両親を交通事故で亡くし、定食屋を切り盛りしながらひとり暮らしする小学生の女の子が周りの人に支えられながら、たくましく生きていく姿を描いた4コママンガ「ひとり暮らしの小学生」(宝島社)が10月10日よりタテアニメで配信される。超!アニメディアでは、前編、後編の2回に分けて本作キャストのインタビューを掲載。前編となる今回は、主人公・鈴音リン役を演じる田中美海、リンのクラスメイトでクラスのガキ大将の関口亮役を演じる森嶋秀太に作品の印象、演じる役柄について聞いた。
ーーまずは、台本を読んだ感想など本作に感じた印象からお願いします。
森嶋 両親が亡くなってしまったのに、曲がらずけなげに生きているリンちゃんがすごくかわいいなと思いました。ちょこっとずつギャグが入っているところが、また心があったかくなるといいますか、読んでいて幸せな気持ちになれる作品だなと思いました。あと個人的にマンガは電子書籍でよく読んでいるので、今回タテアニメというアプリで配信される作品に参加できるのはすごくうれしいです。1視聴者としてもぜひ読みたいと思います(笑)。
田中 漫画も全編フルカラーなのがすごいなと思いました。地元が江の島に近いので、出られるってなったときに親がすごく喜んでくれました。「こういうところあるなー」ってほっこりするような風景描写もたくさんありますし、ちょっとビターなギャグも入っていて、ほんわかした部分とのギャップがまた素敵だなと思いました。
ーー江ノ島の風景の描写の部分では懐かしい気分になられたと?
田中 そうですね。江の島ってお店もたくさんあるし、民家もあって、釣りのシーンも本当に結構されている人がいるんですよね。「あるあるー!」って思うところがたくさんありましたね。
森嶋 僕は、昔一度行ったことがあります。シラス丼を食べて神社に行ってお参りしました(笑)。想像していたよりも穏やかなところでした。猫もいてかわいいなぁって。観光名所がいっぱいあって、楽しい場所だなと思いました。今でも財布に江の島の神社でひいたおみくじに入ってたアイテムが入ってます!
田中 (笑)。
ーーでは、実際に演じてみて印象に残っているシーンを教えてください。
田中 お姉さんとお兄さんのカップルが来たときに「何歳? お父さんとお母さんは?」って聞かれてリンちゃんが「上にいるよ」ってすごくいい笑顔で、天国の方を指して言うところが印象に残っています。ヘビーなことを言ってるのに屈託のない笑顔。本当にこの子はいい子なんだなと思いました。
森嶋 僕は一番最初に亮くんがリンちゃんのカバンをグッといたずらするところで、「あーこれ好きなんだろうな」っていう小学生ならではの、好きの照れ隠しをやっていて、でも本人はまだ好きってわかってなくて、「あーこういう小学生の感じあるある!」と思いながらやりましたね。
田中 かわいいですよね。
ーー気になるからこそ、リンちゃんにちょっかいをかけるという亮くんの小学生らしい好意の表し方は、森嶋さん自身も経験はありますか?
森嶋 めちゃくちゃありましたね(笑)。クラスで気になる子がいると、ちょっかいを出したくなるんですよ。どうでもいいものを机の上に置いておいたりとか、消しゴムをわざと忘れて「貸して」って言ったりとか…。
田中 かわいい(笑)。
森嶋 イジめるわけじゃないんですけど、何かしらのちょっかいを出しにいっていましたね。懐かしいです(笑)。
ーー田中さんは小学生のときにそういう男子の心当たりはありますか?
田中 ありますね。でも、小学生のころからいろんなアニメとかマンガを読んでいたこともあって、男子がちょっかいを出すのはかまってほしいから、っていうのが女子の間で広まっていたので分かってました(笑)。
森嶋 バレてたんですね(笑)。
田中 「絶対●●くん、●●ちゃんのこと好きだよ」とか(笑)。
森嶋 うわ、そのセリフめっちゃよく聞いた(笑)。
田中 そういう話をしていたことを思い出しましたね。小学生の頃って女の子の方がマセてますからね。
森嶋 …恥ずかしいです(笑)。
ーーアフレコ現場での様子はいかがでしたか?
田中 すごく楽しかったです。常連のおねえさん役の伏見(はる香)さんは同じ事務所なんですけど、会うのは今日が初めてで。いろいろお話できたし、とってもかわいくて楽しかったです。常連客の遠藤次郎を演じた坂本(頼光)さんもすごく現場を盛り上げてくださってましたね。
森嶋 そうですね。伏見さんとは初めてお会いしたんですけど、皆さんとてもやさしい方で。(坂本)頼光さんとはいろんな現場で一緒になることがあるんですけど、あらためていろんな引き出しがある方だなと思いました。作品そのままのような非常に和やかな雰囲気の現場でした。
ーー演じていたキャラクター以外でいいなと思ったキャラクターはいますか?
田中 私は、担任の伊藤先生が好きです。やさしいんですけど、怖い人がきたら逃げちゃったりして(笑)、そういうところが人間らしいなと思いました。
森嶋 僕はクラスメイトの(金見)美恵子ちゃんですかね。「もうちょっとこうしたらいいのに」って思うところがいっぱいあって不器用でかわいいですね。
ーー小学生ながら食堂を経営するリンちゃんは、料理を毎日作っていますが、お2人は料理は得意ですか?
