カントリーマアムと偽ントリーマアムを解剖して比較してみよう

調査菓子2種類のしっとりチョコチップクッキー, みなさまのお墨付き, カントリーマアム, ブルボン, 不二家

不二家がこの世に生み出した超名作クッキーであるカントリーマアム。アメリカのホームメイドタイプクッキーって言う黒船を、なんと国内で製造してしまった。国産ペリー生み出した。

「アメリカの手作りクッキーってこんなにしっとりしてんの?」
「生じゃないのこれ?」
「原材料に白あんが使われているけど、アメリカのママの守備範囲どこまでなの!これが大リーグレベル!」

などなど、その過激な来日っぷりに我々日本人は度肝を抜かれた訳ですよ。いやまぁ国内製造ですけども。僕たちが考えたアメリカのおふくろ像ですけども。

それから時は流れて、世はプライベートブランド時代に。カントリーマアム一強だったこのしっとりクッキー業界に、偶然似てしまった系の偽ントリーマアムが次々に現れた。

「私があなたの本当のママよ」
「いいや私の方が本当のママよ」
「何を言うか吾輩こそがママであるぞ死せよ」

そこかしこから新たなママが出現し、一体どれが本当のママか分からなくなるほど。偶然って怖い。

さて、今回はそんな本家カントリーマアムと、偶然良く似てしまったママ軍団のうち、西友のプライベートブランドである「みなさまのお墨付きシリーズ」から出ている「2種類のしっとりチョコチップクッキー」とを解剖して比較して見たいと思う。

そう、2種類のしっとりチョコチップクッキーは偶然似てしまった系の中でも特に完成度が高く、最早殆どカントリーマアム。数日間は気づかずに同居できるレベル。但し、みなさまからのお墨付きは貰っている一方で、唯一、不二家からだけはお墨付きを貰っていないのですよ。

不二家からのお墨付きさえ貰えれば、晴れてカントリーマアムを名乗れると言うのに。

今回使用するお菓子

カントリーマアムと2種類のしっとりチョコチップクッキー

・不二家カントリーマアム

・みなさまのお墨付き2種類のしっとりチョコチップクッキー

不二家カントリーマアムの詳細

カントリーマアム

言わずと知れた本家。白あんを生地に練り込むアメリカンマアムがノスタルジーを刺激する。

カントリーマアム12年連続売上NO1

ビスケット・クラッカー市場12年連続売上NO.1の肩書きが眩しい。やはり本当のママの存在感は半端じゃない。「君臨」っていうタトゥー入れてそう。

カントリーマアム裏側パッケージ

裏パッケージではカントリーマアムのこだわりが語られる。語られるのだが、撮影したらやけにぼけるし暗い。写真暗っ!

カントリーマアムアレンジ

カントリーマアムアレンジ

他にもアレンジを載せていたり、再加熱を勧めてきたりと抜かりなし。12年ベルトを守り続けてきた真のママは一切手を抜かない。偶然似てしまった系はおろか、ビスケットクラッカー市場の連中全てをこれからも全力で叩き潰す構えだ。頼れるぜ。写真暗っ!

カントリーマアム原材料

原材料

<バニラ>小麦粉、砂糖、植物油脂、チョコレートチップ(乳成分を含む)、還元水あめ、卵、白ねりあん(乳成分を含む)、全脂大豆粉、脱脂粉乳、水あめ、食塩、卵黄(卵を含む)、全粉乳、乳等を主原料とする食品/加工デンプン、乳化剤(乳・小麦・大豆由来)、香料(乳・大豆由来)、安定剤(加工デンプン)、膨脹剤、カラメル色素
<ココア>小麦粉、砂糖、チョコレートチップ(乳成分を含む)、植物油脂、還元水あめ、ココア、卵、白ねりあん(乳成分を含む)、脱脂粉乳、水あめ、カカオマス、全脂大豆粉、食塩、卵黄(卵を含む)、全粉乳、乳等を主原料とする食品/加工デンプン、乳化剤(乳・小麦・大豆由来)、香料(乳・大豆由来)、安定剤(加工デンプン)、膨脹剤

