特集 2017年8月23日

頭からっぽでいいから飲もう偏差値40からの日本酒

だめっぽい写真ですが日本酒体験中です
つねづね、ものを知るのが下手である。知識をたくわえることがおっくうでありまた苦手なのだ。

生来のせっかちも手伝いあれこれと選ぶのがめんどうで酒はビールと決めている。飲み始めたら朝までビールである。

そういうたちだから一番いけないのが日本酒だ。難しそうなオーラのはんぱなさといったらどうだろう。雑に飲んだら大将的な人に怒られそうだし酔いすぎて腰を抜かしそうだしなにを飲んだらいいのかもわからない。

ふるえて距離をとっていたが、やはりそうして生きていると「人生損してる」といわれることも多いのだ。
日本酒に詳しいライターの馬場さんに、頭からっぽでも日本酒と付き合えるのか聞いてきました。

いろいろ分かりました。
東京生まれ、神奈川、埼玉育ち、東京在住。Web制作をしたり小さなバーで主に生ビールを出したりしていたが、流れ流れてデイリーポータルZの編集部員に。趣味はEDMとFX。(動画インタビュー)

前の記事:納豆を一万回混ぜる(デジタルリマスター版)

> 個人サイト まばたきをする体 Twitter @eatmorecakes

(意訳)いいから黙って飲めや

ライター馬場さんは私とは真逆、いわゆる「物知り」タイプの人だ。

日本酒への造詣も異常に深い。深すぎて日本酒と発酵料理を専門に出す飲み屋の経営まではじめてしまった。当サイトへも長く寄稿してくれており、お酒や食べ物に関する記事がやはり多い(あとはマラソン。ウルトラマラソンとかやたら長い距離を平気で走る人でもある)。
馬場さんのお店にやってきました。ちょうどいい具合に蛍光灯で後光が差した
チャレンジングな食べ物飲み物レポートも多いが対象へのリスペクトや丁寧さは絶対に欠かさない。私は馬場さんのことを「デイリーポータルZで唯一不味いものを作ってしまっても許される人」だと思っている。

さて、そんな馬場さんのお店へ薄ボンヤリした頭でやってきた。おすすめの日本酒がたくさん置いてある。お盆のさなか、一緒にお店を経営している奥様ともども迎えてくれた。

聞きたいのは概ね「知識がなさすぎて日本酒がこわいんです」「でも知識を得るのはおっくうなんです」「でも飲みたいという意欲はあるんです」ということである。
うんちくとかほんともうどうでもいいんすよ!
「なるほど…」と馬場さん。ではこういう考え方はどうですか、とうんちくではなく実践的な日本酒とのつきあいかたについて教えてくれた。おおむね内容は

「いいから黙って飲めや」

というものであった。

実際はもっとやわらかい言葉と豊富な知識、また驚くような試飲もふくめ丁寧に時間をかけて説明してくれたのでその内容をこれから記していきたい。

頭からっぽで鼻水たらして聞きに言ったお話の一部始終である。

飲んでみないと誰もなにも分からない

やっぱりなんといっても日本酒は種類も方向性もいろいろで何をえらんだらいいかわかんないというのが難しいです。選択肢が多いことがハードルなんです。
我々も基本わかりません。要は飲んでみないとわからないんです、結局のところ。かたっぱしから飲みます。見たことないやつがあったら、とにかく飲む。もうひたすら数をこなしますね。

精米の度合いだったり米の種類だったり事前情報はいくらでもわかります。精米については、やっぱり削ってあったほうがスッキリして飲みやすくはなるんですけれども「そういう傾向がある」というだけで全部が全部そうとは限らない。

日本酒はとにかくいろんなパターンがあるから、数字がこうだからこうだとはならない。だから我々も飲むしかない。だからひたすら飲みます。
このあとに試飲にそなえおにぎりもぐもぐ食べながら話を聞き始めてます
いきなりガーンときた。くわしい人だって飲んでみないと分からないのだ。日本酒ってそんなくじ引きみたいなシステムだったのか。

