読者に人気のアニメ作品から、期待の声優に作品や役柄について語ってもらう「メガミマガジン」のインタビュー企画「Megami’sVoice」。2019年9月号には、『うちの娘の為ならば、俺はもしかしたら魔王も倒せるかもしれない。』でラティナを演じる高尾奏音が登場。「超!アニメディア」では、本誌で紹介できなかった部分も含めた、ロングインタビューをお届けする。
――『うちの娘の為ならば、俺はもしかしたら魔王も倒せるかもしれない。』という作品の第一印象を教えてください。
異世界もので、魔人族や魔人語など出てくるので、もっとバトルが多い作品だと思っていました。でも、実際に読んでみると、ほっこりしたストーリーで、ラティナがかわいく、周囲の人々もとても温かくて。すごく幸せな世界を描いた作品だなと思いました。
――ラティナの第一印象は?
天真爛漫です。ですが、過去に彼女の身に起こった出来事のせいで心を痛めている部分もあります。そこは守ってあげたくなるなと思いました。
――オーディションで印象的だったことを教えてください。
オーディションで鼻歌を歌うシーンがあったのですが、ラティナはすごく音痴なんですね。スタッフの方からも「もっと音痴に」という指示があったのですが、どこまで音痴に歌っていいのか、少し悩みました。
――彼女はかなりの音痴ですよね。
そうなんです! あまりにも音痴過ぎて、むしろかわいさが増しました。
――そんなラティナを演じる際に、心がけていることは?
ラティナは周りを気遣えるしっかり者ですが、まだ幼いところもあるので、子供の純粋さを声でも出せるように心がけました。スタッフの方からは、「悲しさやさびしさをもっと出してほしい」と言っていただいたりもするので、そこも気をつけています。
――ラティナを何歳くらいだと思って演じていますか?
設定だと7歳くらいなのですが、保護された当初は言葉も話せないくらいだったので、4~5歳くらいの気持ちでした。そこから、どんどん成長していくようなイメージです。
――ラティナは純粋で誰もが好きになる子ですが、かわいさについてはどう表現したいと思っていますか?
弱い部分もあるし、小柄なので、声は張らないように、高めの声で演じるようにしました。ただ、やりすぎるとあざとくなってしまうので、そのバランスはいつも気にしています。それから、うれしいときにはしゃぎすぎると元気に聞こえてしまうので、その加減も指示をいただきながら考えています。
――ほのぼのとした作品ですが、魔人族を敬遠する人々が登場するような、シリアスなシーンもありますよね。
普段はほんわかとしたラティナも、複雑な感情は抱いていて、それがシリアスなシーンで出てくると思っています。ただ、ラティナは複雑な感情を周りに出さないようにがんばっているけれど、それが漏れてしまうようなイメージで演じています。子供ならではの、気持ちをじょうずに隠せない部分を感じていただけたらと思います。
――ラティナのどこが魅力的だなと感じていますか?
デイルや友達のルディからモテモテなのに、それにまったく気づいていないところです(笑)。ルディの思いはバレバレなのに本人に全然届いていないので、見ていて気の毒になってしまうこともあります。それから、ラティナはすごく物覚えがよくて、あっという間に言葉をマスターするんですね。その成長は、私も娘を見守るような気持ちで見ています。
――ラティナに共感できるところはありますか?
おいしいものが大好きなところです。私も甘いものが好きなので。ただ、ラティナは料理が上手ですが、私はまったく作ることができないので、そこは尊敬しています。
――料理の失敗談はありますか?
卵を割ると、必ず殻が入ってしまうし、先日まで炊飯器に具材を入れたらそぼろご飯ができると思っていて、共演者の方から「それはやばいよ」と言われました(笑)。
――ほかのキャラクターについては、どんな印象がありますか?
デイルはデレデレしているけれど、やさしいので大好きです! 私も兄がいて、仲はいいのですが、あのくらい甘やかされてみたかった! 冒険者としては実力があるのに、ラティナには甘いというギャップもいいなと思います。ルディのラティナが好きだから意地悪しちゃう、その小学生らしいところもお気に入りです。それから、ケニスはダンディで頼りになりますし、ほかの大人のみなさんも、ラティナによくしてくれるので、みんな大好きです。
――アフレコ現場の雰囲気は?