カントリーマアム栄養成分表示

栄養成分表示

<バニラ>
1枚(標準10g)当り:エネルギー 48kcal、たんぱく質 0.5g、脂質 2.3g、炭水化物 6.3g、食塩相当量 0.048g

<ココア>
1枚(標準10g)当り:エネルギー 47kcal、たんぱく質 0.5g、脂質 2.2g、炭水化物 6.4g、食塩相当量 0.05g

みなさまのお墨付き2種類のしっとりチョコチップクッキーの詳細

2種類のしっとりチョコチップクッキー

「偶然似てしまった系は説明臭くて名前が長くなりがち問題」はまた別の機会にやるとして、カントリーマアム度がかなり高めのしっとりクッキーで、白あんも当たり前のように練りこんでいる。実は製造元はあのブルボンなので、確かな実力者を背後に持つ。
今回は不二家からのお墨付きを貰うべく、いや、隙あらば本家を超えて新しいママとして取って代わろうという気概さえ感じるブルボンママっぷり。

2種類のしっとりチョコチップクッキー みなさまのお墨付き

本家とは裏腹にいたってシンプルな裏パッケージ。原材料と栄養成分表示の他はみなさまのお墨付きの説明だけ。これは自信の表れなのか、はたまた流石にアレンジまでは自重しているのか。
「丸パクリしてるおめーがアレンジを語ってんじゃねーよ」って言われるのが怖すぎるか。怖いよなそれ。

2種類のしっとりチョコチップクッキー原材料

原材料

<ココア>小麦粉(国内製造)、砂糖、ショートニング、植物油脂、還元水飴、白あん(生あん、砂糖、還元水飴、寒天、食塩)、カカオマス、ココアパウダー、水飴、液全卵、乳糖、デキストリン、食塩、脱脂粉乳、ぶどう糖/ソルビトール、加工デンプン、乳化剤(大豆由来)、香料、膨張剤、増粘剤(カラギーナン)
<バニラ>小麦粉(国内製造)、砂糖、ショートニング、植物油脂、還元水飴、白あん(生あん、砂糖、還元水飴、寒天、食塩)、カカオマス、水飴、液全卵、ココアパウダー、乳糖、全粉乳、デキストリン、食塩、脱脂粉乳、/ソルビトール、加工デンプン、乳化剤(大豆由来)、着色料(カラメル)、香料、膨張剤、増粘剤(カラギーナン)

2種類のしっとりチョコチップクッキー栄養成分表示
栄養成分

<ココア>1個(標準10.5g)あたり(推定値):エネルギー50kcal、たんぱく質0.6g、脂質2.4g、炭水化物6.6g、食塩相当量0.04g
<バニラ>1個(標準10.5g)あたり(推定値):エネルギー49kcal、たんぱく質0.6g、脂質2.3g、炭水化物6.7g、食塩相当量0.04g

双方を解剖して比較してみよう

カントリーマアムと2種類のしっとりチョコチップクッキー

では、まずこの二つを開封してみましょう。

カントリーマアム個包装を出す

カントリーマアムの方から。お洒落な色合いのデザインですよね。アメリカ風田舎の家が描かれています。竜巻が発生しそうなエリアの家。

カントリーマアム個包装

OPENの部分のマアム君の表情に注目。バニラ味の方のマアム君はにっこりですけど、ココア味の方は寝ているんですよね。なんで寝てんの?寝るなよ。今から真っ二つにされんだぞ。
あと、マアム君でいいの?

カントリーマアム個包装 裏側

裏側にも例のトルネードハウスが。

2種類のしっとりチョコチップクッキー個包装を出す

続いて2種類のしっとりチョコチップクッキーを開封。こちらは中もシンプルですね。火であぶるとあの家が浮き出てきたりしないかな。

2種類のしっとりチョコチップクッキー 個包装

シンプルにバニラの花とカカオ。でも、左上の余白怪しいな。本家脅かすくらいに売れたら、少しづつ家が建設されていくとかかな。

2種類のしっとりチョコチップクッキー 個包装パッケージ

裏側はお墨マークのみ。

カントリーマアムと類似カントリーマアムの比較

中身を出してみました。上がカントリーマアムで、下が2種類のしっとりチョコチップクッキー。

カントリーマアムと類似カントリーマアムの比較表側

カントリーマアムの方が少しだけ厚みがあるけど、一回り小ぶり。あとは嘘みたいに同じ。2種類のしっとりチョコチップクッキーの方が0.5g重たいけど、それって見た目に反映されるものなのかな。

