私、8番らーめんのことをそんなに知りませんでした
富山県に行くのは3年連続3回目である。甲子園へ出場する強豪校のペースで行っているが、8番らーめんは「なんかあるな」ぐらいにしか思っていなかった。
編集部安藤さんから富山に行くたびにおすすめされる。
富山に行くたびにすすめられるので、これはちょっと行かないとダメだと思った。他にも情報が欲しいので富山県にいる知人にも8番らーめんについて聞いてみた。
地元の人に聞く魅力とは
――食べたことがないので教えて欲しいのですか魅力ってなんですか?
「ラーメンとしてバランスがいいですね。特筆して何かが際立ってるって感じではないんですけど、ただただ美味いです。」
――バランス。メニュー表を見た感じだと野菜が多そうなので、タンメンっぽいと思いましたが、味もそんな感じですか。
「タンメンのようなチャンポン麺のような(笑)
ラーメンと言うよりは『8番らーめん』って食べ物なんですよね(笑)」
――8番らーめんという食べ物。何か際立った特徴があるわけではないのに、独特の存在感。興味がすごい出てきました。
「発祥は石川県なんですけど、富山でもポピュラーな食べ物として幼少期から家族で食べてますね。好みのラーメンとチャーハンを一緒に頼むのがオススメです。」
子どもから大人まで食べている8番らーめん。でも、どんな味か想像がつかない。これはもう、行くしかない。行こう。次からその魅力を紹介しよう。
魅力1 遠くからでも発見できる
8番らーめんのカラーリングは赤を基調として、ロゴが黄色、信号と同じである。遠くにあってもわかりやすい。
富山駅前店の看板。
新庄店の看板。
赤色は視線をひきつける色で道路標識や信号でも使われる色である。そこにまた別の目立つ黄色を入れることで、人をひきつけてしまう魅力的な看板となるのだ。
ひきつけたその先には、おいしいメニューたちが待っている。
おいしいメニューが君を待ってるぜ!
魅力2 とてもおいしい
当たり前ではあるが、おいしい。しかし、チェーン店のようなありふれた味ではない。ラーメンやチャーハンなど全てのメニューが家庭の味の一歩先にいる。
味噌ラーメン。もう、見た目がおいしい。
すべてのラーメンに「8」と描かれたかまぼこ、通称ハチカマが入っている。
味は基本的にはみそ、塩、しょうゆ、とんこつ、バター風味の5つあり、店舗によっては無い味もある。
基本となるメニューは野菜ラーメンである。現代人が不足しがちな野菜が取れるので健康になってしまう。ラーメンを食べて健康になってしまうなんていい。ちなみに野菜は追加料金を払えばより野菜を乗せられる。もっと健康になってしまう。
また、野菜ラーメンは太麺なのだが、メニューによっては細麺もあるので、太麺が好きではない人にも安心。
チャーハン。おいしさから逃れられない。
パラパラのチャーハンがおいしいとされる世の中だが、家で作ったようなパラパラすぎないチャーハンというのが食べたい。そんな願いを叶えてくれるのが、このチャーハンだ。
ちょうどいいおいしさ。毎日、食べたい。お昼にこのチャーハンが食べられるのなら午前中も頑張れる。
魅力2 やさしさでできている
8番らーめんはやさしい。頭痛薬かなと思われるかもしれないが飲食店の話だ。
まずは餃子。普通の餃子に見えるが…
この餃子の半分はやさしさでできている。どういうことか、実はこの餃子、にんにくを使っていないのだ。にんにくを使うとおいしくなるが、食べたあとに口が臭くなってしまう。
しかし、この餃子はにんにくを使っていないにも関わらずとてもおいしい。食べると肉汁、野菜の甘味が口の中に広がり、もうたまらない。
通販もあるので、ご家庭でもお楽しみ下さい。
まだまだ、やさしさが止まらない。お客のことを考えたものがある。
テーブル席に置いてあった。なんだこれ。
実はこれ、取り皿が汚れないようにしているのだ。取り皿を使おうと思ったら汚れていた。みたいなことがない。お客さんのことを考えている、いや、愛しているのだろう。僕も愛しています。
魅力3 こだわり調味料が多くて楽しい
席に座ると目に入るのが、調味料の数々である。
左からラー油、故障、酢、餃子のたれ。
普通のラーメン屋でも置いてある調味料だが、各調味料には説明が書かれている。
8番特製胡椒。食欲そそる説明文にかけたい衝動にかられる。
ラー油。ごま油の風味たまらない。なんにでもかけたい。
この説明文だけでもビールが飲めそうだ。個人的にはラー油が好きなので、みそラーメンにかけたところ、それはもう素敵な味だった。少し入れただけで、ゴマの風味が香るみそラーメンになる。あまりのおいしさに結婚したいと思った。
魅力4 迷った先にもあるので安心
例えば、あなたの行きたい8番らーめんがあったとして、その場所に行くためのバスに乗ったとする。気分はウキウキである。その土地のバスに乗り、窓の外を流れる風景を見ながら、どのラーメンを食べるかを考えている。
しかし、時間が経つにつれて、ウキウキ気分が一転するできごとが起こる。「これは行きたいところに行かないな」と気づいてしまったのだ。
とりあえず降りたところ、目の前には絶景が広がっていた。
数独パズルのような時刻表が知らせる、次のバスは2時間後という悲しいお知らせ。
普通ならこれで絶望してしまうだろう。しかし、安心してほしい。いつだって8番らーめんは我々の味方なのだ。
あった!