田中 私は完全に食べるの専門ですね(笑)。作ったことがほとんどなくて、ダメだなって思いながら、外食したり、親のご飯を食べています。お母さんの作ったオムライスがすごく好きなんです。卵を3、4個使って半熟で作ってくれるのがすごくおいしくて。妹がいるんですけど、食べ物の好みが正反対ってくらい違っていて、妹はあんまりオムライスが好きじゃないんです。なので、他の家族は野菜炒めだけど、運動会頑張ったからとか、ご褒美的な感じで私だけオムライスってよく作ってもらっていました。
森嶋 僕は一人暮らしが長いので料理は結構しますね。最初は節約のために作るって感じだったんですけど、だんだん作ることが楽しくなっちゃって、自分の中での改造料理をするようになりました。「この素材とこの素材を合わせたらどうなるんだろう」とかよく実験しています(笑)。最近だと、担担麺がうまくいきましたね。外で食べていて、この味を家でも再現できないかなと思って、豆板醤やひき肉を買って、ゴマの量を調整しながらやったらわりといい感じにできましたね。
田中 おいしそうー!
森嶋 おいしかったです。昔からわりとささっと作っちゃうんです。前はお昼のお弁当を作っていた時もありました。そのときは時間勝負だったので、10分くらいで朝作ってましたね。メニューを決めておいて、冷凍の小分けの野菜があって、それは自然解凍でいけるので、つめこんで、解凍している間にご飯をつめて…って手際よくやってましたね。なので、今回のリンちゃんの料理の仕方を見ていて、「塩と砂糖間違えたんだろうな」とかいろいろ思うところはあります(笑)。味の加減を教えてあげたいですね。
ーーおにぎりにチョコを入れてみたり、小学生ならではの何でも甘い方がいいというリンちゃんの味付けセンスはどう感じましたか?。
田中 私は今でも子供舌なんで、辛いものが苦手なんです。カレー屋さんに行っても蜂蜜をドバドバかけないと食べられなくて、友達が味見したら「蜂蜜のカレー風味だ」って言われて(笑)。それぐらいしないと、食べられないので、もしかしたらリンちゃんに味覚が近いのかもって思いました(笑)。
森嶋 僕もそうかもしれないです。小学生のとき駄菓子が大好きで口の中に入れると色が変わるアメとかガムが好きで、昔好んで食べてたんですけど、いまだに駄菓子コーナーにあるのを見かけると大人買いしちゃいます(笑)。ご飯もカレー、スパゲティ、ハンバーグ、オムライス、グラタン、ドリアとか、子どもが好きなメニューが好きで、自分で作るのも担担麺は別ですけど(笑)、そういう小さい子が好きそうなメニューを作ることが多いですね。過度の甘みさえおさえてもらえれば(笑)、リンちゃんの作るメニューは好きなものばかりです!
田中 チョコのおにぎりももしかしたらいけなくはない…かもしれないですよね(笑)。
森嶋 チョコのおにぎりはありかもしれないですね。僕、出身が新潟なんですけど、新潟のチマキっておはぎみたいにきな粉をつけるんですよ。だからそれと同じような感じでいけるんじゃないかなと…。
田中 (笑)。
ーー最後に本作を楽しみにしている人に見どころなどメッセージをお願いします。
森嶋 「ひとり暮らしの小学生」というタイトルからもわかるように小学生がひとり暮らししていて、かわいそうだなとか思っちゃうんですけど、けなげに生きてるリンちゃんの純粋さに心を洗われるような気持ちにもなると思います。現代社会で疲れたときにこの作品を見て癒されて、そして江の島にも行って、さらに癒やされてください!
田中 今回タテアニメという新しいアプリでリンちゃんという役を演じられたことがすごくうれしいです。リンちゃんもけなげに頑張っていますので、いろんな大人と触れ合って頑張っている姿を応援しながら見ていただきたいです!
<タテアニメ「ひとり暮らしの小学生」情報>
CAST
鈴音リン : 田中美海
関口 亮 : 森嶋秀太
金見美恵子 : 三森すずこ
常連のおにいさん : 高橋伸也
常連のおねえさん : 伏見はる香
遠藤次郎 : 坂本頼光
STAFF
原作 : 松下幸市朗(宝島社 このマンガがすごい!comics)
監督 : 春日森春木
キャラクターデザイン : 森田二惟奈
美術監督 : 渡辺佳人 木賊美香
音響監督 : 小泉紀介
主題歌 : 「ひとり暮らしの小学生」
作詞・作曲 : 松野恭平
歌 : 笠原弘子
アニメーション制作 : シグナル・エムディ
製作 : SIGNAL.MD/タテアニメ
<書誌情報>
『ひとり暮らしの小学生 江の島の夏』
松下幸市朗 宝島社 700円+税
(2016年5月25日発売)
『ひとり暮らしの小学生 江の島の空』
松下幸市朗 宝島社 700円+税
(2016年11月10日発売)
『ひとり暮らしの小学生 江の島のあしあと 松下幸市朗短編集』
松下幸市朗 宝島社 700円+税
(2017年10月7日発売)
<タテアニメ情報>
・価格 無料(アプリ内課金有)
・プラットフォーム 推奨 iOS バージョン iOS9.0 以上
※iPhone5 以上、iPad 第 3 世代以上、iPad mini2 以上
・推奨 Android バージョン Android OS 4.4 以上
タテアニメ公式サイト
https://www.tateanime.com/