現在5度目の全国ツアーを開催中の、声優とアイドルの活動を両立するハイブリッドユニット・i☆Ris。TVアニメ『賢者の孫』のOPテーマに起用されたニューシングル「アルティメット☆MAGIC」が、5月22日に発売された。これまでのi☆Risの楽曲とはまた違ったアングルのアッパーさやポジティブさを持ったこの曲へ、彼女たちはどう向き合ったのか。
かわいく元気で、メンバー自身も背中を押されるような表題曲が誕生
――今回の表題曲「アルティメット☆MAGIC」は、普段の楽曲とちょっと違うテイストのアッパーなナンバーになっていますね。
若井友希 最初に聴いたときは、「世間が言う“アニソン”、来た！」と思って。しかもそれがi☆Risが歌うのにもピッタリな、両方のいいとこ取りをしたようなベストな曲が来たなと思いました。
茜屋日海夏 なんだか“i☆Risの中の王道”を抜けて、“世の王道”に乗れたように思います。『プリパラ』のときは本当にキラキラして「みんなにも夢を与える」っていう内容の歌詞が多かったので、歌うときに「どうしようかな？」って結構悩んでた部分もあったんですけど、この曲は歌詞もすんなり自分自身にスッと沁み込んでいって。「やりすぎてもいいんだ」みたいな言葉には、自分たち自身も背中を押されるような思いがしますね。
澁谷梓希 私も元々こういう明るい曲は好きだけど、自分が歌うとなったら「どう表現したらいいかわかんないなぁ」って思ってたんですよ。たとえば『プリパラ』のときみたいなキラキラした曲って、自分の見せ方について悩んでいた時期でもあったので、すごく悩んで歌ったんです。でも曲自体も自分自身も振り切っちゃっているのでスルーっと歌えて、「あぁ、自分ちょっと変わったんだなぁ」って今回気づくことができました。
久保田未夢 私、デビュー当時から「深夜アニメのOPで、超元気な曲を歌いたい」ってずっと言ってきたので、「待ってたぁ！」って感じでした。でも、意外とアニソン現場だけじゃなくてアイドルとしての現場でも盛り上がりそうな曲でもあると思っています。
芹澤優 今年もアニサマ(Animelo Summer Live 2019 -STORY- )などの出演が決まってるので、そういうところでも歌ってみんなで盛り上がりたいよね。私もすごくシンプルに「好きだな」って思いましたし、みんなもたぶん一度聴けば同じように「いいな」と思ってくれるんじゃないかな、と思っています。もちろんいろんな歌をうたえるというところもi☆Risの強みではあるんですけど、この曲はいい意味で何も考えずに、素直に楽しんでもらえたら正解なのかな、って思うんです。
山北早紀 メロディラインが明るくて元気になれちゃう曲なのに、元気を押し売りしてないところもすごく好きで。「失敗して転んでも大丈夫だよ」みたいな歌詞で、応援されてる感じがするんですよ。自分自身も後先考えずにわーっと本能のままにやりたいタイプだからすごく励まされているように感じましたし、本能のままに“今の山北”で歌える曲だなとも思いました。
――続いて、この曲のダンスやパフォーマンスの注目ポイントをお教えください。
若井 間奏部分はいつも振付師のMIKAさんが遊び心をすごくたくさん入れてくださってるんですけど、今回はMVと同じように魔法を出すような振付になっているんです。あと、みんなで向き合うパートが結構多いんですけど、私向き合うのが好きなんですよ。みんな楽しそうな顔してるから。それができるのも、うれしいです。
芹澤 あと、「ずっと動いてる」っていうイメージありますね。前作の「Endless Notes」だと止まりつつの振付みたいな動きが多かったんですけど、今回はずっとハチャメチャに動いてるイメージがあります。それと、フリ数が多い！
久保田 多いね。
山北 それに速いし！
芹澤 イントロだけでもめっちゃ踊るし、かなり動いてるので「まだ身体は元気だな」って思いました(笑)。歳を重ねても振付が簡単になることはなくて、激しくなり続けるのはいいなって感じています。
山北 うん。それいいよね。
久保田 やだよね、超元気な曲なのに「あれ？今回ジャンプ少ないですね？」みたいなの（笑）。
