fc2ブログ

映画「劔岳 点の記」




梅雨の合間に関東地区は良く晴れた土曜日.
ここぞとばかりに布団を干したり、大物洗濯にいそしむ.
昨夜の宴会のつけを払うが如く、ウォーキングも.
流した大汗を冷やしに夕方は冷房の効いた映画館へ.

本年66本目は新田次郎の小説の映画化作品.
日本映画界を代表する名カメラマン木村大作が初監督.
出演は浅野忠信と香川照之、競演に松田龍平、仲村トオル.
主人公の妻役に宮崎あおいがちょい出演する.

明治時代末期、国防のため日本地図の完成を急ぐ陸軍の命を受け、
最後の空白地点を埋めるべく前人未踏の難峰・劔岳に挑んだ
男たちの命を懸けた真実の物語を描く.

実際に劔岳・立山連峰各所でロケを敢行、
測量隊と同じ行程をほぼ忠実に辿る過酷な撮影の末に
実現した雄大さと迫力に満ちた映像美には感心する.

このところのCGやVFXだらけの映画とは明らかに違う映像美に
ある種の新鮮さを感じてしまう.作られてない本物の美….
デジタルではない、現像されたアナログの銀塩の美しさに酔った.

撮影の過酷さに耐えた役者陣の奮闘にも同情?してしまう.
なかでも香川照之の演技は真摯に自分の仕事に打ち込む案内人を
良く演じていて、ますます好きになってしまった.
軽い演技も重い演技もうまくこなす好い役者と思う.

役者の踏ん張りと映像美には感心しても、他には良い所は無い.
新田次郎まんまを脚本してしまい、キレイ事すぎるし、
女優陣は全く描けてない.あか抜けない演出に構成も古くさい.

音楽の使い方もかなり雑でせっかくの映像美をぶち壊すシーンもある.
モーツアルトとビバルディ、そしてベートーベンをかなりの音量で
がなりたてる….こういうクラッシックを使うなら小音量の添え物だろう.

映像は超一流.演技は一流.中身は古くさい30年前の造り.
名カメラマン必ずしも名監督に非ず…、というところか.

会員割引¥1000で鑑賞.これ以上は払いたくない.

コメント

非公開コメント

No title

30年ほど前の『八甲田山』を思い出して観たくなった映画でした。1日のレディースデイみ観に行こうと思っておりまするん。

No title

同感ですね、たしかに凝縮しすぎた感がありました、陸軍省のシーンも必要でしたかね?
しかし剱岳は大画面で見ると綺麗でしたね、BGMはたしかにひどい、手旗信号も監督の発想だとテレビで威張っていましたけど陳腐でした、僕は実際に山をやっていましたので背負っている荷物が嘘っぽくて、あれだけ背負っていればあんな風には歩けませんよ、細かいリアリティに欠けていた様に思えました、

No title

ほんと最近はどの映画もCGばかりですが、全部ロケの、しかも
あれだけの厳しい自然を前にして撮った映像は素晴らしかったですね
なるほど。確かにクラッシックが使われていたのはいいですが
ボリュームが大きかったです。
ストーリー的には、頂上付近でいきなり・・すぎました。
TBさせてくださいね。

No title

ぴいしゃん.
「八甲田山」もたしかこの木村大作さんのカメラでしたね.カメラ表現は映画館で観ると…凄いです.1日は映画デーだからオヤジも¥1000デス.何を観ようかしらん♪

No title

Kanさん.
あぁ、陸軍省シーン…ミスキャストだらけでしたね(笑).ギャラとフィルムの無駄使いですね.手旗信号もその伝達内容も…笑えました.

No title

俳優陣の撮影エピソードを聞くにつけいい仕上がりだと良いなぁ・・・と思っていたんですが。
中身がなければ本末転倒ですね。
役者が下手でも素人でも、スゴイ作品はあるわけで、やっぱり監督の力量がすべてですかねぇ。

No title

Cartoucheさん.
実は…一番感心したのはエンド・スクロール時のバックの映像.劔岳を中心にした山の映像、静止画かと見間違うような静かな山の風景に静かに霧だけが流れていたり…、それはもう素敵な映像でしたね.そんな素敵なシーンを観ずに立ち去る観客の多いことっ.失礼な奴らデス(笑).

No title

セニャさん.
いやぁ、古くさいタイプの監督さんだなとは思っていましたが、案の定….唖然の古さですよ、これは(笑).

No title

テレビに出てくる、あの監督のお喋りが嫌いでね…って、全然関係ないけど。

No title

めーちゃん。
関係あると思う.傲慢、一人よがり、人の言う事を聞かない…、その全ての結果がこの映画の出来に現れてる.良い所も悪い所もね.私も凄く嫌いデス、あの監督の喋りは.

No title

関係あるのね…。監督って変わり者も多いから、で済ませられない不愉快さだったのでね。

No title

めーちゃん。
(カメラ)職人としての腕は良いのですが、監督としては品性が伴わなってないですよね.

No title

昨日は1日のレディースdayだったので2本観て来ました妖~。

新田次郎の小説を美しいカットで写す作品でしか、何故に音楽がクラシック一本やりなのかしらん。
画像と俳優の演技には拍手だけど、映画としてはブツ切れのイメージでした。
だったからかなぁ~監督が何を表現したかったのが見えない作品でした。

No title

ぴいしゃん.
映画のハシゴとは体力十分!デスね.これほど音楽がアンマッチな作品は久しぶりでしたねぇ~.この作品は音を消して大型液晶TVで映像だけ観ると…素晴らしいかも.

No title

映画のパンフは売り切れでした。
写真集が出たら買うかもね ^^

今宵はテニスで眠れましぇんの。。

No title

ぴいしゃん.
なんだかアクティブだなぁ….張り切りすぎて怪我しない様にっ!!