江戸川乱歩がフリー素材に!
江戸川乱歩作品なんて、いまだに新しく映像化されることもある、まだまだ現役感みなぎる小説。それが著作権フリー状態で使用できるとは……こりゃスゴイ!
中学生の頃から全集とかをシコシコ買い集めていた立場からすると、「もうタダで使えるんだ……」というのは若干、複雑な気持ちもありますが。
タダでも読めるようになるんだね……
さて、いくら小説を自由に使用できるようになったといっても、現在出版されている書籍の表紙や挿絵などはまた別の権利となるので、それをそのまんま印刷して出版するわけにはいかないのです。
……ということで、江戸川乱歩小説の表紙を自作していきたいと思います。
表紙がカッコイイ江戸川乱歩本
江戸川乱歩の本って、色々な出版社から出ていますが、どれも表紙がホントにカッコイイんですよね。
おどろおどろしい春陽堂の「江戸川乱歩文庫」もカッコイイし
天野喜孝が描いている、講談社の「江戸川乱歩推理文庫」もナイスですね~
もちろん、ポプラ社の「少年探偵団」シリーズもサイコー!
そんなカッコイイ表紙たちに負けない表紙を作りたいということで(?)、いーっぱいある乱歩作品の中でも、わりとメジャーな「人間椅子」をテーマに作っていきたいと思います。
「人間椅子」でオリジナル表紙を
「人間椅子」とは、
容姿が醜くてコンプレックス全開の椅子職人の男が、デッカイ革張りのひじかけ椅子を注文されたことをきっかけに、椅子の中に空洞を作り、そこに入り込んで生活するという話。
ホテルに納品された椅子から夜中にコッソリと抜け出して盗みを働いたり、座る人の身体の感触を楽しんでムッフッフしたり、さらには転売された先の奥様に恋をして……。
「人間椅子」は、そこからのオチが面白いので、読んだことない人は「青空文庫」とかで公開されたら是非読んでみてください!
短編集などにはだいたい収録されている、超代表的な短編作品です
さて、とにかくこの「人間椅子」をもとに、色んな表紙を作っていきましょう。
まずは、てんとう虫コミックス風から。
はい、こういう方向性です
うん、真面目に表紙を作る企画じゃないよ。
江戸川乱歩を口実に、色んなパロディ表紙を作って行こうという記事です。
女の子が「この椅子ステキ~」とかいっているけど、実は椅子の中に男が隠れている……的な場面を藤子・F・不二雄風に描いた表紙。
こう見ると、そういう秘密道具っぽく見えますね!?
単行本の中のエピソード風
ああ、こっちの方が秘密道具感が出ますね。
「てけてけん……にんげんいす~」
という大山のぶ代の声が(もしくは水田わさび)聞こえてくるようですよ。
「てんとう虫コミックス」のもくじ風
それじゃあ、てんコミのもくじ風に乱歩作品のタイトルを並べてみたら、全部ドラえもんの秘密道具っぽく見えるのでは……? と思って作ったのがこちら。
うーん、やっぱり乱歩の濃厚な個性が強く出すぎていて、あんまりドラえもん感は出なかったですね。
少女向け江戸川乱歩
さて続いて。
男の子のバイブルが「てんとう虫コミックス」だとしたら、女の子のバイブルはやっぱり「りぼんマスコットコミックス」!(独断)
……というわけで少女漫画風「人間椅子」
ベタな少女漫画っぽく……ということで「ときめきトゥナイト」風に。
この表紙だと、椅子の中に隠れた男の子にときめいている女の子……みたいなストーリーが展開されそうですが、実際は「いつも普通に座っていた椅子の中に変な男が隠れているのかも!? ゲゲーッ気持ち悪い!」というシーンです。
そして、カバーを開くとこんな解説があるのもお約束
江戸川乱歩のお耽美な世界に少女漫画は合うかなと思ったのですが、ポップ過ぎてあまり合いませんでしたね。どっちかというと、少女ホラー系の方が江戸川乱歩に合いそう。
そして、さらに江戸川乱歩にマッチしない少女漫画といえばコレでしょうか。
「岡田あーみん」風「屋根裏の散歩者」。天井から毒薬をたらして暗殺を試みたりするあたりは、ある意味イメージ合ってますが
雑誌表紙風「人間椅子」
江戸川乱歩の表紙を……というより、単に好きな漫画の絵を描く企画になりそうなので方向転換を。
続いては雑誌の表紙風「人間椅子」を。
「SPA!」風「人間椅子」。写真は例のごとくフリー素材です
雑誌の表紙って情報量が多いから、小説の解説とかも入れられていいかも……と思ったのですが、「人間椅子」って思いっきり短編なので、それほど書くべき情報もなく……。
単に「人間椅子」から連想される「SPA!」の見出しパロディネタ集になってしまいました。
「実話ナックルズ」風「人間椅子」
こちらは「実話ナックルズ」の表紙に必ず登場してくる例のイラストを上手く再現できたので満足しております。
あの特徴あるイラストと、アウトロー感あふれる見出しをバーッとならべたら、だいたい「実話ナックルズ」風になりますね。
……といいつつ「実話ナックルズ」だと思って、別の実話誌を買って帰っちゃうこともよくありますが。どれも似すぎてますよ、この手の雑誌の表紙!
最後は「週刊女性」風「人間椅子」を作ってみましょう
これもある意味、ものすごく特徴的な表紙。……とにかく文字情報が多いもん!
女性誌なので、買うことはめったにありませんが、コンビニなどで見かけても、あの圧倒的な文字量の表紙にはビビらされます。
あれだけ文字数があったら、短編小説なら表紙だけで全テキスト入れられるんじゃ……と思ってやってみたのがこちら。
見出し部分に「人間椅子」のテキストをだーっと流し込んでいます。
文章があっちゃこっちゃに飛んでいるので、すさまじく読みづらいですが
結果的には、さすがに短編小説とはいえ、表紙だけじゃテキストは収まらなかったです。
文庫本でいうと約2ページ分くらいしか入らなかったですね……って、文庫本2ページ分の情報量が表紙に詰まっていると思うと、それはそれでスゴイけど。
星新一のショートショートだったら収まるんじゃないかな?
フリーダムな表紙を
誰でも販売できる著作権切れとなった小説。
実際にKindleなどで安~く販売されているものもあるんですが、その手の電子書籍って、表紙が文字だけだったり、作者の写真を貼り付けただけの簡易的なものがほとんど。
まあ、小説が読めればいいっちゃいいんですが、せっかく色んな人が自由に出版できるんだから、それぞれもっと個性的な、フリーダムな表紙をつけて売ってもらいたい感じもします。
……まあ、この記事のようなパロディ表紙で販売したら、どこかから怒られそうですけど。