芹澤 「あ、身体動かなくなったの気づきました？」みたいな感じになりたくないよね（笑）。
若井 ただ、身体に染み込ませるまではなかなか大変だったよね。サビで互い違いに腕を開いて閉じて、みたいな動きをするところは、場所が変わると順番が変わるからめっちゃ苦戦してたし。だから、ダンスショットを撮るときはぎゃーぎゃー言ってました（笑）。「Endless Notes」は一発撮りで行けたんですけど。
山北 そう。「とりまsorry!」って言いながら。1回目は「いいよいいよ！」みたいな感じになるんだけど、3回目ぐらいになると……。
若井 「とりまsorry!」って言えなくなってきて、「マジでごめん！」になる（笑）。
澁谷 間違えれば間違えるほど、イントロのほうで間違えやすくなったりとか。
久保田 普段間違えないのに、そういうときだけ間違えたりもあるよね。ダンスショットの前に散々踊ったところなのに間違える、みたいな。
茜屋 でも、ライブでやったらみんなで一緒に踊ってくれそうだなっていうキャッチーな振付だし、歌詞のカッコの部分とかはみんなでコールアンドレスポンスできそうだよね。「とりまsorry!」の振付もすごくかわいらしいので、みんなでやったらすごく楽しそうだなぁと思いながら踊ってました。
――コールも含めて、本当にライブ向きというか。
茜屋 そうですね。i☆Risといえばライブっていうところもあるので、また代表曲が増えたんじゃないかなって思います。
――「アルティメット☆MAGIC」は異世界に転生して賢者になるアニメ『賢者の孫』のOPに起用されていますが、みなさんは異世界転生したらどんなことをやってみたいですか？
澁谷 やっぱ闇の帝王になりたいですね。どっちかっていうとi☆Risは、ヒーローとかヒロインに近い気がするんですよ。だからあえて闇の帝王になって、でも最終的にはみんな仲良くなっちゃうみたいな感じになりたいなぁ……っていう、願望（笑）。私、ヒーローよりも悪役のほうを好きになる傾向があって。みんなやっぱり、悪いやつじゃないんですよ。いいやつなんです！本当は！
芹澤 去年は異世界ものの作品ですごいお乳揺らしてたんで（笑）、異世界行ったらナイスバディになりたい。ナイスバディになって、セクシーなダンスとかを踊りたいですね！
茜屋 私、異世界に転生したら……マンモスになりたいです。
澁谷 どしたの？（笑）。どういうこと？
茜屋 最近マンモスの化石から採取された細胞の核が動いたらしくて、そういう紀元前の生き物への興味がすごくあるんですよ。6月から始まる「マンモス展」っていう展覧会に行きたいなと思っていて。だから、「紀元前の異世界で、そういう動物になりたいな」って（笑）。
久保田 私、アニメやゲームであるように狩った動物の肉を焼いて食べたいな。自分で狩った……マンモスを（笑）。
山北 狩られた！
茜屋 捕食されてる（笑）。
久保田 ファンタジーの世界でモンスターとかを食べてるのを見て、「おいしいのかな？」って思って（笑）。だから、狩って食べてみたいですね。……茜屋は食べないから（笑）。
――怯えた目をしている（笑）。
茜屋 あはは（笑）。
若井 私、異世界に住んでるあらゆる動物と会話ができる人になりたい。動物が好きだし、何を言ってるのかを感じ取れて手懐けられたりするのにも昔から憧れてて。ドラゴンとも仲良くなって、危ないときに助けてほしい。あー、萌えちゃうそういうの！ でっかいドラゴンに、助けてほしい……！
山北 私は、ハムスターになって、イケメン主人公の胸ポケットに常に入って、でもその男の子が戦うときだけハムスターの姿から女王様になるっていう。
芹澤 ハムスターが女王様になる……？（笑）
山北 まずハムスターになって人間がすごくデレデレしてる顔を間近で見たいなっていうのと、女王様にもあこがれるから……ボンテージみたいなの着たいですね！普段はとても力の強い女王様だからハムスターに転生して、その力を隠してるんですよ。
澁谷 いちばん中二病の発想じゃん（笑）。
歌詞も要チェック！なカップリング曲は、開催中のツアーのテーマ曲
