食料の供給不足や劣悪な環境をエチオピア政府に訴えるティグレの国内避難民たち   Photo by Minasse Wondimu Hailu/Anadolu Agency via Getty Images

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ガーディアン(英国)

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As told to Tracy McVeigh

2020年11月から内戦状態にあるエチオピア北部では、少数民族ティグレ人に対する虐殺や性暴力が横行。人道支援団体も多くが現地に入れず、国内避難民は劣悪な環境に置かれている。ティグレ州の難民キャンプで支援活動を続ける修道女が匿名を条件に、目の前で起きている惨劇を英紙に激白した。

6000人でトイレ8つを共用


この数ヵ月間、私は生きていられることに感謝しています。国内避難民のキャンプへ行って支援をする側の私は、大丈夫でなくてはならないのです。

キャンプにいる人々は劣悪な環境に置かれています。一つの部屋に40~65人が寝て、3000~6000人で8つのトイレを共用しています。衛生状態はとても悪く、水もいつも使えるわけではありません。食料や医薬品……これらの入手も難しい。

人々は毛布さえないまま、ここで3〜4ヵ月耐えています。毎日100人ほどが新しくやって来て、国内避難民の数は増え続け、物資の供給が需要に追いついていません。

メケレの中学校に設置されたシェルターで暮らす国内避難民(2021年3月)  Photo by Minasse Wondimu Hailu/Anadolu Agency via Getty Images


戦争はあまりにも突然起きました。私たちは普通の生活を送っていたのです。クリニックや教育プログラムができたりと、ティグレは良い方向へ向かっていました。それがある日、本格的な戦争へと突入し、いま私たちは23ヵ所のキャンプやコミュニティセンターで、2万5000人の国内避難民を支援しています。

家族を亡くした人もいれば、家族と離れ離れになって行方がわからない人もいて、彼らは心に深い傷を負っています。人々は悲しみ、怒り、不安に襲われ、これからどうなるのか心配でたまりません。

私たちがいる(ティグレ州の州都)メケレでの爆撃はいまやんでいますが、ここからそう遠くない所ではまだ続いています。埋葬されないまま放置された死体は、ハイエナたちの餌になっている状態です。

とても多くの人がレイプされています。8歳の女の子から72歳の女性まで。それだけレイプが蔓延しているのです。どこへ行っても見かけます。家族の前で、夫の前で、公衆の面前でレイプが行われているのです。そして彼女たちの足が、手が、切り落とされています。
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