高い酒は「そういうカテゴリーの酒」

それにしても「精米の度合い」だとか「米の種類」とかさっそくそれらしいワードが出てきちょっとひるむ。

素人でも分かる違いというとやっぱり「値段」だろう。

日本酒というと高価なやつはとにかく高価だ。分かりやすく高かったら美味いとかそういうことではないんだろうか。
値段でいうと「大吟醸酒」というのは値段が高いです。

高いのはしょうがないんですよ。大吟醸酒というと50%くらいお米を磨いたお酒のことです。お米を真ん中の50%しか使わないんです。手間がかかるし、半分お米を磨いちゃうから原料もたくさん必要になる。同じ量のお酒つくるんでも磨かないお酒よりも格段に使うお米が必要になるわけです。
ああ、すごく単純だ! 原料がたくさん必要だから高いんですね。じゃあめっちゃ磨くと美味しいってこと…ですか?
精米の度合いのパーセンテージはラベルに書いてあることが多い
いや、そこはもう好みです。

日本酒には基準がいくつかあって。まえに日本酒講座を開いたとき(こちらの記事)にも書いたんですが、麹の量が15%以上ですよ、とか磨き(精米の度合い)はいくつ以上ですよ、とか。そういう基準を満たしたお酒を特定名称酒っていうんですね。

ただ、その基準を満たしているから良いというのではないんです。吟醸酒とか大吟醸とか純米吟醸なんていうのもランクじゃないんです。カテゴリーなんです。カテゴリー分けであって「ランク分け」ではない。

ちなみに世の中のお酒の7割は特定名称酒ではない普通酒です。世の中にある日本酒のほとんどはそれなんです。麹の量が少なかったり、使っているお米の等級が低かったり。そういう日本酒がほとんどです。

勉強はいやだ!といいつつ、こう丁寧に聞かせてもらうとこういう表にも興味が出てくる(こちらの記事より)
良し悪しは飲んだお前が好きにきめろやってことですね。

利き酒しは目かくしして酒を飲むのが仕事ではない

でもなんかこの酒はやべえみたいな悪い酒ってのもあるんですよね? あれ飲んだらいかんわー、みたいな。
今どき売っているお酒はだいたい非常によく作られているので、世の中にまずいお酒というのは存在しないと私は思ってます。

ただ、好みに合わないお酒はもちろんあると思いますし、あとは管理の悪いお酒というのもあります。管理の悪い酒というのは日向におきさらされてるとか。

お酒は日光がだめなんです。温度は生のお酒じゃなければわりと耐えられるんですが、光には結構よわい。だから冷暗所に保管するんですけれど。われわれ利き酒師の仕事はお酒の管理なんです。いい状態に保つ。あと、お酒の案内人。

飲んで当てるとかああいうのは遊びではやるかもしれないですけど、普通あんなことはやんないです。そもそも飲んだことないお酒は当てられないし。国内に減ったとはいえ1,500くらいの蔵があってひとつの蔵が5アイテム持ってるとして年間7,500種類お酒が出るわけなんです。それが毎年出ますから。
良くないお酒は存在しない。飲んでうまいと思えばそれがいい酒。そんなシンプルな考え方でよかったとは。

ワンカップの日本酒レモンハイが最高

これ、どこにでも売ってるワンカップ大関なんですが、外国の方がこれお土産に買って「フルーティーだ」って言うそうです。個人的には「そうかあ?」って思うんですけど、人の感覚ってそれぞれなんです。

すごくスッキリは飲めます。昔とかなり違います。ワンカップもいろいろあって昔そのままの味のやつもありますが、これはかなり軽い。
試飲がいきなりワンカップ大関、偏差値40にはありがたい
甘い。あ、で、「軽い」という感じもわかります。
これなんかはソーダ割りにするといいですよ。日本酒レモンハイですね。
ソーダとお酒1対1くらいで。生のレモン絞ってもいいんですが、簡単にリキッドレモンでぜんぜんいいです。好みで少し入れて。
日本酒とソーダを1対1で、レモンは多めが美味しかったよ
…ぐわっ! めっちゃうまいですね…。
焼酎にくらべるとやわらかいですかね。焼酎は蒸留酒で当たりがかたいので。
こういうワンカップみたいなアルコール感のあるお酒にはソーダ割りはいいですよ。1対1で割ればワンカップ倍量飲めますし。アルコール度数も7度くらいになりますよね。氷結ストロングくらいのアルコール度数です。
ワンカップはもともとそこそこフレンドリーですが、さらにフレンドリーになりましたね。
こういう飲み方も日本酒ありなんです。実際出している店もあるみたいですよ。蔵人の思いはあるかもしれないですけど、お酒は飲み物なんでそこは飲み手の自由ですよね。飲み散らかして残すとか行儀わるいことしなければあとはもう自由に飲めばいいんじゃないですかね。