――シングルリリースのタイミングではツアーも佳境に差し掛かっていますが、そのツアーのテーマ曲として制作されたのが、カップリング曲「ありえんほどフィーバー」です。
若井 曲だけというより、ダンスも含めて全体的に“ダサかっこいい”っていう感じがします。でもよく見たらかっこいい曲だし、ダンスはおもしろい……みたいないいバランス。ダサいが入るところが、ちょっとi☆Risっぽい感じがするんですよ。
山北 わかる。あと、「ちょっとふざけてるのかな？」って思うけど、歌詞を読み解いていくと結構深いこと言ってるんだよね。
芹澤 この曲はツアーで毎公演1曲目に歌ってるんですけど、歌っていくにつれて、エモーショナルさを感じる歌詞が多いなと思うようになっていったんです。
――たとえば、どんな部分が？
芹澤 特に、「あなたの元へ逢いに行く あなたの元へ逢いに来たんだ！」とか「ぼくらは生きているんだよ 確かな奇跡がここにあるよ」とかですね。 ライブってやっぱり奇跡みたいなものだから、ライブ中にその言葉を聴けるのって、私的にすごくいいなって思うんです。そういう言葉が、千秋楽に向かっていくにつれて「いよいよツアーラストかぁ」みたいに思わせるようになっていて、みんなの中に刺さってくるんじゃないかな？
若井 よかったよね、1曲目にして。
芹澤 ね！ すごくよかったなって思った。
茜屋 本当に、公演を重ねるたびにどんどん刺さってくる曲だと思うので、ぜひ歌詞カードを読んでほしいですね。
――そういう意味で、表題曲は一発で「いいな」と思ったというお話がありましたけど、こっちは聴けば聴くほどさらに。
若井 これね、スルメです。
芹澤 うん。だと思います。
久保田 私は最初、いい意味で「わー、数年前のニコニコ動画のボカロのランキングで1位になってそう！」ってすごく思いました。ちょっと昔な感じもしつつもみんなで乗れる曲調だったりとか、歌詞の中での繰り返しだったりとかからそう思ったんですよ。あと、「あっはっはっはっは 悲しい」みたいなフレーズも面白くて。
山北 なんか、オタクの歌にも聴こえてこない？
久保田 そう！ そういうところもあって。
山北 「君と目が合って 嬉しい」とか、「何気ない日々の勘違いが愛しい」とか……オタクに対しての歌だった！ そもそも「ありえんほどフィーバー」っていうタイトルが、オタクの方が好きになってくれそうだよねっていう話をしてたからね（笑）。
久保田 しかもそのほかの一つひとつのフレーズも、「理想像より 桃源郷より」とか「天文学的確率の恋」とかチョイスが独特で。それもクセになるんですよ。
茜屋 私もニコニコ動画が好きで、この曲を提供してくださったピノキオピーさんの曲もPVつきでよく観ていたので、最初に聴いたときにはボカロのPVみたいなのが浮かんだんですよ。それに歌詞が……今ちょっと新しい解釈生まれましたけど（笑）、寄り添ってみたら「わかる」みたいなところが多くて。たとえばさっき出た「悲しい」のところも、「悲しいとき、笑ったりとかするもんなぁ」とか思ったり。「そんな表現するんだ！」みたいなフレーズがあるけど、そこが共感できて。深いなぁって思いました。
澁谷 サウンド的には、フィルターのかかってるようなちょっと懐かしいサウンドになっている曲なんですけど、ピノキオピーさんが作る音がそのまんま「ピノキオピーさんだ！」っていう感じなんですよ。ハチャメチャ感とかはi☆Risらしいんですけど。それにプラスしてこの歌詞っていうのが、ちょっとボカロ曲に近い感じになってていいんですよね。
――そのフィルターのかかった音というのも、ツアーのイメージとも合いますよね。
澁谷 そうですね。レトロまでは行かないんですけどポップな感じ、チップチューンまでは行かないけど、軽くもあり重たいサウンドっていう感じがします。
――さて、今回のシングルはi☆Ris初の令和時代のリリースとなりますが、令和はi☆Risにとってどういったものにしたいですか？
山北 ……やっぱ令和は、紅白に出たいかな？ 平成最後の紅白には間に合わなかったので、紅白に出れるように頑張りたいですね。何度目の令和でもいいので！