8番らーめんはだいたいどこでもある。なので、迷ったその土地でもきっとあるはずだ。おいしいラーメンを食べて気持ちを落ち着かせよう。
バター風味ラーメンを注文。塩ラーメンのさっぱりとバターのマイルドが合わさりおいしい。
お腹を満たしたあとは、歩いたりしながらバスを待とう。
別の場所でエンターテイメントの城と呼びたくなるブックオフを見つけた。歩くとこういうのも見つかるので歩こう。
魅力5 バターは全てのメニューに入れてもおいしい
店舗によるが、店員のネームプレートにはおすすめのトッピングが書かれている。
例として出した名前は祖母の旧姓です。
おすすめトッピングで多く見るのは「バター」であった。これはもう入れるしかないだろう。試しに唐麺(スープが少なく、全体を混ぜながら食べるラーメン。まぜそば)にバターを入れてみた。
トッピングにバターがある。
入れてみたらカロリーを表現している食べ物になった。
見た目は、ハイカロリーに見えるだろう。食べてもハイカロリーを感じる味になった。唐麺のこってりとした奥深い味とバターの濃厚な風味が胃袋を鷲づかみしてくる。
思いのほかおいしかった!
以上、5つの魅力を紹介したが、始めて食べた8番らーめんの味に感動した。これはもう、聖地本店に行くしかないだろう。
本店に行ってみる
富山から、
本店のある石川県加賀温泉に飛んで来ました。
旅のテンションというものは怖い。まさか、テレビの演出でやる「飛んで来ました」をやる日が来るとは。今見ると恥ずかしいはしゃぎっぷりだ。
ジャンプしているときにまさか、カメラが三脚から外せず、電車に乗り遅れることになるとは思わなかった。
ジャンプで一瞬で行けたらいいが、富山駅から電車で2時間。温泉地としても有名な石川県の加賀温泉駅に着いた。
加賀温泉駅にあったユーモア自動販売機。
こちらが8番らーめん本店。
8番らーめんの名前は由来国道8号線沿いに作ったのが由来である。最初は8号線の沿いの田んぼの真ん中にあったらしい。
最初から炒めた野菜がたっぷり乗ったラーメンは大評判で1日に1300杯を売り切ったこともあるという。それから徐々に北陸を中心に展開していき、いつしか老若男女に愛されるラーメンになった。この日の本店も家族連れでにぎわっていた。
これが8号線の歩道。歩いている人が自分以外いない。
横に目を向けると田んぼが。絶景の場所に8番らーめんはできたがここではない。
待ち時間の間、外を散歩してみると8番らーめんが生まれたときの情景が浮かぶような景色が広がっていた。昔の8番らーめんに思いをはせながら、店内に戻る。
店舗限定のメニューがあった。パクチー入り唐麺。
直営店には限定メニューがあるとのこと。期間限定で今は「パクチー入り唐麺」である。
でも、頼んだのはからあげセットの野菜ラーメン(しょうゆ)である。パクチーが食べられないから。
限定メニューも気になるが、からあげも気になっていたので食べてみる。常連はポテトをスープにひたして食べるという。実際に食べてみたがおいしかった。
胸肉を使っているのでヘルシー。8番らーめんは基本的に体のことを考えてくれる。
全部、はずれのないメニュー。家の近くや職場の近くにあったら確実に通うと思った。北陸に行った際にはぜひ、食べて見てください。
ローカルチェーンはおいしい
今では全国にある天下一品も、かつてはローカルチェーンの店だった。8番らーめんも是非、東京に来てほしい。週5で行くから。
本店に飾ってあった「ありがとう」。こちらこそ素敵な味をありがとう。