今年に入ってずっと忙しかったためにこのブログ含めてほとんど更新出来ていませんでしたが、やっと余裕が出てきてマンガとかゲームもそれなりに楽しめるようになってきています。
さて、突然ですが、2年ほど前に少年サンデー誌上において、編集長の宣言文が出て話題になったのを覚えていらっしゃるでしょうか。当時、それまでの少年サンデー周辺でのゴタゴタとした話題がいろいろありましたので(ここでは詳しくは触れませんが)、この宣言は話題になりました。
全然関係ないですが、市原サンデー編集長のイラストはなんとなく『HUNTER×HUNTER』のミルキに似ている気がした。
それはさておき、その大改革から2年が経とうとしていますが、少年サンデーはどうなったのか。これについては読者が判断するしかないですが、自分としてはかなりおもしろくなってきているのではないか、と思っています。
最近の少年サンデーで注目するマンガ
では、最近の少年サンデーで面白いと思っているマンガとして例をいくつか。ちょうど7/18発売のコミックと並んだので、そこから主に。
古見さんは、コミュ症です。(オダトモヒト)
『古見さんは、コミュ症です。』は、ジャンルとしては、学園ギャグ+恋愛?という、ある意味ストレートなラブコメ(まあまだ進行中なのでラブコメかどうかの判断は人によりますが)。方向性としては、自分は昔月刊少年サンデーで連鎖入れていた故みず谷なおき先生の『人類ネコ科』を何故か思い出しました。
今でもかなり面白い感じですが、まだ連載から1年ちょっとなので、これからさらに期待したいところです。(これについては数日後にまた5巻を読んでから書くかも)。
古見さんは、コミュ症です。 5 (少年サンデーコミックス)
双亡亭壊すべし(藤田和日郎)
『双亡亭壊すべし』は藤田和日郎先生の新作(とはいえ1年以上過ぎているけど)。しかしこれ、過去の藤田作品同様ひとことで説明がしづらいという(独特の恐怖な雰囲気は相変わらずですが)。だけど『うしおととら』など藤田作品が好きな人は読んでみるべきでしょう。
双亡亭壊すべし 5 (少年サンデーコミックス)
天野めぐみはスキだらけ!(ねこぐち)
この作品も少年誌でよくあるお色気方面でのラブコメ。これもなかなか話の先が気になる感じ。
天野めぐみはスキだらけ! 7 (少年サンデーコミックス)
魔王城でおやすみ(熊之股鍵次)
ファンタジー世界観でのドタバタギャグ&キャラかわいい。これから舞台がどう動くか、動かないか注目。
ほかにも注目作いろいろ
ほかにも、編集長交代以後に連載開始したものでかなりいい感じのものはあり、注目しています。
また2015年以前にスタートした『だがしかし』や『銀の匙』も安定しておもしろさがありますし、『MAJOR2nd』も『MAJOR』の続編でありながらほとんど登場キャラ以外はそれを感じさせないおもしろさがあります。ほか、古参の『名探偵コナン』や『マギ』なども安定していますし、だいぶ読むものが増えていると感じています。
オリジナルな面白さがある
それと全体を見て思うのは、最近の少年サンデーは他紙の後追い(悪く言えばパクり)じゃない、独自の個性のあるマンガがだいぶ多くなっているように思えること。一昔前はそれこそ「なんかこのマンガ、他紙(主にジャンプやマガジン)で見たのと似てるなあ」という雰囲気のマンガがわりとあったのですが、最近の少年サンデーでは、ジャンルは他紙で連載しているものと似ているのはあっても、それぞれの話はここでしか見られないタイプのものがわりと多いように感じられます。
同時に、この感じならまた新しい面白さを持つものが出てくるのでは、という期待感があります。それは何も新しいスポーツとかそう言うオブジェクトの新しさでではない、既存のものでも視点や切り口、演出などで新しいと感じさせるものが。
部数は回復ならずも減少は減速
さて、ここで気になる人が多いと思うので、では部数はどうなっているか、
2017年1月~3月の時点で32万部弱。少年3誌の中でだいぶ差がついてしまっての3位となっているのは変わらず(チャンピオンは公称部数なので比較出来ないから除外)
一時期に比べて下降ペースはやや穏やかになってはいるものの、まだ上昇には転じていません。減少ペース的に昔よりはジャンプ、マガジンと差を詰めていますが、もともとの差が大きいのでそれも微量という感じでしょうか。ただ昨今の出版不況ではどのマンガ雑誌も、というかどの雑誌も減少を続けているので、これは全体的な傾向でもあります。
この厳しい出版不況の中、再び上昇に転じることが出来たならそれは成功と言えるでしょう。今後に注目したいところです。
厳しい出版不況の中での期待
実は自分は、「もうそろそろ週刊漫画雑誌はマンガのメインストリームじゃなくなるかも」という可能性を考えています。それは週刊連載というものはマンガ連載の花形ではあるものの、その刊行ペースや作業量から出版、編集側もマンガ家側も非常に労力を使う、しかし現在の深刻な出版不況ではそれを維持するだけのリターンがどんどん減少しているということによります。だからことによると現在の週刊マンガ誌10誌のうち、何冊かは消え、それに少年サンデーが含まれる可能性も想像していました。
しかし最近の少年サンデーを読む限りは、もちろん出版不況は深刻ですが、今の自分の中の期待値なら、少なくともこのまま衰退して自然消滅するわけではないかな?とも思えてくるようにはなっています。
最初の改革宣言から2年、それが成功しているなら、今よりさらに面白いものがどんどん出てくるでしょう。しばらくはその期待を持ち、読んでゆきたいと思っています。