若井 でもホント、シンプルに「たくさんの人に知ってもらいたい」（笑）。ミーハーでもいいから、誰もが「あー、知ってる知ってるー！」みたいな存在になりたいです。
澁谷 以前「愛し愛されi☆Ris」みたいなコンセプトを掲げてましたけど、令和になっても変わらずに、みんなに愛されるi☆Risでいたいなって思いますね。あと、今回のMVはすっごいかわいいので、あのコンセプトは継続していきたい。
若井 あれ、ホントにみんなが受け入れてくれそうな感じだよね。
芹澤 ライブ作りももっと積極的にやっていきたい！去年11月の6th Anniversary Liveから、みんながより意見を出すようになって。今回のツアーもそうなんですけど、やっぱり自分たちがやりたいことをやっていれば自然と楽しくなるので、これからもみんなで意見を出し合って、ライブを作っていきたいですね。
久保田 令和から見た平成って、平成生まれの私たちにとっての昭和みたいに1個前の元号になるじゃないですか？ だからきっと私たちが長く活動していれば、令和生まれの子とも一緒に仕事をする可能性があると思うので、あこがれのかわいいお姉さん集団になれたらいいなって思います。自分たちの一個上の世代の先輩方にも「あの声優さんはかっこいいし憧れ！ しかもお姉さんだけどかわいさもあるし……」みたいな方がたくさんいらっしゃるので、そういう存在を目指していきたいです！
茜屋 それに、平成生まれの私から見て昭和って、いい楽曲が多いなって思うんです。すごく好きな楽曲も多くて。だから令和になったら、平成がかつての昭和みたいな立ち位置になるので、「平成の楽曲もよかったよ」って言ってもらえるように……実際録ったのは平成なんで（笑）、今回のシングルがそうやって後世に残るものになってくれたらいいな、って思います。
取材・文／須永兼次
PROFILE
i☆Ris【あいりす】2012年7月7日、“第1回アニソン・ヴォーカルオーディション”の合格者6人で結成された、声優とアイドルの活動を両立するハイブリッドユニット。それらの枠のみにとどまらず、メンバー個々人が舞台女優やシンガー・ソングライター、ラジオパーソナリティやDJなど様々なフィールドに活躍の場を広げている。現在、自身5度目となる全国ツアー“i☆Ris 5th Live Tour 2019～FEVER～”を開催中。
CD情報
i☆Ris 18thシングル「アルティメット☆MAGIC」
若井友希がメインキャストも務めるTVアニメ『賢者の孫』のオープニング主題歌！
4/13～開催中の全国ツアー「i☆Ris 5th Live Tour 2019 ～FEVER～」のテーマ曲「ありえんほどフィーバー」も収録。
発売日：2019年5月22日（水）
【CD ※初回生産限定：TVアニメ「賢者の孫」盤】EYCA-12509／\1,404(税込)
◆TVアニメ「賢者の孫」描き下ろしジャケット
©2019 吉岡 剛・菊池政治／KADOKAWA／賢者の孫製作委員会
【CD+DVD】 EYCA-12510/B／ \1,944(税込)
【CD】 EYCA-12511／\1,296(税込)
▼LIVE情報
i☆Risにとって5回目となるライブツアー
「i☆Ris 5th Live Tour 2019 ～FEVER～」チケット発売中！
・5月25日(土) 神奈川県 /関内ホール 大ホール 14:15 / 15:00 18:15 / 19:00
・6月1日(土) 東京都 /中野サンプラザ 14:00 / 15:00 18:00 / 19:00
全8会場16公演 (全会場 昼/夜2回公演)
■チケット
〈全席指定〉￥6,800（税込）
小学生以上有料。未就学児童は入場不可。
※Zepp公演: ドリンク代別途500円あり
※枚数制限：4枚
i☆Ris 公式HP
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i☆Ris公式Twitter
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