日食見るなら日食グラス。ない時にはオレオの袋
というわけで、ふいな日食にはオレオの袋とデジタルカメラが使えることがわかった。これでいつ今世紀最大の天体ショーが訪れても近くにコンビニさえあれば大丈夫である。
とはいえ何度も言うが簡易的なものなので、ちゃんと見たい人、ちゃんと写真に撮りたい人はそれなりの道具を揃えましょう。楽しみですね、日食。
5月21日は日食である。
ぜひとも見たいものだが、その日うっかり観察用グラスを用意し忘れていたらどうしたらいいだろう。次見られるのは18年後の北海道だ。がーん。
そんな時はお菓子の袋とカメラを使えばなんとかなる場合があるのであきらめないでほしい。
※この記事ではカメラのライブビュー機能を使って撮影しています。お菓子の袋を通して肉眼で太陽を見るのはたいへん危険ですので絶対にやめてください。また明るさに応じてカメラには減光フィルターを付けましょう。
日食観察グラスはこの記事を書いている時点ではまだ普通に売られているが、今後いつ売り切れてもおかしくない(売り切れなくてもおかしくないが)。
前述のとおりいざ見たくなっても近くに売っているお店がないなんて事態も予想できる。その時我々はどうしたらいいのか。反省し続けて18年後の次を待つのもいいが、18年くらいするときっと悔しさも忘れてまた見逃すだろう。
そんな人に朗報です。とりあえず「おれも見たよ!」と人に言いたいくらいのレベルなら、お菓子の袋でも日食の観察ができるのだ。
日食グラスは薄いアルミのフィルムを使っていたりするのだが、裏が銀色のお菓子のパッケージも同様にアルミフィルムを使っている。これを使って太陽が見えるというわけだ。試してみた。
キングオブ袋お菓子、かっぱえびせん。
子どもの頃、かっぱえびせんの端をかじってはちょっと舐め、次々とつなげて長くしたことのある子どもはいないか。「一本長いのはいってた!」ってまず騒ぐのが僕らの定番だった。
さすが長い人気を誇るだけあって実にしっかりとした袋である。パリッとしていて高級感のある触り心地だ(袋が)。適度な厚みもあって湿気や光を完全にシャットアウトしてくれそうな安心感である。
期待をこめて袋の裏側から太陽をのぞいてみた。
※この記事ではカメラのライブビュー機能を使って撮影しています。お菓子の袋を通して肉眼で太陽を見るのはたいへん危険ですので絶対にやめてください。
結果、ごくごくぼんやりとしか太陽は見えなかった。中身を大切にしたばっかりに日食を見逃したかたちだ。
ただお菓子袋としては非常にしっかりと性能を発揮しているだけに言葉がない。グッジョブ!バット、ドンマイである。
袋に関して言えば、かっぱえびせんに比べてすこし柔らかいだろうか。表面はザラリとしていながらもしなやかな伸びを感じる肌触りである。
どうだ、太陽は見えるのか。
※肉眼で見てはいけません。目を痛めます。
キャラメルコーンの袋からはぼんやりと赤い光が確認できた。
当日金冠日食になったらもしかしたらこのぼんやりがドーナツ状になるのかもしれないが、判別できるかちょっと不安ではある。あとキャラメルコーンは中身がぎっしり詰っているので日食が始まってから食べきれる自信はない。食べてるうちにきっと日食終わる。
オレオの袋は中にもう一枚袋があるからだろう、前のかっぱえびせんやキャラメルコーンに比べやわらか目というか薄手の作りで袋としては頼りなさを感じた。
太陽にかざすとどうなるのか。
見える。それもかなりはっきりと。
※一見まぶしくなさそうですが、この方法では有害な光線は遮られません。肉眼で見ずにカメラを通して下さい。
オレオの袋、ほぼパーフェクトである。外装なので油でべとべとしていないし、中を食べきらなくても観察できるというのも利点だ。実はオレオの色と形は黒い太陽を暗示しているのだ、と言われたら信じる。
ちなみに今回の撮影はこんな感じで行っています。
しかしいくらオレオの袋が太陽観察に適した濃さだとしても、きっとそれ用には作られていないはず。
というわけで顔の前に袋をかざして直接太陽を見るのは絶対やめましょう。減光フィルタを付けたカメラのライブビュー機能でおそるおそる確認するくらいに恐れておくのがいいと思う。
※繰り返しますがお菓子の袋をかざして肉眼で太陽を見るのは危険ですのでやめましょう。
学生の頃、カラオケボックスで友達がカルーアミルクを注文した。
当時そんなしゃれたものを見たことがなかった僕は、運ばれてきたコーヒー牛乳的なカクテルにポッキーが添えてあるのを見てショックを受けたのを覚えている。いままで無邪気に食べていたポッキーの大人使いを初めて見たのだ。その後ポッキーゲームというのを知ってさらにショックを受けることになるのだが、どうでもいい話なので書かない。
で、どうだ。ポッキーの袋で太陽は見えるのか。
ポッキーの袋でも太陽が見えた。
※肉眼で見てはいけません。
オレオよりも少し明るいだろうか。ただ、ポッキーも中が個包装になっているので日食が始まってからでも一袋食べたらいいだけなのは気が楽だ。人にあげるにも前述の通り大人の遊技に使われるお菓子である、キャラメルコーンとかよりはスマートかもしれない。
ここから先はほとんどというかまったく太陽が見えなかったのでさらっと紹介だけしておこう。
というわけで、ふいな日食にはオレオの袋とデジタルカメラが使えることがわかった。これでいつ今世紀最大の天体ショーが訪れても近くにコンビニさえあれば大丈夫である。
とはいえ何度も言うが簡易的なものなので、ちゃんと見たい人、ちゃんと写真に撮りたい人はそれなりの道具を揃えましょう。楽しみですね、日食。
※くどいようですが、お菓子の袋をかざして肉眼で太陽を見るのはやめましょう。あくまでもカメラのライブビューで確認するか観察グラスでお願いします。
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