コミック一冊読むコスト

最近コミックレンタルをよく使っている。一週間で10冊ずつ借りる。1冊70円で、ときどきキャンペーンで50円になる。近所のTSUTAYAは在庫が10000冊あるらしいのだが、5ヶ月も毎週欠かさずレンタルし続けると、さすがに読みたいものがなくなってきた。在庫があまり入れ替わらないレンタル店の限界である。
そんな話を友人にしたら、マンガ喫茶に行くからコミックレンタルを使う理由が俺にはわからんと言われた。いやいやマンガ喫茶に行く時間が無い人がコミックレンタルを使うんだよ、主婦とかマンガ喫茶には行けないだろ?ちょっと空いた時間に読めるからいいんだ、と言ったのだが、いまひとつ共感を得ることはできなかったみたいだ。家にマンガを持ち帰るという行為自体がそもそも面倒くさいらしい。家にマンガを置きたくないのだと言う。
それを言い出したら私だってなるべくコミックを家に置きたくないからレンタルをしているのだ。ただでさえ、コミックはよく買うほうなのだ。放っておくとあっという間に本棚が埋まってしまう。定期的に中古本屋に売りに行ってもそれでもすぐに埋まる。そんでもって中古本屋でまた買ってきてしまったりするから全然減らないのだ。
ところで、コミックを読むとき、人はどのように店を使い分けているのであろうか?というのが最近の研究テーマの一つである。
コスト面で比較してみる。たとえばB6サイズの青年コミックを例にとってみよう。
コミックレンタルの場合、さっきも書いたが1冊70円で読める。所有権は無いが7泊8日分読む時間がある。
マンガ喫茶の場合、1冊ではなく時間貸しだ。5時間パックで1000円を利用するとして1時間200円だ。1冊20分で読んだとすると、1冊66円で読める。所有権は無しで、読むのはその場限りだ。
中古書店で買ったらどうなるだろう。B6サイズの青年コミックをブックオフで買ったとすると350円になる。所有権が自分にうつるのでいつでも読めるし読み終わった後、売りに行ったとすると、状態にもよるが大体60〜100円で買い取られるので、大体280円ぐらいで読めるということになる。105円コーナーで売っているものであれば、10円で買い取られることが多いのでその場合は1冊95円だ。
新刊書店だと定価560円だから、読後に中古書店に売ったとしても480円ぐらいということだ。
これを安い順に並べ替えるとこうなる。

店 1冊読むコスト 所有時間 本の状態
マンガ喫茶 66円 なし 汚い
コミックレンタル 70円 一週間 やや汚い
古本屋の105円棚 95円 制限なし 汚い
古本屋の一般棚 280円 制限なし やや汚い
新刊書店 480円 制限なし きれい

なるほど、市場価格原理というのはよく出来ているのだな、と感心するのであった。電子書籍は、この表で言うとどのあたりに位置づけられるのであろうか。