みなさん温かくて、まさに虎猫亭という雰囲気です。アフレコのある日は学校でも友達から「今日は機嫌がいいね」と言われるくらい楽しみなんです。1話の収録のときは緊張のあまり、手が震えて台本が読めなかったくらいでしたが、みなさん本当によくしてくださって、リラックスできるようになりました。それから、アフレコといえば、毎回アイキャッチではラティナの服装が替わるんです。そこで「アドリブを入れてください」と言われるのですが、長いこと審議されがちなんです(笑)。キャストの方からは好評をいただくのですが、監督から「もっとかわいくできる!」と言われることが多くて。一度、台本を置いて、身振り手振りも加えて演じてみたりもしました。キャストのみなさんに見られながら、一生懸命かわいいポーズを取ってみたりしたのも、すごく思い出に残っています。
――ラティナは音痴だと言っていましたが、ラティナとしてOPの「I’m with you」も歌っていますね。
ラティナの成長に沿って、言葉遊びをするような歌かと思っていたらアップテンポのすごくかっこいい曲をいただいて驚きました。スタジオでは、「今日は音痴でなくて大丈夫なので、楽譜どおりに歌ってください」と言われたのを覚えています。なので、ラティナに音感があったらこんな雰囲気なのかなと思いながら歌わせていただきました。「ちょっと成長したラティナがデイルに思いを伝えているようなイメージで」と言っていただいたので、とても歌いやすかったです。
――では、最後にこの先の見どころを教えてください。
この先、ラティナは学舎に入って、見たことがないものや初めての経験をたくさんしていき、どんどん成長していきます。初めて見るものや、やることに対するラティナの反応がすごくかわいいので、まずそこに注目しつつ、成長を見守っていただけたらと思います。学舎では、クロエというキャラクターが登場して、彼女と友情を育んでいきます。クロエとのエピソードは、うるっとするくらい感動的なので、ラティナとクロエの友情話も堪能していただきたいです。そして、ラティナの過去も明らかになっていきますので、そちらにも注目していただきつつ、みなさんもデイルになって、ラティナを愛してくださるとうれしいです。
◆MegamiにQuestion
Q.チャームポイント
A.目
高校で真剣に先生の話を聞いていたら、先生から「目力がすごい」と言われました。友達から「夢に出てきそう」と言われたこともあります(笑)。
Q.ニックネーム
A.のんのん、のんちゃん
「のんのん」は小学生の頃からのニックネームで、「のんちゃん」はほかのアニメの現場で、キャストの方に呼ばれたのがきっかけです。
Q.自分の声の特徴
A.意外と低い
ラティナのような幼い子を演じるときは普段より高めに作りますが、素の声はハスキーなほうだと思います。いずれは、低めの声のかっこいいキャラクターも演じてみたいです。
Q.自分の性格
A.忘れっぽい
小学校時代に、ランドセルを忘れて学校に行ったことがあります。校門で先生から「1回登校したの?」と聞かれて、そこで気がつきました。
Q.今、ハマっている趣味
A.人狼ゲーム
もともと好きだったのですが、周りでやっている人がいなかったので、学校のクラスで広めました。私はすぐ役職がバレて、追放されがちです。
Q.「こう見えてじつは……●●なんです」
A.サバサバしています
話してみると「こんなに変な子だと思わなかった」とよく言われます。あと、第一印象が「やばそうなロシア人形」と言われたこともあります(笑)。
Q.ラティナのように魔法を使えたら?
A.家を全部お菓子にします!
ベッドをガトーショコラに、布団をパンケーキにして、毎日食べていきたいですね。自分もパンケーキになってみたいくらいです(笑)。
Q.本作のキャッチフレーズ
A.初めてのお使いを見よう!
ラティナを見ていると、初めてのお使いを見ているみたいにハラハラすると、キャストの皆さんに言われました。でも、娘がほしくなるとおっしゃっていただけたので、ぜひ疲れたときに見て癒やされてほしいです。
取材・文/野下奈生(アイプランニング)
(プロフィール)
たかお・かのん/9月10日生まれ。東京都出身。リンク・プラン所属。主な出演作は、『百錬の覇王と聖約の戦乙女』リネーア役、『魔王様、リトライ!』アク役など。
〈『うちの娘の為ならば、俺はもしかしたら魔王も倒せるかもしれない。』情報〉
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