暑いときなんかはロックにしたっていいし、アルコール度数が高くてのみにくいものにはほんのすこしソーダ入れると当たりが軽くなります。

原酒にソーダを入れると絞りたての日本酒みたいなシュワシュワした爽快感出るんです。そのまま飲んで美味しい日本酒なら、そのまま飲めばいいんですけどね。
美味いので寄りで撮った

ワンカップのスイカ酒も最高

日本酒サングリアとかそういうのも出回ってはいるんですが、おすすめはスイカ酒。うちの店で出しるわけじゃないんですがスイカにお酒を注ぐだけのものでうまいですよ。これもワンカップで十分うまいです。
ギャル酒というジャンルがあるが、そこから半歩出たようなスイカ酒
めちゃめちゃさわやか!!!これ…果肉を食べてもうまい
パイナップルも合います。こっちはさわやかというか甘い香りのお酒になります。パイナップルは冷凍のでもいいです。常温のワンカップを氷代わりの冷凍パイナップルの上にジャッと入れて。
パイナップルはつぶして香りを出すとよい!
フルーツは何でもありですか?
スイカ、パイン、メロンあたりがいいです。

パインっぽいとかメロンっぽいとか日本酒の味の表現でよく出てくるんです。パイン飴みたいな味の日本酒もあるくらいですから。最初から相性がいいんです。スイカの場合は軽いさわやかなスキっとした日本酒の香りに近いです。合わせてその部分を高めてやるっていう飲み方です。
「ベリー系はインスタ映えするかねーと話してたんですけどね、あんまりでしたね」と奥さんが。イチゴは草っぽさあるからなあ
(さらに飲んで)あー!わかった!言ってることがわかりました! 日本酒とスイカがにてるんだ!日本酒をフルーツの味にたとえること事体よくわかってなかったんですが、そうか、日本酒がそもそもスイカっぽいんだ。くー! なんかじわじわ分かってきたぞ。
このスイカ酒、わりと知られている飲み方なんだそうだ。全く知らなかった。

とつぜんだが、「くるくるドライヤー」の便利さを37歳のときにはじめて知ったのを思い出した。

それまで自宅でヘアブローなんてやったことがなかった。不器用な自分にはできないと思い込んでいたのだ。くるくるドライヤーについて教えてくれたのは美容師さんで、きっとど定番の当たり前のことだと思うが「わざわざ教えてくれた」。そう。わざわざ教えてくれないと知らない人は死ぬまで知らないままである。

当たり前かなと思うこともわざわざ教えてくれる人がいて人は知っている側に引き上げられる。ワンカップ大関にスイカを浮かべたものを飲んでそう思った。

さてさて、徐々に学びを得てはきたが、日本酒は飲みすぎて腰を抜かす泥酔状態になってしまわないかが心配なのだ。さらに聞いていきます。
いったん広告です

日本酒をのんでも腰は抜かさない

素人が考える日本酒の恐ろしさとして、種類のわからなさと同じくらい「めっちゃくそ酔いそう」「腰をぬかしそう」というイメージがある。

お酒を飲んだら同量の水を飲むべしとは聞くが、実際どうなんだろう。
店でも日本酒出すときは水を出しますね。別にいいよって方は出さないですが。年配のおじいさんのお客さんで「お酒が薄まるからもったいない」っていって水を飲まない方もいます。

