミ』は、歯ごたえ柔らかめ、軽い食感と軽い味。なんの肉だかわからない感じがSFっぽくて楽しい(豚肉とラードです)。
こちらは『グラン十勝サラミ』。60gで270円くらいだったので重量あたりの価格は大差ありませんね。
一方のグラン十勝サラミは、もうちょい歯ごたえがあって、乾きモノっぽさがあります。酒のつまみならグラン十勝でしょうか。
『ごんじり』って大根の漬物を個包装にしたやつがありますが、ベビーサラミはそれと似ています。
漬物っぽさがありますね。そうです。サラミは肉の漬物なのです。
一本100円、PBカルパス
ベビーサラミに対して、こちらは普通のサラミ。長さはおよそ13cmくらいです。
お手軽な各社のPBサラミたち。
この3種類みたいに小さめで1本100円のもあれば、もっと長くて太いけど1本1,000円するのまで、価格帯は様々です。
同じように見えて味が違います。
左から、東武ストアなどで売ってるバリュープラス、イオン系のトップバリュ、セブンアイ系のセブンプレミアムです。
スライスしてみると、見た目からちょっと違いますね。セブンアイは脂肪が少なく色が濃いようです。
バリュープラスとトップバリュは似てます。バリュ友だからですかね。
セブンアイのだけ見た目に差が出た。
バリュープラスの『カルパス』
まずはバリュープラス。一言でいうと『まぁまぁサラミ』です。塩気があり、肉。うま味などは控えめで、最後に残るスパイスの香りが薬品臭さにも感じられます。
味のバランスは、塩気3、うま味3、甘味2。
100円ならこんなもんかなって感じ。
普通にサラミ。
トップバリュの『カルパス』
これは、明らかに他と匂いが違います。ちょっと燻煙されたような匂いがあり、個人的には好きな味ですね。
塩気4、うま味4、甘味2って感じの味です。
以前はよく買ってました。
セブンアイの『カルパス』
脂身少な目で、うま味と甘味が濃い目。飲み込んだ後もしばらく、わざとらしいくらいの甘味が舌の上に残ります。
ちょっと味付けに凝りすぎたか。
塩気3、うま味5、甘味4ですね。最初は『お?うまい?』と思いつつ、しばらくするとくどく感じます。
色が濃く、うま味と甘味が強い。
それぞれに味付けは違いますが、自然な感じがするのはバリュープラス。作りこまれておいしく感じるのはセブンアイって感じですかね。
トップバリュも悪くはないですが、トップバリュなら、この上のランクの『上級サラミ』を買いたいところです。
で、実は主原料は鶏肉です
最初にサラミの主原料は豚肉って書きましたが、この3種類の『カルパス』は鶏肉が主原料となっています。
まさかの、鶏肉が主原料。マジカヨ。
『カルパス』自体はロシア語で『ソーセージ』の意味だそうです。
どうも、日本では鶏肉など豚肉以外が主原料のドライソーセージを『カルパス』、豚や牛が主原料だと『サラミ』と呼んでるようです。
簡単に言えば、安いサラミは鶏肉がメインでわざとらしい味に、高いのは豚肉がメインで本物っぽくなる、と。そんな感じの理解でいいんじゃないでしょうか。
次のページから本格的なサラミの世界に入っていきます。
1本300円~のサラミ
前のページは1本100円、次は1本300円の『プリマハム 十勝カルパス』を調べていきましょう。
あれ、これもカルパスだ。
ソーセージ類ってなぜか2袋とか2本とか、セット販売が多いですよね。
2本で600円、なので1本300円です。前のページの100円カルパスの3倍。
となると、やっぱり味も3倍くらいおいしいのでした。うま味と甘味が自然になり、素直に『うまい』と言えます。
かなりサラミっぽくなってきた。
主原料は『畜肉(豚肉、馬肉、マトン)』だそうです。これも主原料が豚肉単独じゃないからカルパスって名前なんですね。
だからお前はカルパスなんだな。
トップバリュの『上級サラミ』
これはサラミ。ようやくサラミです。
トップバリュの上級サラミ、160gで税込み400円くらい。100gあたりにすると250円です(あれ、十勝カルパスより安い)。
ここ数年よく買ってた。
なんに対して上級かって、カルパスに対して上級です。
100gあたりだと、上級サラミが250円に対してカルパスが183円。あれ、そんなに差がない。
計算してみると100gあたりの値段はそんなに変わりませんが、味はちがってて、やっぱ上級の方がおいしいです。
サラミは、値段があがるほどに自然な肉の味に近づいていきます。
買うなら上級かなってことで、最近はこればっか食べてました。
ずっとおいしいと思って食べていたが、上には上がいた。
プリマハムのグラン十勝カルパス
おや、お前もカルパスかい。主原料は『畜肉(豚肉、馬肉、マトン)』です。100gあたりは429円。まぁまぁなお値段になってきました。
