blog的ニュース的広告的ユーコス石油

今日、Wall Street Journal(オンライン版)を見ていたら、檻に入ったシマシマ囚人服の人の写真の広告が。「ミハエル・ホドルコフスキーの『見せしめ裁判』でロシアは民主主義から後退」とかいてある。ホドルコフスキーといえば、ユーコス石油の元オーナー。Putinとの対立の後、現在入獄中の人。思わずクリックしてしまった。そうしたらこんなサイトへ。 Russia in Focus

Blog形式でロシアに関するニュースが掲載してあるが、右のほうにFeatured Commentaryとして、I am a Patriot of Russiaというホドルコフスキーの弁論が載っている。サイトの運営者が誰かなどはどこにも書いていない。

これはホドルコフスキーの地位回復キャンペーンか、とちょっとGoogleで調べてみた。

そうしたら、こんなニュース・リリースが見つかった。

APCO Online(R) Pioneers Innovative Web Campaign to Reach Opinion Elites

いわく

APCO Online, the online communication offering of APCO Worldwide, launched a new, exclusive online advertising feature that enables its clients to instantly communicate with opinion elites around the globe. The feature debuted on The New York Times on the Web, the number one newspaper Web site. According to Atlas Solutions, a leading online marketing management and research firm, more than 98 percent of NYTimes.com’s International section front readers visited the target Web site (http://www.russiainfocus.com/) promoted in the series of advertisements — a conversion rate unmatched in the industry.

The online program was created to help APCO’s client, Group MENATEP Limited (GML), deliver near real-time news and events from the trial of its former core shareholder, Mikhail Khodorkovsky, to a global online audience.

やはり。

ホドルコフスキー裁判に関するニュースをリアルタイムでグローバルに到達させるため、広告会社が組んだキャンペーンだったのである。4月21日の発表時には、New York Timesのオンライン版であるNYTimes.comの国際欄で試したところ、98%がRussia in Focusのサイトを見に行ったとのこと。

Using sophisticated syndication technology, bilingual APCO staff in the Basmanny courtroom in Moscow input news updates directly into GML’s “breaking news” Web site on the issue (http://www.russiainfocus.com/). In parallel, members of APCO’s global staff augment the breaking news with third-party commentary and related geopolitical news.

モスクワの裁判所で、バイリンガルのスタッフが傍聴、そこからリアルタイムで英語のニュースをアップロードしているのだそうだ。さらに、他のスタッフが関連する世界の政治ニュースやコメンタリーを加えているとのこと。

New York Timesで成功したら、他のメディアへの出稿も増やす、と書いてある。なので、Wall Street Journalにも手を伸ばしたのだろう。

私がウェブ広告をクリックしたのは二度目だ。(ちなみに、一回目は、手が背中をマッサージする動画で、手をカーソルで動かすことができ、新しい場所を揉むと「オォォウ」などとものすごく気持ちよさそうな声がする、というバージン航空の宣伝であった。)多分今までに何万ものウェブ広告を見たと思うが、クリックしたのは二度だけ。それくらいインパクトがあった。New York Timesの98%もうなずける。グローバルにメッセージを訴求、世論を動かすには効果的だろう。前述のリリースでは、8週間で500万人がサイトを見に来ると予測している。

世界中の政治犯(やそれに類する人)が同じことをやり始めたら、「またか」と広告も見向きもされなくなるのだろうが、とりあえず今のところ目新しい。

画期的なBlogの使い方ではないでしょうか。

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