でも水を飲めば悪酔いしないし、酔い覚めもいいよって。「水一升酒一升」って言うんです。「酒一升飲む間に水も一升飲めば酒を一生飲んでも大丈夫」的な意味で。水を飲みながらなら一生お酒飲めますから。
一生飲むために水も飲んどけということですね。
実は最初から水はスタンバイされていた
1口1口水で口をリセットすると味がずっとわかるんです。私は家で飲むときは水をお酒の倍は飲みます。悪酔いしないですよ。
お酒をせがむおじさんにウーロン茶を飲ませてもばれないみたいな親戚の集まりあるあるも、あれ、おっさんサイドはちゃんと水を飲んどけばよかったのだ。
ちゃんぽんが酔うというのは飲めちゃうんですよ。味が変るから。それで摂取アルコール量が増えちゃうわけですよね。日本酒とかワインが悪酔いするっていいますが、ある種類のお酒が体質的に会わないというのはあるかもしれないけど、やっぱり飲みすぎが悪酔いするんだと思いますよ。単純に飲みすぎなんです。 古賀さん、ビールで2日酔いになると半端なくきついでしょう。
きついっすね。
結局ビールに合うものが脂っこいうえに、5%のアルコール度数で2日酔いするくらい飲むって相当量のビールを飲んでるってことですよ。胃が疲れて、きつくなるのはのは当たり前なんです。
ごもっともでしかない

わかるようになる、ということ

日本酒は飲めばわかる、飲まねば分からない。そして酒は飲みすぎると酔う。当たり前のことのようだが、説得力を持って言われねなければこういうことは分からないのだ。

馬場さんによると「飲めばわかる」にはその先があるのだそうだ。
だいたいこういうのが好きというのが自分でわかるようになるとすごく開けるんです。軽い感じのものがいいとか重い感じのものがいいとか、果物っぽいとか米々しい味わいの強いものがいいとか。じゃなくて熟成してるようなのがいいとか。いろいろ出てくるんで。
経験値が上がると好みも精査されるし、こういう感じのを今日は飲みたいな的なひらめきが出てきたりするわけですね。
うちの店では入れているお酒はチェックしたらこういうチャートにしてるんです。同じところに分類されたら同じ味かというとそういうことではないんですけれども。あくまでも目安で。こういう感じがいいんだけどと言ってくれると相談にも乗れますよね。
味の傾向チャート
ああ、日本酒好きな人がいろいろ飲んでみる理由がようやく分かった気がします。選ぶ楽しみが深いんだ。
もちろんてっとりばやいので人気だとか話題だとかのを飲みたがる人もいるし、未知のお酒を探す人もいるし。好きな人もいろいろです。

流行にのるのもありだ

いま人気とか話題とか、流行っていうのもあるんですね…。
あります。わりと最近は低精米とか低アルタイプというのが人気です。

通常だいたい日本酒っていわゆる原酒っていわれるようなお酒だと18度とかアルコール度数あってそれを加水といって風味を整えるために調整して15度くらいまでおさえるんです。

それよりももうちょっとアルコールの低いやつ。それが低アルタイプと呼ばれていて。わりとあたりが軽くなるんです。そういうのが夏場によく出てるんですよ。
こちらは13度くらいのもの
夏酒といわれる夏向きの日本酒が5月の連休終わったころくらいから出始めるんです。酸味が強かったりすっきりした日本酒なんですが、夏酒って出すと9月になると売れなくなっちゃう。だから最近は夏酒とは言わずにこうやって低アルタイプだとかそういう感じで出てきますね。
うん…おお…甘いブドウ味というかんじだ。あっ!でもこれは低アルコールとはいえ酔っ払う予感しますよ!?!?
え、ええ…(笑)。なんだかんだいっても13度ありますからね…。
普段ビールしか飲まないとそれよりは2.5倍くらいですかね。
すみやかに水を飲みます!
水が頼もしく感じる
同じ量の水と飲めば13度が6.5度ですから。
いやしかしめっちゃうまい…。
で、こちらが低精米といわれるやつ。
精米度合が88%です。100%から12%しか磨いていない。磨きまくったやつだとそれこそ7%とかいうのもありますからね、そういう意味では磨きの度合いが低いんです。玄米の状態から外側の糠を除いて通常食べる白米が90%くらいといわれています。だからそれに近い。
こういう日本酒が自力で選べるようになると「成った」というイメージある
むかしは淡麗辛口が流行って吟醸酒というすきっとしたお酒になるっていってどんどん磨け磨けといわれていたんですけれども、逆にこれは磨かずに作ってる。

