スポーツ選手にもっとも必要とされる「スポーツマンシップ」の精神。
勝ち負けを競い合うだけでなく、互いの健闘を称え合い、終わった後に心から笑い合えるようなプレイが、観る側の心にも素晴らしい時間を選手と分かち合えたという爽快感をもたらします。
2016年1月3日~8日に開催されたプロテニスの試合「国別対抗戦ホップマンカップ」で、5日のレイトン・ヒューイット選手(豪)とジャック・ソック選手(米)との間に起きたのは、「闘う相手に対する純粋に正しい行為」の大切さについて改めて考えさせられる出来事でした。
この動画のシーンでは、ヒューイット選手のサーブから始まりますが、ボールはライン外の判定を受けます。
ヒューイット選手が再度サーブを始めようとしたその時・・・
ジャック・ソック選手が声をかけます。”that was in if you want to challenge it”
意味は「ボールが(ライン内に)入ってたから、チャレンジしたいならどうぞ」。
ここで「チャレンジ」とは、ライン判定システムであるホークアイを利用する権限を使うことを指します。
ボールを打った選手が審判の判定に納得できないとき、一試合中三回までチャレンジを申し出ることができるのです。
ジャック選手の言葉に会場はざわつき、解説者も驚きを隠せない様子。
試合中に選手が闘う相手に有利になるような申し出をするような場面は通常見受けられませんから、皆が驚いたのも無理のないことです。
当然ボールを打った当のヒューイット選手も、驚きに開いた口がふさがりません。
しかし考えた末、ヒューイット選手はチャレンジを申し出るという決断に至ります。
チャレンジコールを宣言するヒューイット選手。表情はすっきりとして、決意の気持ちが見て取れます。
二人のやり取りに、審判は半分苦笑しながらホークアイカメラの指示を出します。
結果を表す画面を、会場の全員で見ます。息をのんで見守っている雰囲気のなか・・・
ホークアイによる結果は、ジャック選手の言うように「ライン内」判定でした。
「ほらね、インだったでしょ」と、嬉しそうなジャック選手。
試合後、ジャック選手の行為は「スポーツマンとしてあるべき姿」と称えられました。
それは、ヒューイット選手にも言えることです。
ジャック選手の「ライン内だよ」という言葉を信じてチャレンジを申し出たヒューイット選手の心意気があってこそ、今回の出来事は明確にフェアな行為と評されたのです。
自身の行為の正しさを信じ、相手の言葉を信じた二人がいたからこそのスポーツマンシップ。
この二人の行為から、私たちは生きる上で大切なことを学べるでしょう。
この動画を掲載した人は、次世代を担う子どもたちに向けてこうコメントしています。
「勝利することは大切だが、勝ち負けの記録よりも伝説になる方がもっと大切だ」と。
《記事提供:@Heaaart》
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