コンテンツの「見込み消費時間」とクリック率の関係
2006/11/05日曜コラムです、こんばんは。ちょっと前のお話ですが、
個人ニュースサイトのアクセスブースト
についていろいろ話題になっていたことがありました。
どの個人ニュースサイトさまに紹介されると、一時的に
どれくらいPV(流入者)が増えるのか? というお話です。
■萌え理論Blog「昨日の失言についての始末書」
http://d.hatena.ne.jp/sirouto2/20061024/p1
上のアクセス論の結論としては、やはり
「ニュースサイトで50PVは中堅とは言い難い」でしょう。
そして「中堅は200-300PVかな。50PVは小手」だろうと、
今となっては考え直しました。
話の流れとしては、「50PV流せれば中堅」 という発言が元となって、
個人ニュースサイト関係のいろいろな方がいろいろな視点から
ツッコミを入れていくという展開になっていました。
「大手」「中堅」「小手」といったクラス分けの定義はさて置くとして、
サイト運営者さまが実際に自らが引き起こすアクセスブーストについて
どんな考え方を持っているのか、というのは大変興味深いモノです。
私自身も個人ニュースサイトの自動アグリゲータである
「メガとんトラック」というサイトを持っていることもあり、
この話題に興味は尽きません。
以前も幾つかの記事で個人ニュースサイトさまが引き起こす
「波状アクセス」 についていろいろレポートさせて頂きました。
■デジモノに埋もれる日々
実録! 個人ニュースサイトが織り成す「華麗なる波状アクセス」一部始終
http://c-kom.homeip.net/review/blog/archives/2005/07/post_205.html
実録! 個人ニュースサイトが織り成す「華麗なる波状アクセス」一部始終
■デジモノに埋もれる日々
実録!「華麗なる波状アクセス」パート2 - 直下集中型連鎖
http://c-kom.homeip.net/review/blog/archives/2005/07/post_206.html
実録!「華麗なる波状アクセス」パート2 - 直下集中型連鎖
このときのピックアップ基準が偶然にも「トータル50PV超え」だったのは
単なる偶然ではないのかもしれません。このときのサンプルやその後の
動向も加味した上で、なんとなく大手様の流入規模を推定すると、
私の印象ではこんな感じになります。
・「はてブ」 50~500PV
・「楽画喜堂」さん 8,000~15,000PV
・「ゴルゴ31」さん 3,000~5,000PV
・「カトゆー」さん 2,000~4,000PV
・「朝目新聞」さん 3,000~5,000PV
当然これは、各サイトさまの持つカラーとの相性がありますから、
一概には言えません。タイトルのつけ方などによっても大きく変動があるでしょう。
もう1つ、私が最近気にしているのは 「クリックのしやすさ」 です。
ん? だからタイトルの惹きとか、そういうコトじゃないの?
とお思いかもしれませんが、それよりも重視したいパラメータは、
「コンテンツタイプ・メディアタイプ」
なのです。つまり、リンク先がどんな種類のコンテンツなのか、
ということですね。
- CG (pya!とか)
- FLASH
- 動画(YouTubeとか)
・ニュース記事
・2chまとめサイト
・長そうなコラム
まだまだ色々な種別があるとは思いますが、ちょっと思いつくままに
書き出してみました。最近、個人ニュースサイトさまでは、
リンクを列挙する際にこうした種別ごとにまとめてそれを明記している
方も多いようです。
これらの種別の違いは、クリック率に大きな影響を与えているのではないか?
というのが最近の私の興味の中心です。自分自身の行動を振り返ってみても、
明らかに種別ごとの差が見られるからです。つまり、
CGや動画だとすぐクリックしてしまうが、
長そうな文章だとクリックするかどうかわからない
といった具合です。
これはコンテンツの 「消費見込み速度」 と大きな関係があります。
消費速度というか、神経を使う度合い が重要です。たとえば
長いコラムですと面倒くさいときは読みたくないと思ってしまいますが、
YouTubeだったら「パッと見られそうだから見ておこう」
と思えてしまうのです。FLASHも同様ですが、再生してみて長そうだったら、
10秒くらいまででピン!と来なかったものはブッタ切ったりします。
ニュース記事というのも、その意味で 「お手軽に読める単位」 を
狙ったパッケージと言えます。
それに対してブログの「○○論」のような 重そうな記事 というのは、
心と時間に余裕のあるとき(?)くらいしかじっくり読む体制を作れません。
ネットの上で情報を大量に消費する際に必要なのは、実はこうした
「コンテンツの消費効率」だったするのかも
しれません。より短時間でより大量の情報を摂取しようとすると、
より「頭を使わなくても摂取できそうな情報」を選んでいくことになります。
それに対する 良し悪しの論 はいろいろあると思いますが、
ここでは置いておきましょう。アクセスという行動を対象としたとき、
この「消費しやすいパッケージの作り方」というのが
大きな焦点になることは間違いなさそうです。
上に挙げた波状アクセスも、こうしたコンテンツ種別、消費効率によって、
いろいろ異なる動きが見られそうな予感がします。興味は尽きません。
2006/11/05 [updated : 2006/11/05 23:59]
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▼ コメント ▼
No.5485 投稿者 : 不破雷蔵 2006年11月 6日 20:30
先生! 本文の長さの解釈に加えて、「図版や写真の展開」「少し大きな文字できゃっちーなコピーの掲載」も分析してください(゚◇゚)ノ
……両方とも最近、こちらでも色々手を変え品を変え、試行錯誤を繰り返しています。いかに良いものを作るか。学術的知識がない以上、他の優良事例を参照したり、自分でトライアンドエラーをするしかないですからね(笑
消費しやすいコンテンツのほうがアクセスされやすい。でも書いてるほうはツライ。せめて文章構成をまとめ→本論にしていきたいなぁ。
ブクマ狙いでなくてもいいから、長い間読んでもらえるような記事を書きたいなあと最近思うようになりつつある
何を扱っているかがクリック率を左右。時間のかかりそうなコラムは敬遠され、すぐ処理できそうな画像や動画だったらとりあえずクリックされる。>神経を使う度合いが重要です。
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