カルパスだけど上級サラミよりお高い。
ところでサラミ(カルパス)は冷たいまま食べるより、常温かもしくは電子レンジでちょっと温めた方がおいしいです。
脂が溶けて甘味が強くなります。
ちょっと温めると美味しいのでおすすめ。
これまでの例だとカルパスはサラミより味が落ちるイメージだったんですが、これは違ってました。
まず、ぬか味噌的な熟成香を感じられ、高級感が出てきます。味も変な作りこみがなく、素直な肉の味です。
なるほど、カルパスでも長期熟成で値段が高めならおいしいのです。
野菜と一緒に食べて赤ワインとか、最高。
鎌倉ハム村井商会『サラミソーセージ』
今度こそサラミ。値段は100gあたり314円。長期熟成カルパスより安いですな。でもこっちはサラミです。
ちなみに『鎌倉ハム』は複数のメーカーで作られていて、しかも横浜が発祥だったりしてややこしい。
出たなセルロースケーシング
ここまでのサラミは皮をむかずに食べられるタイプだったが、これは皮をむいて食べるタイプです。
え?皮?と思いました?サラミはセルロースの皮で覆われているものがあります。
消化できないので、
むかない安藤でない方は剥いて食べてください。
セルロースの皮に気付かずスライスしてしまうと、薄いサラミから皮を取るのが大変なので、食べる前に確認しましょう。
要はビニールのフィルムです。
むかずに食べられるサラミには説明が書いてあります。最近はむかないタイプが主流な気がします。
寒天とかゼラチンの皮で覆われてるタイプはむかずに食べられます。
ちょっと色が薄めですね。
味はアッサリ系。熟成香はしませんね。代わりにニンニクなど香辛料の香りがします。
イタリア系のサラミはニンニクを入れるそうなので、その流れかもしれません。
ニンニク風味がビールに合います。
サラミは塩気が強いので、味が薄い野菜と合わせた方がおいしく食べられます。
たとえばキュウリのスライスとか。
キュウリのスライスに乗せて10分くらい経ったら食べごろです。
キュウリがサラミの塩分を吸い、サラミの塩分が中和されて全体的にいい感じになります。
なお、僕の父親はサラミに塩を掛けて食べていました。今考えれば、そりゃ体壊すわって感じです。
楯岡ハム『山形カルパス』
180gで税込み570円。100gあたり316円。おや、カルパスだけど鎌倉ハムのサラミと同じくらいの値段です。
180gはサラミ的には中級くらい。
熟成香はなく、コショウの香りがしますね。脂身少な目で、セブンアイのカルパスに似ています。
見た目はセブンアイに似ているが、あれよりは値段分おいしい。
サラミ(厳密にはこれはカルパスだけど)は白くて味が薄い食べ物と合います。
例えば豆腐とか。
水を切った豆腐にスライスを乗せてパクチーを乗せた。
これも冷え冷えよりは、しばらく常温で置いて温まり、塩気が豆腐に移ったくらいが食べごろです。
パクチーは生でなくドライでもいいですし、パクチーが苦手ならパセリでもOKです。
次のページでは、これまでのサラミとは一線を画す、真の上級サラミを食べます。
震えるほどうまかったのです。
真の上級サラミたち
ここからは1本1,000円のサラミたち。この『ボルビー ワインサラミ』はアメリカ産で、100gあたり600円くらいです。OKストアで購入。
1本1,000円のサラミを買うのはかなり勇気が必要です。
肉の粒子が荒く、じゃっかん柔らかいのでスライサーではスライス出来ず、ナイフで切りました。
して味はというと。すごい。
最初はこれまでのと大差ないと思ったのですが、3回噛んだらすっごいうま味の汁が噴き出してきました。
なにこれ、別次元。
これまでのサラミはなんだったのかという、別次元のうまさ。
笑いました。100g600円になると、サラミもここまでうまいのか!と。
大根スライスが合う
サラミ、特にこういう熟成されたサラミは大根のスライスが合います。薄い大根2枚でサラミを挟んでしばらく置いておくとよいでしょう。
大根スライスとサラミの最少は抜群です。
豆腐バージョンもやってみました。サラミの歯ごたえが強いので、限りなく薄く切った方がいいです。
黒コショウで覆われたサラミ
次も1本1,000円。227gあるので100gあたりは512円と、ちょっとだけ安めです。
アメリカ産で、カルディで購入しました。
黒い粒に覆われてますが、黒コショウです。
サラミの表面が黒コショウで覆われています。これはこれで海外ではスタンダードなタイプみたいです。
中身は普通にサラミ。
これまたすごいおいしさで死にそうです。
黒コショウとサラミの相性はもともと最高で、それが周りに付いてる。うまいに決まってるじゃーん!
