映画「インセプション」 再び
原題:Inception
制作年:2010年 制作国:アメリカ 上映時間:148分
水曜はノー残業の日.いつもの歯科医に定期健診へ行く.ようやく歯石取り
の作業も終わった.2週間おきの通院だったがなんと3か月もかかった.
いいように保険点数稼ぎされた感がある.
次回は11/11だそうな.3か月も かけて取った歯石が3か月でまた元に
戻るのは釈然としない気がするなぁ…. 治療自体はアッという間に終わるので、
その足でTOHO柏へ.
新作で観るべき作品は皆無なので、10年前の旧作を本年劇場観賞
103本目に鑑賞.ちょっと懐かしい匂いがした. 前回は2010年7月20日
に観ていたようだ.
「ダークナイト」のクリストファー・ノーラン監督が、オリジナル脚本で描く
SFアクション大作.
人が眠っている間にその潜在意識に侵入し、他人のアイデアを盗みだすという
犯罪分野のスペシャリストのコブは、その才能ゆえに最愛の者を失い、
国際指名手配犯となってしまう.
そんな彼に、人生を取り戻す唯一のチャンス「インセプション」という最高難度
のミッションが与えられる.
主人公コブにレオナルド・ディカプリオ、共演に渡辺謙、ジョセフ・ゴードン=レビット、
マリオン・コティヤール、エレン・ペイジほか.
第83回アカデミー賞では作品賞をはじめ8部門にノミネートされ、撮影賞、
視覚効果賞、音響編集賞、音響録音賞 と技術系の4部門を受賞した.
2010年製作・公開.2020年8月には、ノーラン監督の「TENET テネット」
公開にあわせ、IMAXおよび4Dでリバイバル公開.IMAXでは、「インセプション」
公開10周年を記念してIMAXデジタルリマスター版で上映される.
以上は≪映画.COM≫から転載.
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選択のしようがなく、4DX-2Dで鑑賞.取って付けたような座席の振動と、
風と水しぶき、そして意味なく炊かれるフラッシュ.4DXに全く付加価値を
見いだせない.
固定された安定の座席で第三者的に鑑賞するのが映画である. 画面の中と
同じように揺さぶられ、突き上げられることは、作品からの感動とは
全く別物で意味が無い.貯まったポイントで観たから追加千円で済んだが、
やはり金返せモノだと思う.
さて、本題の作品について.もう初公開から10年経ったのだね.今なお
斬新な設定と大胆な構想、うならさせる映像と…、魅力を持った作品.
クリストファー・ノーランらしい作品と思う.次作「TENET」にも期待だ.
役者陣の演技も楽しい.デカプリ、渡辺謙、ジョセ=レビ、トム・ハーディら
男くさい演技の中で泳ぐような彷徨い方の演技のマリオン・コティヤールが
美しい.女子大生役のエレン・ペイジの初々しさもたまらない.
10年前に観た時は、夢の中でまた夢に入るという3階層の夢構造
(最終的には4階層)に度肝をぬかれたのだが、今回は違う視点で
感心した. それは原題:Inseptionに表される“植え付け”というコンセプト.
主題だよね. 夢に入り込む犯罪は、extraction “抽出”という作業が通常.
要は秘密を 盗み出すのが常套手段.これに反し、本作では対象にある思想
とか構想を根付けする難しさを描いている.この難易性に改めて気が付いた.
これには目標となる対象者の経歴や思想の念入りな事前調査が必要で、
本オペレーションではここに失敗をする.次に綿密な“夢の設計図”が
必要で、これ次第でいかようにもなってしまう危険性を含む.
事前調査の失敗とは、目標のキリアン・マーフィ演ずるロバート・フィッシャーが
夢犯罪の防御策として、事前訓練されていたことを見逃したこと.その為に、
それぞれの夢の階層で、強硬な反撃を喰らうことになってしまう.
加えて、主人公コブ:デカプリオにまとわりつく亡き妻:マリオン・コティヤール
が要所、要所に表われてはオペレーションの邪魔をするのが最大のネックと
なる.しかもその妻の存在はコブ自身の夢の設計だったことが終盤あきらかに
なる. 男は想い出に浸るんだよねぇ….
エレン・ペイジがパリの町並で夢設計の実習をするシーンで、町が壊れて
いったり、町自体が折りたたまれていくシーンは、CGとは分かっていても
今時点でも新鮮な驚きをもって観ることが出来る.上手い夢の表現だ.
10年前も同じことを書いた気がするが…、ラストシーンでデカプリが
回したトーテム.これは夢の中では回り続けるのだが、オーラスで
少し揺れるが、回り続けるようにも見える…その微妙さが、
ハッピーエンドなのかサッドエンドなのか誰にも判らない、上手いなぁ♪
ち密な脚本と、想定外の構想、そして雄大なCGで練り上げられた
素晴らしい一級のSF作品と思う.
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