カントリーマアムと類似カントリーマアムの比較裏側

ひっくり返すと2種類のしっとりチョコチップクッキーはチョコチップが浮き出ているのに対して、カントリーマアムは抑えてる。うまいこと抑えてる。
ではでは、バラしてみましょう。チョコチップに個性って出るから。

カントリーマアムを解剖する

まずはカントリーマアムを解剖。ご自慢のこだわりチョコチップが顔を出しましたよ。

カントリーマアムからチョコチップを取り出す

5つ入っていました。

カントリーマアムからチョコチップを取り出す ココア味は難しい

ココア味も同じようにバラしたんですけど、これがすごく難しくて。チョコチップとココア生地の区別がつかないんですよ。チョコチップかと思ったら生地の塊だったりして。天に投げ飛ばしたくなった。
見た目で判断可能なバニラ味とは違ってこっちは手の感触だけですから。もっと解剖しやすいクッキーにしてくれよ。
結局3個しか抽出できなかったんだけど、これはちょっと僕の技術的な問題である可能性が高いので、冷凍庫で冷やしたやつをあとでまた解剖してみます。

2種類のしっとりチョコチップクッキーからチョコチップを取り出す

続いて、2種類のしっとりチョコチップクッキーの方もそれぞれ抽出完了。
こっちもちゃんとしっとりしているんだけど、カントリーマアムの方が解剖が大変だったので、よりしっとりしている事が分かります。解剖で分かるしっとり具合ね。

カントリーマアムと類似品からそれぞれチョコチップを取り出す

狙い通り冷凍庫に入れたココア味のカントリーマアムは解剖しやすくなっていた。やはりちゃんと5つあったのね。あぶねー。
そしてこれを見ると分かるのが、本家カントリーマアムは大きめのチョコチップが5つなのに対し、2種類のしっとりチョコチップクッキーの方は小さめなのが7つ。
こうなると気になるのがその重量。

カントリーマアムのチョコチップの量

カントリーマアムのチョコチップは2グラム。

カントリーマアムのチョコチップの量を量る

当然双方の味を合わせると4グラム。

2種類のしっとりチョコチップクッキーのチョコチップの量を量る

続いて2種類のしっとりチョコチップクッキーの方のチョコチップを量ると、なんとこちらも2グラム。
当然双方の味を合わせると。

2種類のしっとりチョコチップクッキーのチョコチップの量を量る

なんでだよ。

けどまぁ付着した生地やチョコが欠けたものもあるだろうから、厳密には量れていない。恐らくチョコチップの量はほぼ同じなので、重量が0.5g軽いカントリーマアムの方が比率的には多いと言える。

2種類のしっとりチョコチップクッキーのチョコチップの使い分け

ここでちょっと気づいちゃったんですけど、2種類のしっとりチョコチップクッキーのチョコチップは、色に微妙な違いがある気がする。
写真じゃわかりにくいけど、上のバニラ味の方が若干色が黒く、ビターなのではないだろうかと。
食べ比べてみたところ、バニラ味に使われているチョコチップの方が微かにビターに感じたのだけど、気づきによる高揚感でバイアスがかかっている可能性もあって何とも判断がつかない。
仮に使い分けているとしたら、バニラ味を引き締める効果を狙った中々のこだわりポイントだけど。

結局味の違いはどうなの?

カントリーマアムありきの戦いなので、前提としてどうしても後追い製品は不利ではある。
そこを考慮してなるべく公平にジャッジしたいのだけど、それでも今回はカントリーマアムの勝ちですね。
やっぱね、しっとり具合の年期が違うというか、長い事しっとりやらせてもらってますっていうプライドを感じます。きっとマイナーチェンジを繰り返してブラッシュアップしてきたのでしょう。

2種類のしっとりチョコチップクッキーの方もすごくおいしいのだけど、食べ比べちゃうと粉っぽさというか、小麦粉感のようなものが分かっちゃう。

まとめ

見た目はほぼ同じで味も大差ないが、2種類のしっとりチョコチップクッキーは若干粉っぽさがある。
カントリーマアムの方が0.5g軽いが、チョコチップの量は同じか、ややカントリーマアムの方が多い可能性があるので、チョコ比率はカントリーマアムの方が若干上。
2種類のしっとりチョコチップクッキーも頑張ってはいるが、しっとり具合ではカントリーマアムの方に軍配があがる。

カントリーマアム解剖現場

明日はちゃんと働こう。