外国産のサラミがうますぎて震える。
白カビのサラミはやばい
次は白カビのサラミ。スペインで最もポピュラーなやつだそうです。肉のハナマサ葛西店で税込み1,058円でした。
130gなので100gあたり813円。
たけー!って思ったでしょう。でも、味もすげーです。
うまいのも納得の、イベリコ豚のサラミ。
開けると紐が付いてて真っ白なカビで覆われてました。塩かと思ったらカビ。
白いカビと、黒い紐。100g813円。
アップ。カビと言っても普通に食べられます。カマンベールとかブリーと同じ白カビです。
切った瞬間、これまで最高の熟成香が漂ってきましたよ。
口に入れる前から熟成香が漂い、一口目からうま味と甘味が押し寄せますが、なんですか、これ。日本のサラミと全然ちがう食べ物です。
サラミは調味料
ちょっと塩気が強いのでパンとクリームチーズと、出来るだけ薄く切ったサラミ。
サラミのうま味がパンとチーズを数倍おいしくします。
鉄板の組み合わせ。
ああ、生きててよかった。あなたは生きてますか。
この味を1000円でまた買える、そういう希望がこの世にはあります。サラミには脂肪と希望が詰まっています。
100g813円は高くありません。むしろ激安です。
さぁ、ハナマサへ。
食べきったらまた買いに行こう。
外国のサラミとチーズのうまさと安さは異常
日本のサラミも好きですが、正直、別の食べ物と言っていいくらい、外国のサラミはおいしいことがわかってしまいました。
そういえば3年前にフランスのシャモニーに行ったとき、こういうドライソーセージ的なものをよく食べてました。
ソーセージ専門店で、カビに覆われたサラミを売ってる。量り売り。
量り売りのサラミは1kgで26.8ユーロ。100gだと日本円で350円くらい。
感覚的には日本で買う値段の半分くらいですね。
ついでに言うと、チーズも半額くらいです。
ヨーロッパでは、チーズが安くてうまい。
日本は食べ物がおいしいってよく言うし、そうなんだろうけど乳製品やソーセージ、特にサラミは外国産が圧倒的においしいですね。
しかも海外では半額で買えるのでうらやましいです。輸送費とか関税のせいでしょうか。
もうちょっとだけ次のページにつづきます。
そんなにちゃんと盛り付けなくていいです
前のページなどでは、撮影用にキレイに盛り付けてますが、普段はそんなにキレイに盛り付けません。
こんな感じですかね。
リンゴ、キュウリ、大根をスライスして、サラミも適当にスライス。
リンゴと肉は意外と合います。サラミ、リンゴ、キュウリで生ハムメロンっぽい味になります。
味は生ハムメロン。
サラミを色々買って、消費に困ったのでチャーハンを作ってみました。
玉子とレタスとサラミのチャーハン。パクチーのせ。
サラミの塩気があるので、味付けはかなり薄くて大丈夫です。
他にも、サラダやスープなど様々な料理に具兼調味料として使うと便利です。
とりあえず、安いのからはじめて最終的には高いサラミに打ちのめされてください。
もう安いサラミには戻れません
サラミ好きを自認しつつ、じっくり食べ比べたことがありませんでした。
ここまで差があるものだとは…。
イベリコ豚サラミの味を知ってしまったら、もう100g300円くらいのサラミには戻れません。
知らなければよかったのかも知れませんが、とんでもなくうまいわりに1,000円出せば買えちゃうので、カラスミとかそういう食べ物よりは気軽に買えると思います。
日持ちするし、高いサラミを買って食べてみてください。世界が変わります。