画像ギャラリー
ニューヨーク・タイムズ(米国)

ニューヨーク・タイムズ(米国)

Text by Rafael Motamayor

漫画『進撃の巨人』が連載を終えて2年、TVアニメ版もついに最終話が放送された。世界的に人気の高い同作の完結を受けて、米紙「ニューヨーク・タイムズ」が、原作者の諫山創にインタビューした。

※本記事はネタバレを含みます。

「世界で最も需要の多い作品」だった


アニメ『進撃の巨人』の最終話がクランチロールとフールーで配信され、2013年に放送が始まった大作がついに終わりを迎えた。

日本では11月4日に最終回が放送された

2009年から2021年まで連載された原作漫画同様、TVアニメ版はたちまちヒットとなり、現代アニメの一時代を画すシリーズのひとつとなった。スピンオフ作品や実写版、ゲーム、それから『スパイダーマン』や『アベンジャーズ』といったタイトルとのコラボ漫画まで出た。

Season 4にあたるThe Final Seasonが2020年に放送開始して以降、『進撃の巨人』はインターネット上で最も多く見られたシリーズとなった。放送日には決まってSNSでトレンド入りし、配信サーバーは頻繁にダウンした。アニメの主題歌としては珍しいことに、オープニング曲は米国のビルボードでチャート入りした。

米調査会社の「パロット・アナリティクス」によれば、ストリーミングやSNS、検索回数などにもとづく指標で、アニメ『進撃の巨人』は、2021年に世界で最も需要の多い作品だったという。

原作漫画は引き続き人気で、全世界で1億2000万部以上売れ、そのうち数巻が「ニューヨーク・タイムズ」のグラフィックノベル・漫画ベストセラーリストにランクインしている。

目の前で巨人に母親を食べられた少年の復讐を描く、スリリングではあるが、比較的単純なストーリー──そう見えたこの作品は、たちまち示唆に富む戦争譚へと発展する。作品のトーンが変わるのは、主人公のエレン・イェーガーが人類の滅亡をもくろむ過激なモンスターへと変身し、ヒール役に転じてからだ。

最終話では「天と地の戦い」が悲惨な結末に至り、世界人口の80%を抹殺したエレン率いる巨人たちは、昔の仲間たちの手で殺される。平和は達成されるが、「進撃の巨人」の世界では良い出来事が長くは続かない。

2021年に原作漫画の連載が終わってから、エレンの「闇落ち」やエンディングの意味をめぐって、多くの推測や議論がなされてきた。

作者の諫山創は最終話が放送される前に、執筆における縛りや悲劇的な結末について語った。


エレンの生き様と重なる漫画家人生

残り: 2511文字 / 全文 : 3713文字
無料会員になると記事のつづきが読めます。

さらに有料会員になると、すべての記事が読み放題!

無料登録で「特典」を利用しよう

無料会員に登録すると、毎月2本まで

プレミアム会員限定記事が読めます。

プレミアム会員について詳しく見る

オススメのプレミアム記事

読者のコメント 2
コメントを投稿するには会員登録が必要です。
クーリエのプレミアム会員になろう クーリエのプレミアム会員になろう
ニューヨーク・タイムズ(米国)

ニューヨーク・タイムズ(米国)

おすすめの記事

loading

表示するデータはありません。

注目の特集はこちら

loading
    • {{ item.type }}
    • UPDATE

    {{ item.title }}

    {{ item.update_date }}更新 [{{ item.count }}記事]

表示するデータはありません。