お米の外側はミネラル分を多く含むので発酵を阻害して雑味がはいっちゃうんです。スッキリきれいとうよりは味がはいっちゃう。だからその味の部分を上手い具合に残してやって味をのっけてやるような作りになってます。
あ! 酸っぱくないですか!? へ~っ!!!あっこれは大変だ、ごくごくはのめないわ!後味がめっちゃどっしりしてる。
削らずに味を残すとこうなるんです。磨くほかにも味をきれいにする方法はいろいろあるんですけれども、蔵ごとに技が在るので一概にはいえないんですが。あ、あとちなみにこれはアルコール度数18.5度で高めです。
……私のようなまったくの素人状態からこの記事を読んでくださっている方、いるだろうか。どうでしょうか。私は馬場さんの言っていることが全部わかるのでびっくりしている。「磨く」とかぜんぜんわかんなかった、分かろうとしていなかった頃がうそみたいだ。

ポテチはうすしお味はだいたいの日本酒に合う

思った以上に日本酒との距離が縮まってしまって焦る。

しかしもうひとついちゃもんがあるぞ。日本酒ってあわせるつまみが難しすぎやしないか。と思ったら馬場さんは笑っていた。
ポテチは塩味なら楽勝です(そしてさし続ける後光)
ポテトチップのうすしお味は、塩と油ですからね。ピザ味のポテチだとなかなか合わせるのも大変だと思いますけど、うすしおならかなり合わせやすいとは思いますよ。結局塩味なんで。

より合う、より高めるという組み合わせはもちろんあると思うんですけれども、これは絶対に合わない! みたいなのはやっぱり好き好きですよね。味ってなんだかんだって主観的なものなんで。

家庭で飲むときに魚だから白いワインだわとか肉だから赤ワインだわとかっていうか「ウォー!ワイン!」でいいと思うんです。
楽しかったらそれで十分である、今日のおおむねの学び
つまみでがんばるとしたら方向性としては3パターンあって。

足りない部分を補完する。甘い日本酒に酢の物を合わせるような。
あとは似た味わいのものをあわせる。吟醸酒のすごくメロンっぽいようなものはメロンとあわせちゃう。
米の味のうまみのつよいのは肉料理や魚のバターを使ったものだったり、同じ方向に向かわせる。
もう一つは間逆のものを合わせる。打ち消す、たとえば脂っこいものをスッキリしたお酒を合わせる。

その3パターンあるんですけれども。
うちは店ですからイカのお刺身があったら味わいのしっかりした純米酒とかいいかなーとか、あるんですよ。合うものと合わないものは。香りの高い吟醸酒に油のつよいステーキを持ってきてもお酒の味がわからなくなるので。

そういう上手に合わせるというのは興味が出たらやるんで十分です。悩むよりも飲んじゃうほうが楽しいと思うんですよ。お酒なんで。楽しめたらいいですよ。

やれる気がしてきた

飲まないと分からない、飲めば分かる、あと飲みようを工夫することもできる、水と一緒に飲もう、まああとは好きに飲もうや。

書けば1文で終わってしまうが、これだけのことを今まで知ろうとしていなかった。

経験的に、物事は知るための入り口が狭い。狭いところを入ってしまうとあとは加速度的に分かっていくのだ。2時間でうっかりきっちりその狭い入り口を通過できる気になってきた。

馬場さん…! ありがとうございました!
2年熟成しているお酒はまろやかだった。こういうのはチョコレートとかに合わせたりするんだそうだ。でもそういうこと考えるのはまだ私は先でよさそうです

「分からない」と騒ぐ初期フェーズってあるな

なんだかよく分からないが興味はある、しかし分からなくて怖いので「分からない」と騒ぐ。ものごとの理解のファーストステップにこんなフェーズがある、私の日本酒への態度はまさにそれだった。

「いいから飲め」「いいから食え」「いいからやってみろ」というすすめ方がある。一見強引なようだが、興味があるのに二の足を踏んでいるパターンの場合はこれ以上なく優しい背中の押し方ではないか。

ビールだけ飲んでいればもういいかと思っていた。ビールだけ飲み死んでいくのだと思っていた。

しかし日本酒があったのだ。

飲んだら、なんとなく噂には聞いていたがうまい。そうかなるほどなという思いである。
スイカ酒とパイン酒は漬かったフルーツ部分がまためちゃうまい
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